長崎市のアウトリーチ事業は2002年から継続しているので、ずいぶんノウハウがたまっている、と言うのが理想なのだけれど、直営で人事異動があるのでそう簡単ではなくいつもタイトロープ上にいる気分ではある。しかし、うまく業務を繋いできているので実感としてはそれほど問題を感じない。それに色々と新しいこともやってきていて、それが実を結びつつあるのではないか、と思うところもある。
考えてみれば地元演奏家をオーディションして、その人たちにアウトリーチのノウハウを教え(これはこっちにとっても真剣勝負だ)、アウトリーチ事業の中に組み入れるのも、ジャズとかクラシック以外で何がやれるのか判らないまま飛び込んでみたり、ホールサポーターをベースにコーディネーター養成講座を本気で進めたりと色々と新しいことをやれているのも事実であって、それはある意味でリードしている状態でもあるのだ。どちらも、地域の担当にとってのリスクはある手法なのだけれど・・・
演奏家は2年の登録なので今回の演奏家は第5期にあたり、23,24年度にそれぞれ3回程度づつアウトリーチをし、ガラコンサートも行うことになる。今回は津軽三味線の人が入ってきた(他はクラの人とジャズトロンボーンである。クラシック頑張れ)。これははじめて。今回のミーティング(まあ研修会なのだけれど、あんまり教えますよ・・・という感じにしたくないので・・・)では、津軽三味線の楽器のことからまず私の方がレクチャーを受けているような感じ。そうでないと言うことが言えないので・・・。なあるほどと感心することしきりである。
彼らと話していくと地域で音楽をしながら生きていくことの大変さに、頭が下がる想いもする。でも事業である以上聴き手に対する責任もあって、とても悩ましい部分がある。だからといって悩んでいても仕方がない。自分が持っているノウハウや知識など(それなりにあると思うのだけれど・・・)なるべく多くのことを渡していくという一方通行的な物ではないので、最大のエネルギーを使う時間なのである。終わると予想以上にへばる。でも楽しい。