わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

KUSAMA - INFINITY クサマ・インフィニティ

2019-03-02 | 映画・ドラマ・本

図書館にあったので借りてきました。なにしろ、パッケージがこれ⇑ですから、物凄いインパクトです。これ、無視して前を通り過ぎられないでしょう。

 厳格な家庭での生い立ち、第2次世界大戦中のトラウマ、1950年代ニューヨークで受けた性差別や人種差別、そして精神病への偏見といった幾多の困難とともにあった草間の人生にフォーカス。そうした日々のなかでの、絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス、詩、文学といった、88歳を迎える現在(撮影当時)にいたるまでのたゆまぬ創作にせまる。


 草間彌生という強烈な存在を語るには、手堅い作りの映画って気がしたけど、多分、現役の日本人クリエーターとしては、ハヤオ・ミヤザキと双璧を成す有名な存在(ヨーコ・オノは流石に過去の人だけど、宮崎駿は引退は言ってるだけで、絶対また創ってくると思うんで)を、真正面から、ただしソフトに捉えて見応えがありました。ドキュメント作品としては型にはまっていても、対象が対象だけに刺激的。

 私は、彼女の作品を実際に目にしたことはなく、正直、気持ち悪いって思っていたのですが、ぜひ、本物を目にしたいと思いました。インフィニティ・ルーム、経験したい。そして、カメラを通し、私の小さなPC画面を通してすらひしひしと感じられる、草間彌生という存在の迫力!正気ではないからこそ生み出された作品群以上に、彼女自身が語る、彼女自身がアップになると、なんとも言えない圧迫感を感じました。

 面白いのは、彼女を長野の恥、松本の汚点とまで罵ってた地元が、今では市の美術館を「世界で唯一、常に草間の作品が見られる」と誇り、彼女の作品に身近に触れることのできる子供たちは幸運と、掌180度返しなのが面白かった。いや、言ってみたいですけどね、松本市立美術館。

 日本での公開は未定だそうですが、彼女の60年代、70年代のパフォーマンスのフィルムは、確かに映倫に引っかかりそう。ある意味、半世紀近くも昔の活動が未だタブーってのは、ちと考え込むものがありますね…

最新の画像もっと見る

コメントを投稿