拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

浜崎あゆみとロッキングオン

2006-10-11 19:34:04 | 音楽
相変わらず実習の日々ですよ。でも記事を更新しないのも寂しいので記事倉庫から引っ張ってきたのを今日は載せます。この書いた記憶、正直薄いっす。

2001年3月に発売された『ロッキングオンジャパン』は、浜崎あゆみが表紙を飾ったことで一部で話題になった。しかも記事の内容が、自ら自分の半生を語るというロッキングオンジャパンの名物企画「二万字インタビュー」を浜崎が受ける、というもの。語ってるのだ、あゆ自らが半生を。当時発売された浜崎のベストアルバムを売りまくろう、というレコード会社の戦略と、雑誌の部数を上げまくろうというロッキングオン側の思惑が一致して実現した浜崎の記事。一応「ロック雑誌」であるあの雑誌の表紙をポップ界のスター・浜崎あゆみが飾るという超異例の事態に読者の一部で猛反発があったり、記事の内容がいかにもワイドショーが喜びそうなネタが多くメディアで記事に関する特集が組まれたりと様々な動きがあった。そして思惑通り、あゆのベストは売れまくり、雑誌はおそらく『ジャパン』史上最も番売れた号となった。私も記事がきっかけであゆのベスト盤買ったりしたもんな…。そして当時、本屋での『ロッキングオンジャパン』の平積み具合が凄かったもの。普段では考えられないような冊数が並べられ、音楽雑誌コーナーはもちろん、ファッション誌のコーナーにも『ジャパン』が進出したりしてて。絶対あれが一番売れた号のはず。てゆーか『ロッキングオンジャパン』、普段は硬派なロック雑誌を装っていても、解散発表したバンドの「解散の真相」的なインタビューを記事にするのがどこよりも早かったり、覚せい剤所持で拘置所に入れられていた尾崎豊を出所早々捕獲して「事件」についてインタビューするなど、もともと俗っぽい雑誌ではあるのだが。だから「なんでロック雑誌にあゆの半生なんて載せるんだ!」というツッコミは結構野暮なもんだと思う…。近年の『ジャパン』はただの優等生雑誌だけれども。
「自ら半生を語り、ベスト盤に興味を持ってもらおう」という戦略があったのは事実だろうか、それにしてもこの記事で浜崎は、隠しておきたいであろう過去を赤裸々に語っている。父親がいない事、ヤンキーだった事、売れないグラビアアイドルだった事、「芸能事務所に入っていれば絶対に落ちない」と言われている堀越高校の芸能科になぜか落ちた事、遊び歩いた末に今のプロデューサーに出くわした事、音楽にさほど興味が無かった事、ボイトレをサボりまくっていた事…全部記事で語っている。当時のあゆの状況から言ってここまで半生を雑誌に切り売りしなくてもCDは余裕で売れたと思う。それでも語りまくった理由は自分を偶像視するファンへの警告だったのだ、と私は当時勝手に思った。「私ってこんなもんだよ?選ばれた人間とかでは決してないよ?」「だからあまり大袈裟に持ち上げないで」みたいな。しかし、なんとなく「大御所」の雰囲気が漂い、すっかり何かに収まってしまった感のある最近の浜崎あゆみを見ていると、あの記事は一体なんだったのだろう、とたまに思う。「浜崎あゆみを見ていると」と言っても、彼女の姿はCMぐらいでしか見ない。以前はCD買わなくてもなんとなく知っていた彼女の曲も、最近は全くわからない。彼女はぼんやりした存在へと加速しているような…。それともファン以外の人にとってはどんなミュージシャンもそんな風に見えるもんなのかな。…てゆーか単に私が年をとっただけですか、そうですか。