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不幸な出来事で傷心のおちかは、叔父の袋物屋の三島屋伊兵衛に引き取られ、不幸な過去や不思議な出来事を体験した人たちの話に耳を傾ける。
神田袋物屋三島屋の黒白の間で、明かされる不思議な話。「三島屋変調百物語事始」の第4弾。
序
第一話 迷いの旅籠
第二話 食客ひだる神
第三話 三鬼
第四話 おくらさま 計4編の短編連作
冬に贈る怪談語り、変わり百物語。
語り部の客は、村でただひとりお化けを見たという百姓の娘。夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋。山陰の小藩の元江戸家老。心の時を14歳で止めた老婆の4人。
それぞれに、亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしとの出会いから、切ない話、怖い話、悲しい話を語る。
それぞれの身の処し方に感じ入ったおちかの身にもやがて、心ゆれる出来事が…。
引き込まれ、かなり厚みのある本もあっと言う間に読み終えたと同時に、宮部みゆき氏の巧さに、完全に宮部ワールドに魅せられてしまう。シリーズ最高傑作。
主要登場人物
おちか...川崎宿旅籠丸千の娘
三島屋伊兵衛...神田三島町袋物屋の主、おちかの叔父
お民...伊兵衛の女房
富次郎...伊兵衛、お民の二男
八十助...三島屋の番頭
おしま...三島屋の女中
新太...三島屋の丁稚
お勝...三島屋の女中
瓢箪堂勘一...貸本屋の長男
青野利一郎...本亀沢町・深考塾の師匠
灯庵老人(蝦蟇仙人)...口入屋の主
半吉(紅半纏の半吉・黒子の親分)...岡っ引き
金田、捨松、良介...青野利一郎の教え子
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