「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

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不正経理、帳簿の書き方にいい加減な所があったが私的流用はないと聞いている、と川勝平太

2010-10-23 21:18:00 | ノンジャンル
「職場で使用する個人用の印鑑」「職員の夜食用しょうゆやソースなどの調味料」「地域支援局長用の冷蔵庫」「行方不明のデジタルカメラ」・・・

これらは、購入品目を他の物に見せかけて(納品書類等を業者に偽造させて)、不正な会計処理で(偽装したものを買ったような会計書類をねつ造して)購入したものだ。

しかし、県幹部らから説明を受けたのだろう、川勝平太は「私的流用はないと聞いている。帳簿の書き方にいい加減なところがあった」との認識(読売新聞H22.10.23朝刊)だそうだ。
気持ちはすでに税金旅行先の沖縄にあるようで、内務は元県職員の二人の副知事にお任せのようだ。
さて、県自らの調査による県の不正経理の総額は2億1646万円(3172件)だそうだが、これで全部と信じている県民がいるのだろうか。

調査の対象は2004年度からだそうだが、2004年度といえば、当時の石川嘉延知事が「私は減給で責任の形を表したい」「自己処分は私の判断。その適否は県民が判断すること。」などとして一連の裏金の幕引きを図ったころである。

くわえて、再発防止策として設置されたのが「静岡県コンプライアンス委員会」だが、当時の記事では、
<石川知事>
 「今後、コンプライアンス委員会で有識者からアドバイスを受け、職員の意識改革に全力を挙げたい」
<人事室>
 「今までは実効性のあるシステムを作ったと思っていたが、不足している面もあったかもしれない」「今度こそ外部の風を入れて県民の信頼を回復したい」
<与党県議の一人>
 「イエスマンの委員ばかり集めているのでは、と県民から見られても仕方がない」
などと威勢のいいことも言っていたが、メンバーは最初から疑問だらけ。
唯一まともと思われていた堀田力(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/52.html)もしょせんはみこしに祭り上げられただけで機能できず、気の毒だと思いメールで委員辞退を勧告し(http://8160.teacup.com/hikari21c/bbs/325)(http://8160.teacup.com/hikari21c/bbs/326)、その年度(2006年度)をもって静岡県から手を引いたのだが、今を思えば辞退は賢明な判断だったということだ。

最近のコンプライアンス取組といえば年1回、数問の問題を出して答えさせ、これを解説するというものだが、2007年ごろから内向き防衛志向で既におかしくなっていた(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/55.html)が、今はもとおかしい。
今年の問題には調査先の電話を借りるのはいいかという問いがあって良いという回答が示されたが、コンプライアンスとはそういう単純なものではない。
そもそも、4km以上の旅費の際の旅行諸費200円には連絡通信費が含まれているのだから、基本的には不適当なものであるにもかかわらず、違法でないというだけで可とするのは役人的発想でしかない。

産経新聞には「とりわけ、監督者の目が届きにくい県の出先機関に悪質なケースがあり」との記述があるが、目が届きにくいというよりも「お金がない」と言った方が正しい。
本庁幹部の外遊費用は出し放題の中で、出先機関では必要な会議に出る予算も不足する状況(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/530.html)があるからだ。
これも、予算を本当が握っていてなかなか出先の現場に令達しない仕組みがある(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/397.html)からだ。

いわば今回の事件発覚は起こるべくして起きたものであり、しかも悪いことに、川勝はまったくの素人で県役人出身の両副知事の前では裸の王様だということである。

「元東京事務所次長の公判で明らかにされた「石川知事が再選され、(これ以上調査しないという)不正経理問題に対する県の方針に異なる展開が起きる懸念が払拭され、横領への心理抵抗が薄れた」(http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/uragane.htmlの2005.1.24参照)」と同じく、今の県政は空港開港のため無断で他人の土地の立ち木を切っても懲戒処分なし、に象徴されるように組織防衛のための犯罪には抵抗がない。
今後予想されるのは裏金事件と同じ訓告などの形式的処分とその後の補填昇進だ。

変わらない、変われない静岡県庁。
一番の原因は幹部職員の公私混同である。公務上の関係とそれ以外の私的自治領域の分別がない。
地域支援局長室の冷蔵庫だって担当職員が違法を犯してまで自発的に買うわけがない。
「冷蔵庫が欲しい」と局長あたりが言ったのだろう。
しかも、上が言えば気の弱い職員なら無理をしてもそれに従うと思っていて言ったのならもちろん、思っていなくてもそんなことができないことぐらい知っておくべきであろう。
未だに恫喝的に支持してくる輩(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/450.html)は多い。こんな幹部の下で仕事をしている職員は気の毒だ。
まして、これが原因で処分されるというのは内情を知っているだけに本人の気の弱さに罪ありと言いきれない。
そう考えるとこういう時こそ管理監督者が責任を取るべきと考える。
トカゲのしっぽ切りのような処分パフォーマンスは問題の根を刈り取るどころか育てるだけだということを明記しておく。

しかし、空港問題以降こんな知事しか出てこなくなった静岡県の不幸。
いったいいつまで続くやら。