予告で楽しみにしていた作品。監督は好きなウェス・アンダーソンだし、犬の話だし、日本が舞台だし、ストップモーションアニメ大好きだし!やっと、大都市からは3週間遅れで公開されました。しかし、シネプレックスの一番端っこの劇場で、観客は私と、犬がいっぱい出てくる可愛い人形劇、と、勘違いしたに違いない、おばあちゃんと幼稚園児の孫二人という合計4人…orz
ウェス・アンダーソン監督らしい、小洒落た画面作り(もちろん左右対称)、特に背景に使われる浮世絵風の絵が面白くて、じっくり見るために映画のアート本を予約してしまいました。近未来なんだけどレトロ・ファンタジーな日本では、東京ブギウギが流れていたり、愛犬を探して犬が島に乗り込んだ少年、あたりと犬たちの場面のBGMが「七人の侍」だったり。実はこの映画、虐げられた力無き者たちを解放する七(一人と六匹)のお話なんです。舞台はフシギ・ニッポンだけど、舞台となるウミ県メガサキ市に伝わる、犬と少年サムライの伝説がお話に織り込まれているところや、最初と最後に出てくる三猫神社やら、日本ならではの背景が用意されています。
右下は大魔神じゃないよ
犬インフルが大流行したメガ崎市、人間への感染予防を理由に独裁者コバヤシ市長は、全犬をゴミの島である『Isle of Dogs(犬ヶ島)』に追放、隔離。でも、市長の遠縁の甥であるアタリ少年は、ボディーガード犬の「スポット」を探して、盗んだ小型飛行機で犬が島に乗り込み、そこで出会った犬達と共に、冒険の旅へ。そのころ、本土のメガ崎市でも、犬派が立ち上がり…
ベルリン映画祭で初公開され、高い評価を得たのですが、アジア系アメリカ人の批評家が「オマージュという名のもとに行われる日本の文化を盗用と日本の人々を無視する行為、その無神経っぷり」と批判したことで、物議を醸し出すことに。
きっかけは、ロサンゼルス・タイムズのジャスティン・チャン(韓国系)記者の記事で、私は普段、彼の映画評論を参考にしていただけに残念でした。日本のことを何も判ってないくせに、知ったかぶりして、同じアジア系だから~と、傲慢かまして善良な(ワタシ、ハクジンダケド、ニホン、ダイスキアルヨ、スシダイスキネな「意識高い」系の)ロサンジェリーノを焚き付けた。
なぜか洋犬ばかりでシバやアキタはいない
そこが、アメリカ対日本って皮肉??
論点の一つは「映画『犬ヶ島』に出てくるメガサキの住民(日本人)は日本語を話すのだが彼らの会話には字幕は付かない。一方で犬たちは全てアメリカ英語を話す、しかもスカーレット・ヨハンソンやティルダ・スウィントン、エドワード・ノートンなどその多くが白人だ。つまりはこの映画は日本を舞台にしているのだが、その日本人を "何を考えているのか分からない外国人" 扱いしている」
日本語の台詞は、通訳の声がかぶって、ネイティブ日本人の私(職業:通訳・翻訳者)でもキャッチできないことが多かったし、あたり少年の言葉は日本語だけど、声優はアメリカ人少年なので棒読みで、文脈や表情から把握できる簡単なセリフばかり。だいたい、犬は英語しか話さないし、人間は日本語で、犬と人間の間のコミュニケーションの壁を表している、でいいじゃない。
『Mashable.com』のアンジー・ハン(中国系)は、「アジアの文化のエキゾチックな面だけを借り、その文化を築き上げその文化の中で生きてきた人たちを無視しているのだ。この作品の場合、日本の人たちの文化を都合よくその作品の中で使いながら、彼らを "自分たちとは違う人たち" のように描き日本人を "間化/記号化" している。」 「様々な日本文化のオマージュ(黒澤明や相撲の力士、和太鼓、俳句、歌舞伎など)を積極的に使用しているものの、それらのオマージュにはストーリー上の必然性が全くない。そもそもなぜ舞台が日本なのか? 日本でなければならない理由、日本を舞台にしたからこそ伝えられるメッセージが監督にはあるのかもしれないが、私にはそれが何であるのか分からない。」 だそうです。
それは、あなたが日本人じゃないからです。分からないなら、黙ってらっしゃい。「七人の侍」なんだから、日本が舞台で当然でしょ?そんなことも分からないで、映画評論家を語るとか笑止千万。
私(アメリカ生活は長いけど、正真正銘、日本国籍を有する日本人です)は、オマージュを大いに楽しみました。上記LA Timesの記事に対するツイートでは、「有色人種でない観客や批評家はこの映画の「典型的な」日本像(寿司や相撲、温泉、侍)を見て大喜びする」そうですが、有色人種の私も大喜びしましたが。っつーか、この発言こそ白人の上から目線でムカつく。
途中でアメリカ人(オハイオ州シンシナティからの留学生。またオハイオ)が出てくることも批判しています。アメリカの映画だから、観客と登場人物を繋ぐキャラクターとして、アメリカ人を出すのも製作者側としては普通だったんじゃな?と、思うんだけど。この子が黒人とか、ラテンの子だったら良かったの?犬の声を当てるのも、全員が白人俳優なのも良くないらしいけど、じゃ、ボス役を黒人俳優がやってたら問題なかったの?
