児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

アウトリーチの話

2012年07月25日 | 徒然
一昨日22日は愛知県幸田まで行ってきまして、地元演奏家のための講座、90分。今日(24日)は朝、今年の邦楽活性化事業の演奏家とのMGで40分ほど話をしました。最近の定番は、音楽家がアウトリーチの内容を考えるときに必要なのは3つのみ,と言う話。
ひとつめは、何故やるのかということ。これは関係者によってその趣旨は違う可能性もある。先生は先生で考え方もある。でも声を荒げる必要はないが、自分でも理由がある方が良い。それは個人的な理由でも、邦楽界のためと言う目的でも、日本の文化のためでも良いけれども、個人的なことを少し一般化するのがよいように思われる。
ふたつめは、何をやるかと言うこと。これが一番アーチストの本体であって、それは本人が決めるしかないことであり、私がとやかく言うものではないと思う。ただ、そのためにアーチスト本人がいかに自分や音楽や楽器について深く考え、伝えるべき事を持てているかと言うことが問われるところでもある。
みっつめは、どうやるかであって、そのやり方は学ぶことも、話し合うことも、練習して上達することもできる技術の問題である。だから、ここでは友人とか先生とか、スタッフとかと話し合う理由があるし、コーディネーターの出番でもある。
以上3つ。まあ3つといっても中はかなりハードだけれどね。
この間あるところで、何をするかを教えてはもらえないのか、と言われたが、それはアーチストとしてはどうなんだろうか。結局アウトリーチだって本番であって「楽に出来る方法」は無いし、もしあってもそれに頼るのはまずいだろう。そのくらい他の人が一緒に考えたくなるようなオーラを期待したいのだけれど・・・
写真は邦楽演奏家とコーディネーターの下打ち合わせ。山崎コーディネータ、中香里さんほか。

宮崎県立劇場のアウトリーチ

2012年07月25日 | 各地にて
宮崎県のアウトリーチも2年目になる。今年はあんまり行けないのだけれど。今回7月18-20日は中学校、障害者施設、老人ホームなど、昨年と違ったパターンのところを3組それぞれ2回づつ見て、反省会もやって、という3日間。
3組とも工夫をして新しいことにも挑戦し,良い感じになってきている。ここは桐原先生というこの事業をやろうと言い出した人が面倒を見てくれている。桐原さんは湯布院音楽祭からのおつきあいのフルーティストでもあるが、この事業ではコーディネート役に徹して、会館の方と一緒に学校に下見に行き、演奏家のランスルーを見てあげて、と本当にきちんとやっているので、あまり口を出すべき事がないくらいである。こういう人が地域にいるてしばらく続いていけば僕の出番はなくなるかもしれない(ちょっと寂しいけれど良いことである。元々そういう状態を目指しているのだから)
サックスの小川和紘さんはこの一年で考え方の質が変わった。おもしろいのだろう。この間リサイタルをしたそうだけれど、そのときにアウトリーチで培った手法を採り入れたところとても好評だった,と言うことで色々興味が出て来たみたい。今回も他の人のアウトリーチを見て(手伝ってくれたりもした)刺激を受けていたようだ。
有川清美さんは、今回老人ホームでのプログラムをどのように持って行くかをずいぶん悩んでいて、ちょっと考えすぎだったかもしれないけれど、本人が思うよりもチャンとしていたと思う。普段からあれこれ考えていることがこういうときに出るのである。
本田さんと日高さんのピアノとクラリネットのデュオ(ショコラーデ)も、あんまり見せてくれないのだけれど、かなり詳細な進行表を考え、つくっているらしい。良いことだ。続けるとどんどん財産になっていくだろう。ある意味とても安定した出来なのだけれど、やや予定調和的な気がする。時々慌ててしまう日高さんのキャラがあってかえって良いかもしれない。