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さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

古老に嬉しい花二輪

2019-09-19 | 日記

いま野辺いっぱいに咲いている花なんです 「ゲンノショウコ」というんです    

   

 

私の祖父は慶応二年(1,866)生まれで病気の民間治療や薬草に詳しい人でした。この野草は腹痛の下痢によく効く薬草で乾燥して保存しておいたものを煎じて飲むと下痢はぴたりと止まると祖父は言っていました。「現によく効く証拠の薬草」ということなんでしょうね。でもいまではそんなこと知っている人はすくないですよね。私はこの花を見ると優しくていろんなこと知っている祖父のことを思いだして懐かしくなるんです。

 

この花は里山の尾根などなどに咲いている「オトギリソウ」です 

      

  この野草を乾燥して35度の焼酎に入れておいた薬液は傷治療の妙薬なんですよ。今はいろんな形のカットバンや治療薬などができて傷の治療に役立っていますけど、「カットバン」などなっかった昔はこの「オトギリソウ」が治療の妙薬として珍重されていました。傷にこの薬液をつけると化膿もせず早く治るんです。どこの家にもありましたね。でもオトギリソウってなかなか見つからないんですよ。祖父はそれを山から採ってきてみんなに分けてあげて喜ばれていました。

 

     この花は山野にはびこって咲いている「葛(くず)」の花です

 蔓や葉は栄養があって家畜の馬や牛に喜ばれるので、私の古里の只見ではこの葛の葉や蔓をみんなで山から採集する日を決めて「鎌揃え」と称して集落の人みんなが鎌を持ってあつまり「初め」の合図で一斉に山に入り葛の葉や蔓を採集して乾燥し冬の家畜の飼料にしました。今は家畜などいませんからくずを刈り採る人などいませんから野にも山にも葛がはびこって困っています。

昔はこの葛の根を掘り採って叩いて柔らかくして水で洗い、その水を容器に入れて静かに澄ますと水の底にうす黒いデンプンがたまります。「くず粉」です。わたしの子供の頃風邪を引くとこのくず粉を水で溶いて熱湯をかけて出来る葛湯を 飲まされました。おいしかったし奇妙に熱も下がりました。風邪の妙薬でした。

いまでも葛の根を中心に処方された漢方薬「葛根湯(かっこんとう」はよく効く風邪薬として市販されていますよね。私は風邪をひくとすぐに「葛根湯」を購入して飲みます

私の子供の頃はお医者さんなんて2里も3里もいかなければいらっしゃらなかったし。往診などしてもらえば治療代薬代など高額で普通はみんな富山の置き薬や野山の薬草や祈祷に頼っていたんですよね、

私は子供の頃激しい歯痛に苦しんだことがありました。そしたら祖父は紙になにか文字を書いておかしな形に折って細い棒の先に結びつけ私に渡しこれを道分かれの場所に立て「オンコロコロセンダリマキアソワカ」と唱えながらお祈りしなさい。必ずなおるからといわれました。その後の痛みの記憶がありませんから 治ったのかもしれません。

私の幼かった頃の傷や病気の治療はこんなふうに民間薬の薬草や祈祷や祈りや我慢で治してきたんですよね、ゲンノショウコの花を見て懐かしく思い出している私ももう古老になりました。何にも知らないし出来ない古老なんですけどもね・・・恥ずかし恥ずかしです。