テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて30年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

テスト解答の様子から、学習方法の改善点を確認しましょう

2017-06-17 13:16:29 | 中学受験


 本日(6月17日)から、エデュコ前期15回(6年生は14回)総合回テストの答案を返却いたします。中学受験学習のテストは、相対比較という観点を意識していますから、その結果には一喜一憂が伴うことは無理もありません。
 とはいえ、他者を負かして点を取るものではないわけで、純粋に、「どれくらい自分を変えられるか、どれくらい頑張れるか」を問うことが、受験学習の本質と言えるでしょう。
 本稿では、テストの結果から垣間見える子どもたちの様子、また、個々においてテストをどのように生かすべきか、確認してみることとします。

3年生
 この時期の3年生クラスは、いろいろな子どもが集まり始めた集団であり、当然ながら、これまでの学習過程の違いから、算数の計算技能も様々です。それは、実力というより、これまでの計算知識の差といった方がよく、本テストでの評価目的もそれぞれの出発点を自覚することにあると言えるでしょう。
 すでに、できるはずの問題を多く間違えた人は、正確に手がける学習スタイルを心がけるべきで、授業で初めて手掛け始めた人は、あせることなく、新しいスキルを丁寧に習得していくことを心がけましょう。
 国語では、漢字の書き取りを含む言語要素問題から先に手掛けた人、読解から先に手掛けた人、ほぼ半数でした。スコア・メイクを主目的とする時期ではないですから、いずれにせよ、じっくりやらせたいものです。時間内に、ほぼすべての問いに答えた人は、少数でしたが、この件は慣れに伴い解消されていくものです。
 3年生のうちは、他者との比較よりも、個々の学習スキルの成長を観点にして、親子で課題を話し合うことなどが重要でしょう。

4年生
 エデュコでも、4年生時からはテストごとに順位表が配布され、頑張る競争が意識されてきます。とはいえ、4・5年生は「点数よりも実力を上げる」時期に違いはありません。
 今回のテストで感じられたことを挙げてみましょう。
 算数について、たとえば、「0.77÷0.5の商を小数第1位まで求め、あまりも答えなさい」という問題では、正答率が15%に止まりました。この問題の困ったところは、いわば「商は割合で、あまりは実数」という点です。このような問題は、難関中学入試問題に頻出する「数の性質」につながるもので、計算問題と言えども、「やり方」ではなく「理由(ロジック)」にこだわる姿勢を持たなければなりません。
 また、曜日を答える問題(日歴算)では、周期を見定める作業を意識し、規則の理解に自信を持ってから計算・解答した人が多いと評価できますが、中には、ただ、気の向くまま計算するだけの人も見受けられました。解答の枠組みを設定してから、解を求めるスタイルが望まれます。
 平面図形の角度を答える問題では、図中に与えられた条件や、気づいた要素を書き込むことなく解答する答案が散見されました。解法の根拠を自覚し、自信を持って答える解答スタイルにしたいですね。条件を書いて整理し、解答過程を確認しながら解くということに他なりません。
 国語では、ほぼ全員が、全問に解答できるようになってきており、文字数の多い中学受験学習問題に慣れてきていることがわかります。
 ただ、答えてはいるものの、主語・述語の関係が不整合であったり、設問文に適応する文末になっていない解答が散見されるのも事実です。例えば、物語文の「気持ち」を答える問題で「~だから」と書いてしまったり、説明文の「理由」を聞かれた問題で「~こと」と答えたりする例が挙げられます。
 自由な鑑賞ではなく、共通理解を求める受験国語では、設問に呼応することを強く意識しましょう。

