明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

語り継ぎたい「チャーシューおこわ」 新宿『航海屋』

2024年08月21日 | ラーメン、つけ麺など
みんな大好き(かな?)ラーメンのお供、「チャーシューごはん」について語ったとき、
『航海屋』の名物メニュー「チャーシューおこわ」についても触れた。


余ったチャーシューの端っこを刻み、タレと一緒にお米と混ぜて炊いたもので、単品販売はなく、麺類を注文しないと頼めない。
かつては100円、現在は150円で、ランチタイムは無料。しかも2回お替わりできるので計3杯食べられる。私は当然、毎回3杯食べていた。
上記の画像はお店HPから拝借したものだが、近年は更新されていない。

航海屋さんは、いくつか支店があったが、私は阿佐ヶ谷店しか入った記憶がなく、最後に訪問したのが2018年。
その頃は、麺類との100円セットごはんが増えており、おこわではなく未食の「カレーライス」を選択した…までは前回記した。


ここからは、そのとき食べた商品を紹介。+100円のカレーも安いが、基本の「ラーメン」も、450円に値下げされていて驚く。


基本の鶏ガラスープ「基味」と、魚介風味が加わる「新味」が選べ、私は基味をセレクト。


普通のラーメンでも、やや小ぶりだがチャーシューが4枚も入る。
たくさんのネギとメンマも加わり、麺は私の好きな平打ちタイプだったが、以前は普通の中細麺だったはず。


鶏ガラ醤油スープに、チャーシューとネギの風味が移り、この店独自のテイストになっていく。
なお、カレーライスはこちら。味自体は平凡だったが、100円にしては量がある。


以上のラーメンとカレーで550円。6年前とはいえ、さすがに安すぎる
その後はコロナ禍もあり、足が遠のいてしまい、23年に阿佐ヶ谷店は閉店。
チャーシューごはんブログで、「名物おこわ(とラーメン)を、近日中に食べに行くつもりだ」と記したとおり、
数ヶ月後には、航海屋で唯一残った、新宿店を初訪問してきた。


その前に、航海屋さんについて簡単に説明。
開業したのが1993(平成5)年。開店当初は『丸信 航海ラーメン』という屋号だった。
私が初めて買った、1995年発行の下記ラーメンガイドによると、創業者は、


「たまたま入った那須のラーメン屋さんの味に魅せられ、他に本業がありながら修業を積んだ」と記載されているが、
実際は、「伝授料と称して200万円取られたが、ロクに指導してもらえなかった」と、お店HPの「航海日誌」という枠でボヤいていた(笑)。
修業はほとんどしていないようだが、創業者はラーメン作りの才能があったようで、数年後には人気店に。
20世紀末から21世紀初頭にかけて、発刊されたラーメン本では、航海屋さんがたびたび掲載されていた。
なので、最大5店舗あった支店が、現在は新宿にしかないと知ったときは、さみしく感じたものだ。

閑話休題。初訪問した新宿店の店内は、カウンター席のみで、HPによると全16席。店員さんは若い男性ひとり。
ワンオペで疲れているのか、なんとなく不機嫌そうで、私への「いらっしゃいませ」も、あまり心がこもっていない印象。
それでも、壁メニューの「17時以降ドリンク・おつまみALL300円」に、うっかり心奪われる私。


しかも、新宿店は一番安い「ラーメン」が750円なのだが、ドリンク+おつまみ+ラーメンで1150円というお得なセットもある。
当初の予定を変更し、軽く一杯やってからラーメンを食べ、余裕があったらチャーシューおこわを追加することに。
選んだのは、「ウーロンハイ」+「水餃子」+「とんそば」のセット。
とんそばというのは、要するに豚骨醤油ラーメンで、私は食べたことがなかった。ラーメンより50円高く、セット価格も1200円になる。
まずはウーハイが登場し、チビチビ飲んでいたところで水餃子が登場。


水餃子の提供時に店員さんが、「ラーメンはあとにしますか?」とたずねてきたので、「あ、じゃあそうしてもらえますか」と返答。
「いつでもお出ししますので、お声がけしてください」と告げ、厨房へ戻る。なんだ、意外と気が利く方ではないか。

