しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

映画:「攻殻機動隊」「機動警察パトレーバーTHE MOVIE1、2」 押井 守監督

2013-09-04 | 映画
我が家には小さい子供(4才、10才)がおり、家でテレビを観ることはほぼ不可能な状況になっております。
が...たまには通勤途中やらなにやら映画をipodで見たりしています。

今回ふと押井守監督作品を見たくなり立て続けに見ました。
なお押井作品はいままで見たことがありませんでした。

小説もですが、映画やアニメもSFファンというにはおこがましいくらいしか見ていません...。

なぜ見たのかというと、日経ビジネスオンラインで不定期連載している押井守氏のインタビュー記事(基本映画評です)がなかなか面白く気になっていたこと。
サイバーパンクSF「ニューロマンサー」を読んでいてなかなか進まず...映像でサイバーパンク作品とされる「攻殻機動隊」を見て体感してみたら気分がかわるかなぁということ。(こちらはもう読了しましたので感想は後日)

せっかく見たので感想など。
(ipodで通勤途中切れ切れにみましたので、いい加減な感想です。)

「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」
士郎正宗氏の漫画作品を原作に、1995年11月に公開された作品。
日本では評判今一つだったようですが、海外で人気が出て話題となったようです。

サイボーグ、近未来のネット社会、AI等ギミック満載でまさにサイバーパンクSFという感じ。(ありがちともいう?)
「ニューロマンサー」的世界??...。
意図的かとも思いますが「物語性」よりも映像による「表現」を重視している作品と感じました。

情景描写と時々出てくる「ドキッ」とさせるショッキングな映像、エスニック調(?)な音楽に浸って、なにかイメージ的なものを感じられれば良い作品なんでしょうが...私には今ひとつ入りきれませんでした。

古典的に「物語」を語ってくれないとどうも安心できない...。
ベタベタの「正義」やら「愛」やら「恋」やらわかりやすく語ってくれないとダメなんだろうなぁ。
その辺の感性お子ちゃまなんでしょう。

一応「生命とは?」とか「意識とは?」とったところがテーマなんでしょうが、結局何も語っていないような気がして消化不良でした。

メインテーマ以外にももう少し一般受けするような謎解き物語を入れてくればわかりやすくなったような気もするのですが...。

ということで「初:押井守」なんだか割り切れなかったため続けて、

「機動警察パトレイバー THE MOVIE」
を見ました。
人が動かすロボット「レイバー」に乗る警察官のお話。
1989年7月公開。
レイバーが突然暴れ出す事件が続出しその謎を追いかけ最終的にパトレイバーが活躍して解決するというお話

エスニック調の音楽(ガムラン的な音)、凝った情景描写はこの当時からのようで、「攻殻機動隊」に続く流れが見られる気がしました。
でもこちらは安心して見られるエンターテインメント作品という感じ。

犯人が仕掛けた謎を主人公が努力して解いて、はらはらしながら展開し最後はきちんとアクションシーンもありとりあえずの解決をみる。
という王道(?)な流れで素直に楽しめました。

ラストがちょっと淡白な気もしましたがSFアニメの良作として万人受けしそうな作品です、楽しめました。
私的には今回みた3本でこれが一番好き。

劇場版の2では主役を演じる後藤隊長もこの「1」での露出くらいの出方のほうががかっこよく感じました。

「機動警察パトレイバー2 THE MOVIE」
1993年8月公開。
日経ビジネスオンラインの記事で本人は中間管理職映画として語っています。
興味を持っていたので「1」に続いて見てみました。

確かに、「中間管理職」映画で、パトレイバーの活躍シーンはほとんどなく、「1」で名脇役的な立場だった特車2課 第二小隊の後藤隊長を主人公に据えて、首都圏で起こったクーデター(もどき?)を巡る人間劇となっています。

本人も語っていましたが、これではいかにも子供受けはしなさそう....。
よく企画が通ったもんですね。

最後の最後のレイバーのアクション場面を除けばアニメ的描写ではなく実写的な表現のオンパレード、アニメ映画として作る意味があったのだろうかとも感じてしまう。
いわゆる「実験的作品」なんでしょうかねぇ。
「平和」「戦争」について登場人物がストレートに語るスタイルもロボットアニメとしてはかなり異色。

が、本来「脇役」である後藤隊長を主人公にした作品作りには若干無理を感じました。
必殺シリーズで中村主水を思いっきり主役にするとなんだか不自然なような感じ...。
(ある程度以上の年代でないとわからないたとえですね..)
どこか陰があって存在感のある(時にも主役よりも)人物は、行動がある程度謎だから魅力的なのであって、主人公に据えてかなりの部分が表に出されるとなんだか興ざめということです。

主人公には主人公らしい「明快さ」がないと映画として成立させるのは難しくなる気がします。
キャスティングとしては南雲課長代理辺りを主人公にしておいた方が良かったのではないかと感じました。

ということで、それなりに楽しんでは見たのと大したもんだなぁという感慨めいたものはありましたが、なにかしら違和感が残ったというのが感想です。
なにか頭でっかちというかなんというか...。

押井監督の「理屈」はわかるのですが、人が映画に求めるものは「理屈」をストレートに発信されるだけでなく予定調和的な「楽しさ」とか、なんだかわからないけれどいろんな受け取り方ができる「情」の部分も大きいのでは?などと感じました。


3作品見てこういうアニメ映画もあるんだなぁという意味では感慨深かったですが、私はトラディショナルなお涙ちょうだい映画の方が好きな気がする...。
「楽しむ」という意味であまり好みではないです。

といいながらも好奇心というか興味は感じているのでそのうち攻殻機動隊の続編「イノセンス」辺りには手を出しそうです。

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