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さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

ここ俺の古里や

2015-02-15 | 日記


 この豪雪の中で育った俺や
  
だから俺は嬉しいんや
先が見えないほどに降りしきる雪が懐かしくって
嬉しくって心がふるえるんや

 
私は12日奥会津の中でも最も雪深いといわれる豪雪の蒲生地区に行ってきました

 会津坂下発6時46分発の列車に乗ったんですけど、西高東低の冬型で会津地方は雪との天気予報で雪が少しちらついていました。


 
1時間20分ほどで川口駅に着いてすぐに只見行きの代行バスに乗りました



 運転手さんはこの前と同じお若い美人の女の方でした。乗客は私ひとりなんですよ。運転手さんのすぐ後ろの席にすわって「蒲生に行きたいんですけど場所がよく分かりませんので蒲生に着いたら教えて下さい」とお願いしました。「どちらからお出でなんですか?」とおっしゃるので「私は坂下なんですけども私の古里は只見なんです。でももう60年ほど古里を離れていますし、それに雪が深くって場所がよくわかんないんですよ」というと、とたんに運転手さんの言葉が変わりました。

 懐かしい只見言葉になったんです。
 「しなた只見のどこでやったや」 丁寧語です。(あなたは只見のどこのご出身でいらしゃるんですか)
 私はとたん心が和んでしまいました。そして久方ぶりの只見言葉での会話が弾みました。

 運転手さんは私の集落のすぐ近くの方でした。当然ながら私の古里のこともよく知っていらしって、いろんなことを教えて頂いて、川口から蒲生まで50分ほどの私は楽しい時間をすごすことが出来ました。 

 
代行バスか川口を出発した時は雪も止んで積雪もこんな程度でした


 
でも、蒲生近くなると積雪も深くなってきました


 
やがて雪も激しくなってきました


 
蒲生に着いた時は猛烈な吹雪、みんな暗くて真っ白で道もはっきりとは分かりません
 
雪の壁だけがずっと続いて見えていました



代行バスの蒲生停留所です


 運転手さんは丁寧に
 「帰りのバスはすぐそこの公民館の玄関でまっててけやれ。帰りのバスは11時33分だぞや、運転手はしなたのどこの小川のMさんだがら、よく言っておぐから帰りも話がはずむぞや~」と教えてくれました。

(帰りのバスはすぐそこの公民館の玄関で待っててください。帰りのバスは11時33分です。運転手はあなたの集落小川のMさんですからよく話しておきまので帰りも話が弾むとと思います)

 バスから降りて9時それから11時30分まで時間はたっぷりとあります。写欲をそそるところはいっぱい、ぱちぱちシャッターをきりながら夢中で蒲生集落内を歩きました。

 
バスを降りて国道に出ると道沿いの家は雪に埋もれていました


降る雪も激しくなりあたりも暗くなって家がよく見えないんです


蒲生集落から隣の八木沢集落へのスノーシェットの入口です


 国道の除雪は国土交通省の大型の除雪車がひっきりなしに除雪します。何しろ30分もすると30cmほども雪が積もってしまうんです。




 でも、国道を離れた集落の道は大型の除雪機を何人かのチームで組んで一生懸命除雪していました。私の見たところ3チームほどありました。




 集落をあるっている人に「大変な雪だなむ」(丁寧語です大変な'雪ですね)と声をかけると)集落の人は優しく答えて会話してくれるのです。

 
 からだいっぱいに雪をつけ珍しそうにしきりに写真をとってるおかしな爺い、只見言葉を話すけど只見人ではなさそうだなどと思っているんでしょうね。

「おれ小川だぞや、いまははぁ~坂下に住んで50年にもなったども大雪だじゅうから懐かしぐってきてみただ」
(私は小川出身です、坂下に住んで50年にもなりますが大雪だと聞いて懐かしくなってきて見ました)

 すると「そうがや~そうだ遠いどこがらきゃって写真撮ってやっとっかや~。大変だなむ」
(そうですか、そんな遠いところからお出でになって写真をとっていらっしゃるんですか、大変ですね)

こんな只見ことばの丁寧語で会話出来るなってとっても楽しかったんです

 降る雪で真白になって、それでもカメラのレンズだけはぬらさないように注意しながらの2時間でした。蒲生地区の川下の橋のあたりから、川上のスノーシェットを通って隣の八木沢集落がみえるところまで夢中で歩きました。楽しかったけど疲れました。

 バスの来る時間になりましたの自販機でホットのコーヒーを買って飲みながらバスを待ちました美味しかったです。暖かいコーヒーを飲めるなんて最高に美味しかったんです。

 帰りの代行バスの運転手さんは私の古里の小川の方でした。Mさんとおっしゃって私の小学校の同級生の甥ごさんとのことでした。面識はありませんけど同じ集落ですから私の実家のことも私のこともよく知っており、もう丁寧語ではなくずっと前からの知り合いのように普通の只見言葉でなごやかに話が弾みました。

 川口駅に着くと、雪のため一本列車が運休とのことで、MさんはJRの職員ですからいろいろ調べて丁寧に教えてくれて助かりました。帰りの列車は二輛連結でしたが川口高校の生徒さんが30人前後乗ってくれて賑やかでした。

私は独り静かにカメラのモニターですごい積雪と降雪の2時間の蒲生の写真をを見ながらいろんな思いにふけりました。

 
坂下について見ればそれほど雪も積もっておらずなんだか別世界に帰ってきたような気持ちでした
楽しく嬉しく充実した一日でした