5年生
 今回の算数の出題範囲は、「柱体と錐体」「場合の数」「数の性質」でした。
 一般に図形問題の場合、ほとんどの解答者が「何を求める問題か」わかっているため、手を付けやすい分野と言えるでしょう。「柱体と錐体」の問題では、計算要領の力量差が見られました。無駄のない計算要領で、極力間違いを避けることを心がけましょう。
 「場合の数」では、「場合分け」のいらない基本問題ならできるものの、自ら「場合分け」して解を求める問題になると、手をつけられない人もいます。「やり方」ではなく「考え方」にこだわる習慣をつけましょう。
 「数の性質」分野は、約数を問う問題なのですが、単純な割り算として考える約数のレベルなら答えられても、素因数の概念をもとに考える問題(約数の個数や、2つ以上の整数の関係など)では、解法の枠組みそのものを設定できない人も見受けられます。例えば、最大公約数を求める際の、連除法の物まねだけでは、数の仕組み(素因数の概念)の理解を伴わず、苦慮するだけに終わります。「正解か不正解か」ではなく、「わかったうえで出来ているか」にこだわりましょう。
 つまり、「解法の理由づけと要領にこだわり、1ページ1問を徹底する」エデュコ内授業のノート問題の研究を徹底することが求められます。
 国語では、気持ちを説明する際の「心情語」を豊かにすることが課題と言えそうです。今回のテストにおいても、「さみしい」「つらい」「がまんできない」「いてもたってもいられない」「無事を確かめたい」等の感情を表す言葉を用いて解答する問題において、苦慮している様子がうかがえました。
 一般に、国語の解答は、説明的文章の読解では、共通理解の確認のために「文中のことば」を使うことを求められ、文学的文章の読解では、登場人物の心情などを「自分のことば」で説明させられる傾向があるといっていいでしょう。私たち講師の立場から言えば、「自分のことば」で心情を表現しなければならない物語文の読解力養成は、簡単ではありません。
 決して背伸びした表現ではなく、素直で豊かに表現する言葉、例えば、「むなしい」「おびえる」「なげく」「うろたえる」「うしろめたい」「あきれる」「うちょうてん」等の10歳~12歳が用いても不自然ではない心情語は使えるようになりたいものです。

6年生
 6年生の算数学習は、既に総復習の段階になっており、今回のテストも広範な領域からの出題になっています。達成度の違いを一言で言い表せば、これまで習得してきた思考方法をどれ位使えているかということになるでしょう。
 今回のテストで確認したい解答思考とスキルの例として、次のような観点を指摘できます。
①食塩水の出し入れによる濃度変化の問題では、文脈を捉えた「流れ図」や「天秤図」「面積図」を描けているでしょうか。
②規則性の問題では、「規則を定めた」うえで、計算しているでしょうか。また、「表を用いた整理」はできているでしょうか。フィボナッチ数列も当たり前のように出てくるのが中学受験問題です。
③「点の移動」における「結果の図」は整然と描かれているでしょうか。図形の「変化をとらえた」うえで解答しなければならないのですから、思考のための図形が見当たらない解答は、正解とは程遠いと言えます。
④「容器と水量」における「水面の変化図」はきちんと描かれているでしょうか。この問題も「変化を捉える」問題ですから、到底、覚え学習では対応できません。
 このように、「出来た問題」「出来なかった問題」という区別ではなく、「確かな思考」「確かなスキル」が伴っているかを点検し、修正することが実力向上の秘訣と言えるでしょう。仮に、上記のような解法過程が見られない場合、それらの流儀を徹底することを心がけましょう。
 国語では、ボリューム感のある解答が多くなっています。設問に対する解答文の文末もしっかり適応している場合がほとんどです。
 ただ、設問の要素を軽視する解答文はまだまだ多く見受けられます。例えば、気持ちの変化を問う問題、つまり、ビフォアとアフターを比較的に答える必要がある問題で、アフターだけ答えて終わりにしたり、考え方(理由)を二つ答える問題で、一つしか答えなかったりというものです。
 特に、自由記述での解答の際には、設問の要素に○囲いするくらいのこだわりを持つ必要があるでしょう。中学入試問題の中には、発達途上の子どもたちには、無理な問いもあることは事実です。ですから、1問ごとに解答の機微を追及するのではなく、解答の姿勢(型)を揺るぎないものに近づけることを目指しましょう。
 
 本稿は、前期15回(6年生は14回)のテストという範囲限定テストの講評ですが、中学受験学習の学年ごとの課題は、概ね、上記のとおりと指摘できます。
 また、テストの活用としても、「出来た問題」「出来ていない問題」として分類し、ただ、「出来ていない問題」を繰り返し手がけるということだけでは、課題解決につながるとは言えません。
 つまり、「×」を「○」に変えようではなく、「なぜ、正解に出来ないのか」「かけている解答要件は何か」を確認し、学習の型を「改善」していかなければなりません。こういえば、難しく感じられるかもしれませんが、要は、「日ごろ練習している、解法図・表・解答要領等を自分のスキルとして使えているか否か」をチェックするということに他なりません。
 求められる保護者の役割も、「点数をチェックしたり」「細かく説明したり」ではなく、上記のような評価枠組を擁して、「学習方法の改善点を確認し支援する」ことといえるでしょう。
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