しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

映画:男はつらいよ 望郷編 山田洋次監督

2014-12-25 | 映画
男はつらいよシリーズ第5作、第4作の半年後、1970年8月公開です。
第2,3,4作は公開時期かなり詰まっていましたし、そのためか第4作はやっつけ感も感じましたが、本作では3,4作で監督から降りていた山田洋次が監督です。

本作でシリーズ終わらせようとしていたようでTV版でさくら役を演じた長山藍子がマドンナ、博役を演じた井川比佐志がマドンナの恋人役、団子やのおばちゃんを演じていた杉山とく子がマドンナの母親役というシリーズを総括させるような配役になっています。
ただ、本作があまりに好評だったためシリーズを終わらせることはできなかったようです。

内容(amazon商品紹介)
早トチリでおいちゃんの葬儀の用意までして大騒ぎする寅さんの元へ、昔世話になった竜岡親分の重病の報せが届いた。早速札幌へ見舞うが、別れた息子に逢いたいと頼まれ、やっとの思いで探し出すが彼は決して会おうとはしなかった。複雑な人間関係を思い知った寅さんは真面目に働くことを決心、浦安の母娘二人暮らしの豆腐屋で働くのだった。そして、娘の美容師・節子に想いを寄せ、一生豆腐屋で働こうと決意した日、実は節子に結婚の約束をした人がいることを知らされる。 ■ロケ地:千葉県浦安、北海道札幌・小樽 ■マドンナ:長山藍


山田洋次監督復活ということで、第2作に続き恒例(?)の寅さんの夢から始まります。

本作は昔からTVで何回か見ていて、結構覚えていました。

途中、江戸川の舟で寝ていた寅さんが柴又から浦安まで流されるという設定がこども心に面白かった記憶があります。
まぁ実際には途中水門があるので浦安まで流されるのは無理かと思いますが…。
まぁ夢のある設定ですね。
流されていく途中の国府台緑地の風景が現在もあまり変わっていないのが興味深かったです。

その他、北海道の宿屋で舎弟の登を追い出すシーン、SLを追いかけるシーン、ラストで登と再会するシーンなどは印象に残っていたのか結構覚えていました。
なにより覚えていたのがとらやでの、額に汗して働きたい寅さんの職業を車家一同が考える場面、笑えました。
この場面かなりの名場面だと思います。

その他山田洋次監督らしい、丁寧な場面設定で安心感のある作品に仕上がっています。
ときに背景をぼかして効果を出すカメラワークも見事です。

あと今回特に感じたのはさくら役の倍賞千恵子のキレイさ。
第1-4作までは失礼ながらあまり感じなかったのですが、浦安に訪ねていく場面など「はっ」としました。

ラスト近く柴又の花火大会の日にふらっととらやを訪れる場面もなかなか….。

正業につきたい寅さん、でも結局ムリな哀しさ…。
ペーソスあふれる寅さん像が確立されてくるのもこの作品からなんでしょうかねぇ。

あと1-4作まではマドンナの恋人役が絵に描いたような二枚目キャラで寅さんとはあまりからまなかったのに対して本作は少し3枚目キャラの井川比佐志が演じてからんでいます。
(これは博役を演じていた井川比佐志だから?)

長山藍子と寅さんの関係の描写がちょっと薄い感じもしましたが、数々の名場面がある名作と感じました。


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