拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

M-1グランプリ2006 松ちゃんの見解

2007-01-08 14:50:10 | テレビ
ダウンタウン松ちゃんと放送作家・高須氏の『放送室』を聴く。毎年新年一発目の放送はその年のM-1グランプリの総括と、最近ではベテラン芸人大集合の笑いの祭典「ザ・ドリームマッチ」の裏話・感想をテーマに松ちゃんたちが語るのだが、今年は例年に比べてかなり熱いトークが展開されていた。二人とも笑いについて真剣に真剣に考えてるんだな…と聴いてるこっちも感心するようなトークで一時間があっという間。「ザ・ドリームマッチ」についてはまだ見ていないので先に松ちゃんの感想を聞いてしまって「しまった!」と思ったけど興味深かったです。ラジオを聴いていない人が多いと思うので以下、内容を要約。 

●「ザ・ドリームマッチ」
・コンビ決めのフィーリングカップル形式は面白いけど残酷(ロンブー淳と宮迫…)
・俺(松ちゃん)の後輩に対する思いやりは素晴らしい(若手であるタカアンドトシの漫才を活かしきったネタ)
・相方となったトシに合わせた若手特有のハイテンポの漫才は初めてだったので緊張したが、相方のトシはあまり緊張しておらず、現役漫才コンビと漫才をある時点でやらなくなった自分の違いを実感
・トシは出来る子
・ボケ/ツッコミにこだわらないコンビ決めにしたほうが面白そう
・ネタの制限時間をみんな守らない
・宮迫はネタのバリエーションが少ない。
・ウドを回せるのは淳しかいない(天野以外では)
・ベストカップル賞は蛍原とタカだと思う
・打ち上げで毎年宮迫は落ち込んでいる。毎年ロンブー亮は感動している。さまぁーず三村は完全にスイッチを切っている。

●「M-1グランプリ2006」
【松本】
・ドリームマッチの収録の翌日がM-1なので、前日自分がネタを頑張った分、必死に頑張ってるコンビを推したくなる
・素人コンビに罪は無いが、やはりあの場に出すべきではなかった。75点つけたがそれでも高すぎたと思う。将来性のあるコンビに出て欲しかった。
・渡辺正行は点数付けるの遅すぎ(それだけみんな悩んでいる)
・審査員たちは皆、繊細。
・観客緊張しすぎ。もっと笑いやすい空気にならないものか。
・「ポイズンなんたらバンド」連呼(今後彼らの正式名称を呼ぶつもりは無いらしい)
・ネタをやる順番はある程度番組側で操作してもよいのでは。ポイズンなんたらバンドがトップバッターをつとめるのは誰が見てもありえない。本人達も可哀想。
・トータルテンボスはよくできたネタだったのになぜあまりウケなかったのだろう。
・笑い飯は完全に優勝のタイミングを逃した。2003年頃に優勝すべきだった。相当酷だが芸風をリセットしないと優勝は厳しい。
・麒麟はまだイケる。麒麟の首はまだ伸びる(田村の違う意味での「上手さ」)
・昨年の大会で松ちゃんの評価が高かったコンビが優勝するというジンクスがあり、実際今回も昨年松ちゃんが推してたチュートリアルが今年優勝したが、今年は来年に活躍しそうなコンビがいなかった。来年のM-1は厳しそう。
・そろそろK-1化してきた(同じコンビばかりが出る)
・なんだかんだ言ったが「笑い」というものを考えるのには良い日
・関西地区視聴率31%超えは「アホ」。おまえらなんぼ漫才好きやねん!
【高須】
・冒頭の、松ちゃんと今田のやりとりが素敵(松「お前(その衣装)氷川きよしか」今「ちがうわ!…さ、ズンドコ行きましょう」)
・表彰式での、松ちゃんとオートバックスの住野CEOの握手も良かった。
・観客が緊張するのはしょうがない。生放送だし何より松本含む審査員たちの顔が硬いから。
・麒麟は昔の130Rに見える。二人のキャラがさらに明確になればまだ伸びる。
・ポイズンのネタ順はあまりにも可哀想だったがネタの順番はやっぱりガチでクジ引きするべき。
・チュートリアルは今年も勿論良かったが2005年のバーベキューネタの方が面白かった。

こうやって書き出してみるだけであの濃密な放送を思い出してジーンとしてくるなぁ。M1のネタ順は高須の言うとおりくじ引きで通す方が絶対に良いと思うが、他の意見は概ね納得で、かゆいところに手が届くような内容だった。やはりM1グランプリの審査員席には「面白さ」を誰よりも精密に計れる松ちゃんがいつも居て欲しいものです。松ちゃんが審査員をやってないM1なんて若手芸人側もモチベーション上がらないだろう。特に何かするわけでもないのにお笑いウルトラクイズにピコピコハンマー持ったビートたけしが不可欠なのと一緒である。松ちゃんはとにかく観客が笑いやすい雰囲気を作るため、番組の流れをスムーズにするため、各コンビの良さを最大限に引き出すために、ネタ順はある程度番組側で操作し、トップバッター向きの派手なネタが出来るコンビに大役をまかせれば良いと熱弁し、高須はそれに全面的に反対していた。それなら折衷案として、トップバッターとして前年度優勝したコンビにエキシビジョン的にネタをやらせるのはどうだろうか。それなら安心して見れるじゃん。…これ去年高須が言ってたかな?
とにかくまあ繰り返すが、熱いトークだったわけだ。聞けてよかった。M1関係者は全員聞くべきだ。最後は松ちゃんのこんな言葉で締めくくられた。

「僕は毎年(M1やドリームマッチに)感動してるんですよ。嬉しいなーって。笑いが好きな人達に囲まれて仕事してるっていうのが本当に幸せ。嬉しい。皆お笑いが好きなんだなっていうのが分かるってだけで十分」
「ただ、31%は見過ぎです。アホです。」

追記
L'Arc~en~Ciel NEO UNIVERSE 15th L'Anniversary Live(from youtube)
CDよりもキーが下がってるけどこのライブバージョンの方が好き。キー下げてレコーディングして欲しかったぐらいだ。

●今日の一曲
「迷彩」/椎名林檎