水餃子は、たぶん自家製ではないよくあるタイプ。スープも薄味なので、おろしにんにくや黒胡椒を投入し食べた。


ウーハイを飲み終えたので、店員さんにお願いし、とんそばを作ってもらった。


丼サイズは、一般的なお店よりやや小さめに感じた。


具材は、阿佐ヶ谷店のラーメンと同じ、チャーシュー4枚にネギとメンマ。麺は昔ながらの中細ストレート。


ネーミングどおり、スープはちょいと豚骨臭がある。普段の鶏ガラ醤油スープの方が好きかな。
私がシメのとんそばを食べ始めた頃は、先客の大半が退店したが、ひとりだけ残っている中年男性がいた。
この男が、スマホの動画を見ながら行儀悪く食べていたのが、チャーシューおこわであった。
しかもこの男、しっかりお替わりもするのだが、店員さんに無言で茶碗を差し出す、憎たらしい振る舞い。
150円のサービス商品なのに、エラそうにお替わりしやがって…この日、店員さんが不機嫌だったのは、この男に原因があると見た。

ここまで書くのを忘れていたが、航海屋さんのウリは、チャーシューおこわではなく、チャーシューそのものであり、
脂の多い順に大トロ、中トロ、赤身の3種があり、好みを選べるのである。


HPから拝借した、チャーシュー画像がこちら。右から順に、大トロ、中トロ、赤身。


注文時に要望を出さなかった場合は、自動的に中トロになる。このとんそばのチャーシューも中トロだ。


私は過去に、3種とも食べたことがあるが、大トロは脂がきつく、おススメは中トロだね。
「チャーシューメン」950円にすると、8枚増えて12枚に。とんそばなど他のラーメンも、+200円でチャーシューを増やせる。
私が20年ほど前に食べた、「ダブルチャーシューメン」は1150円で、チャーシューが計20枚入る。画像がないのでまたまたHPから借りた。


お店が力を入れているチャーシューは、麺類やおこわに使うだけでなく、単品販売もしていた。


1本約200グラムで、阿佐ヶ谷店があった頃、近くに住んでいた飲み仲間の先輩がよく購入していた。
先輩は「切らずにそのままかじり、その日のうちに食べ切った」らしい。その豪快な食べ方、私もやってみたい。
セットを食べ終えたら、やはり満腹になってしまったので、チャーシューおこわは別の機会に。

それから数ヵ月後、新宿で飲んだ帰りに、航海屋新宿店に再訪問。
腹八分かつベロベロだったので、麺類+チャーシューおこわの双方を食べるのは無理そうなので、この日は麺類だけの注文。
選択したのは、これまた食べたことのない「つけめん」850円。具材は既述の麺類と同じ。


HPの説明によると、「ラーメンより濃いめのつけだれに 流水で締めた麺をからめて食べる」とのこと。
その後、「かつおの香りとネギ油が麺によくからみ(後略)」と続くが、酔っててネギ油に気付かず(恥)。
つけダレはそれほど濃くはなく、酸味を感じる昔流行ったタイプ。卓上の自家製辛味噌も入れて食べた。
つけ麺専用の太麺を使用しているらしいが、他店の極太つけ麺に慣れちゃうと、インパクトは薄い。
ただ、この日の中トロチャーシューは、ほど良く締まった肉質で、なかなかウマかった。


食後はスープ割りもできるそうなので、お願いすると、ポットに入ったスープが登場。


スープは透明で味はほとんどなし。清湯スープにしては透明すぎるが、醤油味のラーメンには合っているのだろう。


割りスープでつけダレも飲み干し、「ごちそうさまです」と告げて退散…する前に、
出口付近に設置してある、次回利用できるトッピング無料券の中から、


次回訪問時のために、「チャーシューおこわ無料券」を獲得。


店を出ると、両隣のもつ焼き屋と串カツ屋は大繁盛しているのに、航海屋さんは、例の男性店員ひとりで、余裕で回せる客入り。
店内壁には、来店した著名人のサイン色紙がたくさん貼ってあるが、色紙の日付を見ると、大半が20年以上前に書かれたもの。
このお店だけ、時代に取り残されている印象で、大きなお世話だろうけど、ちょっと心配になった。

そしてつい最近、航海屋さんのおこわが食べたくなり、お盆休みの情報がないかネット検索してみたら、
残念ながら、新宿店が7月で閉店していたことが判明!

似た味のラーメンは、修行先(?)の那須『丸信』で食べられるだろうが、チャーシューおこわは完全に幻の一品になってしまった。
航海屋さん、31年間の営業、お疲れさまでした
最近は行けてなかったですが、何度も満腹にさせていただいた、チャーシューおこわの御恩は忘れませんよ!



航海屋 新宿店
東京都新宿区新宿3-12-4
JR新宿駅から徒歩約5分、地下鉄新宿三丁目駅から徒歩約2分
営業時間 11時~0時、土曜は19時まで
定休日 日曜
※住所や駅からのアクセスは、お店HPからの転記ですが、JR新宿駅からは徒歩だと5分じゃ着きません

※※文中のとおり、残念ながら2024年7月に閉店しました
コメント (3)
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