とにかく、穿った見方をしようが、重箱の隅をつついて批判しようが、それは勝手だから構わないけど、日本人でもない奴らが、日本人代表みたいに公式メディアで垂れ流すのが無茶苦茶いや!
メガサキ(=ナガサキ?}にキノコ雲は確かに悪趣味ではありますが、日本でも昔のアニメや漫画では、普通に爆発の記号としてキノコ雲がでていたし、かえって過敏になって「文化警察」的取締りをしている。むしろ、犬が島の打ち捨てられた廃墟に、津波で被害を受けたってのがあったほうが、私は「それマズいんじゃ」って思った。ところで私、父が長崎で被爆した被爆二世ですが、なにか?
ウェス・アンダーソン監督らしい、小洒落た画面作り(もちろん左右対称)、特に背景に使われる浮世絵風の絵が面白くて、じっくり見るために映画のアート本を予約してしまいました。近未来なんだけどレトロ・ファンタジーな日本では、東京ブギウギが流れていたり、愛犬を探して犬が島に乗り込んだ少年、あたりと犬たちの場面のBGMが「七人の侍」だったり。実はこの映画、虐げられた力無き者たちを解放する七(一人と六匹)のお話なんです。舞台はフシギ・ニッポンだけど、舞台となるウミ県メガサキ市に伝わる、犬と少年サムライの伝説がお話に織り込まれているところや、最初と最後に出てくる三猫神社やら、日本ならではの背景が用意されています。
右下は大魔神じゃないよ
犬インフルが大流行したメガ崎市、人間への感染予防を理由に独裁者コバヤシ市長は、全犬をゴミの島である『Isle of Dogs(犬ヶ島)』に追放、隔離。でも、市長の遠縁の甥であるアタリ少年は、ボディーガード犬の「スポット」を探して、盗んだ小型飛行機で犬が島に乗り込み、そこで出会った犬達と共に、冒険の旅へ。そのころ、本土のメガ崎市でも、犬派が立ち上がり…
ベルリン映画祭で初公開され、高い評価を得たのですが、アジア系アメリカ人の批評家が「オマージュという名のもとに行われる日本の文化を盗用と日本の人々を無視する行為、その無神経っぷり」と批判したことで、物議を醸し出すことに。
きっかけは、ロサンゼルス・タイムズのジャスティン・チャン(韓国系)記者の記事で、私は普段、彼の映画評論を参考にしていただけに残念でした。日本のことを何も判ってないくせに、知ったかぶりして、同じアジア系だから~と、傲慢かまして善良な(ワタシ、ハクジンダケド、ニホン、ダイスキアルヨ、スシダイスキネな「意識高い」系の)ロサンジェリーノを焚き付けた。
なぜか洋犬ばかりでシバやアキタはいない
そこが、アメリカ対日本って皮肉??
