わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷

2018-04-28 | 映画・ドラマ・本
 古典的なホラー・ミステリー。お話にも映像にも何ら、目新しさはない正統派ですが、お屋敷や19世紀初めのコスチュームが目の保養。

 ヘレン・ミレンおばさま演ずるは、ウィンチェスター銃を開発し、莫大な財産を築いたウィンチェスター一族の未亡人、サラ・ウィンチェスター。一人娘と夫を突然に亡くした未亡人は、霊媒師に、ウィンチェスター銃によって命を落とした人々の亡霊が一族を呪っている、生き長らえるには、増改築を絶やしてはならない。止めると死ぬ、と、言われたというお話が伝わっています。

 なにしろ彼女は、絶好調期にあるウィンチェスター社の株を半分以上所有する大株主、毎日千ドル(今の価値だと2万ドル以上だって)の収入があったそうで、その莫大な資産を惜しみなく使って、38年間、昼夜を問わず、休むことなく常に増改築を続けました。当時の地元経済に、大いに貢献したことでしょう。



 開けたら壁なドアや、上り詰めたら行き止まりな階段といった、ただ改築するためだけの建造物もあるけど、多くは贅を尽くした部屋で、窓を飾るティファニーのステンドガラスは、一枚だけでも、普通の家一件より高いほどの価値があるってんだから、ただ無計画に増やし続けただけのお屋敷ではありません。カリフォルニアのサンノゼに今も現存する、その豪邸は、今はウィンチェスター・ミステリーハウスと呼ばれて、一大観光地となっています。入場料は結構、高いらしいけど、そんなステンドグラスやらマホガニーの床やら、一度くらいは見に行きたいわ。

 
 映画は、“ウィンチェスターハウス”の絶え間ない増改築や、サラの精神鑑定のために送り込まれた精神科医、サンフランシスコの大震災といった事実を絡めながら、部屋の改装は夜間に乗り移られたサラが描いた、被害者がウィンチェスター銃で殺された場所を再現しており、そこで除霊されて役目を終えた部屋は、また改装されるというエピソードや、精神科医のエリック(ジェイソン・クラーク)は、自身がウィンチェスター銃で撃たれて死にかけ、それゆえに他の亡霊たちとも交流できるって設定。

 で、エリック自身の過去や、サラのもとに身を寄せている姪と、たちの悪い怨霊にからまれちゃった、その息子のヘンリーの間で、お話が進んでいきます。ほんと、今時珍しいほどの古典的な作品なんだけど、ヘレン・ミレンが出ているだけで、何やら格調高くなるような気がする、そんな私は、ヘレンおば様のファンです。イギリスの女優さんは、デイム・ジュディ・デンチに、デイム・マギー・スミス、そしてデイム・ヘレン・ミレンと、お年を召されても主役を張って、その名前でお客を呼べる大女優がいるけど、年取ったらポイのハリウッドでは、こういう女優さんがいませんね。メリル・ストリープ、68歳が、後少しで、この域に達するかしら?


右が本物のサラ未亡人。流石に貫禄ありますね~

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