しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

新・男はつらいよ 小林俊一監督

2014-12-13 | 映画
男はつらいよシリーズ第4作です。
1970年2月27日公開、本作も監督は山田洋次ではなく小林俊一監督です。
小林俊一氏はTV版「男はつらいよ」の演出を手掛けていた人のようです。

内容(amazon商品紹介)
競馬で大穴を当てた寅さんは、柴又へ帰り、恩返しとばかりにおいちゃん夫婦にハワイ旅行を手配した。喜ぶおいちゃん達の出発の日、旅行会社の社長に金を持ち逃げされたことが発覚。近所の手前から電気もつけないでひっそり暮らすことになった。ところが留守の筈のとらやに泥棒が入ったから大変!それから一ヶ月、寅さんは自分の部屋に下宿している美しい幼稚園の先生・春子を見てウットリ。恋人がいるのも知らずに日増しに熱をあげるのだった。 ■ロケ地:葛飾柴又 ■マドンナ:栗原小巻


前作の公開から1ケ月ちょっとでの公開…いくらなんでも強行軍ですよね。
そのためか地方ロケには行っていない模様。
途中までハワイに行きそうな感じでしたが...結局羽田までで、あとは柴又(笑)

寅さんが名古屋で競馬の大穴を当て柴又までタクシーで帰ってくる場面がありますが、未舗装の江戸川土手を普通に車が走っているのが新鮮でした。

今は土手のこのあたりは舗装されサイクリングロードになっています。

「ハワイ」に行くのは今でもうらやましい感がありますが、当時は大変なことだったんでしょうね。
近所の人総出での壮行会も当時の風俗が垣間見られて興味深かったです。

泥棒役の財津一郎がチョイ役でしたが、いい味を出していましたが、その後まったくでないので残念でした。

せめてラストで寅さんが列車の中でバカ話をしている場面辺りで登場させればよかったのにねぇ。

ハワイ旅行がらみの話がメインの前半から、かなり唐突にマドンナ登場となります。
(ハワイ旅行騒動はTVでも同様のエピソードがあったようです)

今回のマドンナは「栗原小巻」
当時は大人気だったんでしょうね。
今の眼で見るとメイクの問題か…私にはそれほど魅力を感じられませんでしたが…。

1-3作までと違うのは、マドンナの職業が幼稚園の先生、かつなにやらわけありの父親のようで母子家庭で育った模様。
これまではいかにも「お嬢さん」という感じのマドンナであったわけですがぐっと庶民的になってきます。

また前作までの「マドンナ」は寅さんが勘違いしてもしょうがないような行動をしていましたが、今回はそれほどでもない気もしました。
寅さんの誘いで水元公園のボートに乗ったのはどうかとも思いますが….。
まぁ好意の範疇でしょう。
(第一作では自分から飲み屋に誘っていましたからねぇ)

マドンナの恋人はちらっとしか出てきませんが、妙に声のいい人で「誰かなぁ」と思っていましたが後で調べたら「横内正」。
のちの水戸黄門の角さんですね、なるほど。(笑)

寅さん失恋発覚後にたこ社長が間が悪く寅さんを冷やかすのは本作から恒例になっていくようですね。
(確か1~3作にはなかった設定のような…)

御前様が寅さんの父親の命日にお経を上げに来る場面のドタバタ感などは落語っぽいベタな喜劇ですが、おっちゃん役の森川信の名演で見応えあるのですが全体的に薄味な作品と感じました。

けっこう短期間で作ったんでしょうからまぁしょうがないでしょうかねぇ。
監督もTV畑の人なので「映画」というよりもTV的な演出なようにも感じました。
(後知恵かもしれませんが)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