Dutchman's Breeches (Dicentra cucullaria)
名前だけは知っているけれどまだ見た事の無い花、いつか見たいものだと願っている花は、きっと誰にでもあるでしょう。
このツノコマクサも私にとってそういう花の一つでした。ツノコマクサと言う日本名があることは勿論、Breechesが何を意味するかも知らない暢気さで見たいものだと思っていたのです。
それが、こんな身近に咲いていようとは。。。
ある春の日私は一人でナイアガラ・グレンに下りて行きました。その時は野生の生姜の花を写真に撮りたかったのです。根元に咲くことを知らずに見逃していた花でした。この花についてはまた後日改めて書きましょう。
ふと見上げた大岩の上にツノコマクサは白い花を咲かせていたのです。少し遠すぎて、足場も悪いため、巧く写真に撮れませんでした。他にも見つけたのですがどれも私の手の届かない巨大な岩の上です。辛うじて撮った写真は残念ながらボケていて、その春は失敗。翌春改めで出掛けました。今度はどうにか見られる写真です。
それはそれは嬉しかったものです。
花は細い茎に並んでぶら下り、上に行くほど小さく、その形はふっくらした「V」の字で、逆さにつるしたズボンのように見えます。Breechesは宮廷に仕える人たちが穿いていた膝までのズボンのことで、当然そこから付いた名前です。その独特な形がじつに可愛らしいのです。
葉は細かくきざみが入っていて人参の葉に似ています。そう言えば駒草の葉もこんな形をしていたんだったと思い出しました。私が駒草を見たのは奥羽の駒ケ岳、そして毎夏この花を見に駒ケ岳に上るのがどんなに待ち遠しかったか。最近では心無い人、と言うよりは馬鹿な人たちが庭に植えようかと言う気持ちで乱獲、絶滅の危機に瀕していると聞きます。あの砂礫の尾根に霧に濡れ震えていた可憐な花を救う手も無く、私は遠くから悲しんでいるだけです。
昔、北部に住む原住民の間では「惚れ薬」として使われていたとか。若者がこの根を噛み、思いを寄せる女性に近づくことで、その匂いを嗅いだ女性は自分の意思に反してさえ彼の後について来ると信じられていたそうです。薬草としても梅毒や皮膚病に効くと信じられていたようですが、触って皮膚炎になる可能性もあるとの事なので、どんなに思いつめてもこれを噛んで片思いの相手に近寄ろうなど、ゆめゆめ思うこと無かれ、です。
エスペラント名は探し得ませんでしたが、そしてこの前、Pantaloneto de Nederlandano と勝手な命名をしましたが長過ぎるので、Kuloto de Nederlandano が良いかなと思っています。私の勝手な命名に異議を唱える人も多いでしょうが、まだ名前が無いのなら、誰かが付けなければなりません。その誰かが私や私に同意する何人かであっても良いのでは?植物学者が既に学名を付けていますから、まじめな話はそれに従えば良いわけです。一般的な呼び名はどっち道過去に無名の誰ともわからない人々が付けたものですし、エスペラント名を付ける人が無名のEterna komencanto の集団であってもいっこうに構わないでしょう。
名前だけは知っているけれどまだ見た事の無い花、いつか見たいものだと願っている花は、きっと誰にでもあるでしょう。
このツノコマクサも私にとってそういう花の一つでした。ツノコマクサと言う日本名があることは勿論、Breechesが何を意味するかも知らない暢気さで見たいものだと思っていたのです。
それが、こんな身近に咲いていようとは。。。
ある春の日私は一人でナイアガラ・グレンに下りて行きました。その時は野生の生姜の花を写真に撮りたかったのです。根元に咲くことを知らずに見逃していた花でした。この花についてはまた後日改めて書きましょう。
ふと見上げた大岩の上にツノコマクサは白い花を咲かせていたのです。少し遠すぎて、足場も悪いため、巧く写真に撮れませんでした。他にも見つけたのですがどれも私の手の届かない巨大な岩の上です。辛うじて撮った写真は残念ながらボケていて、その春は失敗。翌春改めで出掛けました。今度はどうにか見られる写真です。
それはそれは嬉しかったものです。
花は細い茎に並んでぶら下り、上に行くほど小さく、その形はふっくらした「V」の字で、逆さにつるしたズボンのように見えます。Breechesは宮廷に仕える人たちが穿いていた膝までのズボンのことで、当然そこから付いた名前です。その独特な形がじつに可愛らしいのです。
葉は細かくきざみが入っていて人参の葉に似ています。そう言えば駒草の葉もこんな形をしていたんだったと思い出しました。私が駒草を見たのは奥羽の駒ケ岳、そして毎夏この花を見に駒ケ岳に上るのがどんなに待ち遠しかったか。最近では心無い人、と言うよりは馬鹿な人たちが庭に植えようかと言う気持ちで乱獲、絶滅の危機に瀕していると聞きます。あの砂礫の尾根に霧に濡れ震えていた可憐な花を救う手も無く、私は遠くから悲しんでいるだけです。
昔、北部に住む原住民の間では「惚れ薬」として使われていたとか。若者がこの根を噛み、思いを寄せる女性に近づくことで、その匂いを嗅いだ女性は自分の意思に反してさえ彼の後について来ると信じられていたそうです。薬草としても梅毒や皮膚病に効くと信じられていたようですが、触って皮膚炎になる可能性もあるとの事なので、どんなに思いつめてもこれを噛んで片思いの相手に近寄ろうなど、ゆめゆめ思うこと無かれ、です。
エスペラント名は探し得ませんでしたが、そしてこの前、Pantaloneto de Nederlandano と勝手な命名をしましたが長過ぎるので、Kuloto de Nederlandano が良いかなと思っています。私の勝手な命名に異議を唱える人も多いでしょうが、まだ名前が無いのなら、誰かが付けなければなりません。その誰かが私や私に同意する何人かであっても良いのでは?植物学者が既に学名を付けていますから、まじめな話はそれに従えば良いわけです。一般的な呼び名はどっち道過去に無名の誰ともわからない人々が付けたものですし、エスペラント名を付ける人が無名のEterna komencanto の集団であってもいっこうに構わないでしょう。