論点の一つは「映画『犬ヶ島』に出てくるメガサキの住民(日本人)は日本語を話すのだが彼らの会話には字幕は付かない。一方で犬たちは全てアメリカ英語を話す、しかもスカーレット・ヨハンソンやティルダ・スウィントン、エドワード・ノートンなどその多くが白人だ。つまりはこの映画は日本を舞台にしているのだが、その日本人を "何を考えているのか分からない外国人" 扱いしている」
日本語の台詞は、通訳の声がかぶって、ネイティブ日本人の私(職業:通訳・翻訳者)でもキャッチできないことが多かったし、あたり少年の言葉は日本語だけど、声優はアメリカ人少年なので棒読みで、文脈や表情から把握できる簡単なセリフばかり。だいたい、犬は英語しか話さないし、人間は日本語で、犬と人間の間のコミュニケーションの壁を表している、でいいじゃない。
『Mashable.com』のアンジー・ハン(中国系)は、「アジアの文化のエキゾチックな面だけを借り、その文化を築き上げその文化の中で生きてきた人たちを無視しているのだ。この作品の場合、日本の人たちの文化を都合よくその作品の中で使いながら、彼らを "自分たちとは違う人たち" のように描き日本人を "間化/記号化" している。」 「様々な日本文化のオマージュ(黒澤明や相撲の力士、和太鼓、俳句、歌舞伎など)を積極的に使用しているものの、それらのオマージュにはストーリー上の必然性が全くない。そもそもなぜ舞台が日本なのか? 日本でなければならない理由、日本を舞台にしたからこそ伝えられるメッセージが監督にはあるのかもしれないが、私にはそれが何であるのか分からない。」 だそうです。
それは、あなたが日本人じゃないからです。分からないなら、黙ってらっしゃい。「七人の侍」なんだから、日本が舞台で当然でしょ?そんなことも分からないで、映画評論家を語るとか笑止千万。
私(アメリカ生活は長いけど、正真正銘、日本国籍を有する日本人です)は、オマージュを大いに楽しみました。上記LA Timesの記事に対するツイートでは、「有色人種でない観客や批評家はこの映画の「典型的な」日本像(寿司や相撲、温泉、侍)を見て大喜びする」そうですが、有色人種の私も大喜びしましたが。っつーか、この発言こそ白人の上から目線でムカつく。
途中でアメリカ人(オハイオ州シンシナティからの留学生。またオハイオ)が出てくることも批判しています。アメリカの映画だから、観客と登場人物を繋ぐキャラクターとして、アメリカ人を出すのも製作者側としては普通だったんじゃな?と、思うんだけど。この子が黒人とか、ラテンの子だったら良かったの?犬の声を当てるのも、全員が白人俳優なのも良くないらしいけど、じゃ、ボス役を黒人俳優がやってたら問題なかったの?
とにかく、穿った見方をしようが、重箱の隅をつついて批判しようが、それは勝手だから構わないけど、日本人でもない奴らが、日本人代表みたいに公式メディアで垂れ流すのが無茶苦茶いや!
メガサキ(=ナガサキ?}にキノコ雲は確かに悪趣味ではありますが、日本でも昔のアニメや漫画では、普通に爆発の記号としてキノコ雲がでていたし、かえって過敏になって「文化警察」的取締りをしている。むしろ、犬が島の打ち捨てられた廃墟に、津波で被害を受けたってのがあったほうが、私は「それマズいんじゃ」って思った。ところで私、父が長崎で被爆した被爆二世ですが、なにか?
犬たちが英語を話し、人間は日本語を話すのは、主体は犬の方、ということなのかな?とも思っています。色々と深読みしたり、考察できる作品で、私は、この映画、とても面白かったです。
私も犬 ゴールデンレトリーバーと生活してましたが、ここだけは不思議でした。
まだ予告しか見てないのでとりあえず本編を見たいと思います。
なんだか面白そうですし。
ケイティー・ペリーの着物ドレスの時もそうでしたが、外野が勝手に「日本の文化を冒涜」とかって騒いでるんですよね。その日本人は、三国志の英雄化も、アーサー王も美少女化しちゃうほど、柔軟なんですけど!
物議を醸し出してるのか、、こりゃもう観るしかなさそうです(笑)
くしゃみのモーションポスターも可愛いですよね☆