のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

自分の側からしか見えない 義弟の奥さん。

2009-10-10 08:09:19 | 母の作戦、考え
義弟は4日間、病院で過ごしました。2日目の夕方には、お医者さんから、
「脳波はもうほとんど動いていません。俗に言う脳死と同じような状況だと思ってください。」
と言われました。
4日間、たくさんのお友達が駆け付けてくれました。小学校時代からの親友。大学時代の仲間たち。そして職場の上司もほぼ毎日のように、忙しい中時間を作ってきてくださいました。
特に、お友達の多さと、そして皆さんが示してくださる思いの深さには、
義弟を誇りに思う気持ちが強く掻き立てられ、ありがたく思ったものです。

一方で、義弟の奥さんはと言えば、
倒れた日の翌朝、私にメールをしてきました。
「昨日はごめんなさい。つらいけどもうなきません。」
と。
私は、結構やさしい兄嫁だと思います。でも、このときは、
「もう、病院かな?私たちは夜中に帰ってきちゃったけど、お母さんは昨夜もずっとそばに詰めてるから、早く休ませてあげなきゃね。うちは、これから出ます。」
と打ち返しました。
彼女がたぶんまだ実家にいるのを百も承知で。

こんな事態に至っても、自分のことしか考えられない。
義弟のことも、息子の命を何とかつなぎ止めたいと、或いは、何もできないとわかっていても、息子を一人にはしておけないと、そう思ってICUの椅子に座って一晩を明かす義母のことも考えられずに、温かい実家で、のんびりとメールなぞを打っている彼女にやさしい気持にはなれませんでした。

そして、そうして彼女に腹を立てる気持ちは、そのままのんびり娘の成長への不安となって、私の気持ちを「怒り」より「落ち込み」に向かわせるのです。

のんびり娘との毎日の中で、この頃特に気になっていたのは、
「自分の側のことしか見えない」でした。
ここにも何度か書いていますが、
自己主張の言葉が豊かになった娘が繰り出してくる言葉から、
「相手の立場」に立った物言いが少ないこと。
見えているものが非常に狭いこと。
これが気になっていた時期でした。
毎日、親子バトルを繰り広げながら、なかなかそこから抜け出せないのんびり娘と格闘しながら、それでも私は
「いつか抜ける」ということを信じていました。
これまで、いくつもの階段を上がってきたのと同じように、この階段もバトルの末に必ずクリアしていくだろうと。

「未来」には保証なんてありません。私が彼女の未来を信じていたのは、周囲の人間の成長の過程から導き出したものがその根拠になっていたわけです。なのに、その根拠となるものが目の前で崩れていく。30年も生きてきて、夫を持ち子育ても経験しながら、「自分の目線」でしか、まだものを考えられない人間が存在する。
それが、心に重くのしかかるのを感じました。

言い足りないですね。
それだけではないです。言いにくいことだけれど、
そういう力の弱い人間が、義弟を救えなかったということ。
さらに言ってしまえば、義弟が一人でいろいろなものを抱え込まなければならなくなったのはまさにそうした人間と生活を共にしたからだということ。
義弟実家の家族にとって、義弟は大事な存在でした。いい奴でした。入院時からお葬式までの間に、次から次に全国から訪れてくれた義弟の友人たちにとっても義弟はいい奴でした。愛される人間でした。
その彼が失われた。
人の生き死には、ある意味「運」だと思うようにしてはいます。
お医者さんも、家族の心にしこりが残らないよう、「仕方がなかった」というように
説明はしてくれました。
でも、やはり、心の中に、
「彼女と結婚さえしていなければ・・。」
「あの時、離婚していれば・・」
「彼女が119番をすぐにしてくれていれば。」
という気持ちは浮かんできます。

そしてそれは、そのままのんびり娘の将来への不安になって私の気持ちを落ち込ませるのです。
これまで感じていなかった、
「彼女は結婚してもいいのだろうか?」
という思いが浮かんだりすることもありました。

今はね、「相手も出てきていないのに、何を今から悩むことがある。バカバカしい!!」で済んじゃうんですけどね。
義弟の死では、姉の時の痛みも蘇ってきていましたので、よほど堪えていたのでしょう。
鬼母の霍乱ですわ。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
重いです (しずく)
2009-10-10 16:16:32
コメントを書かせていただくのは久しぶりですが、時々読ませてもらっていたので、しばらくお休みだったのでどうなさったのかなと心配していました。

昨夜、更新されてるのを読ませてもらい、seiさんと同じく、義妹さんと息子をダブらせてしまって眠れませんでした・・・。
seiさんがどうやって「抜け出した」のか、次回の記事を心待ちにしています。
返信する
しずくさん。 (sei)
2009-10-22 23:00:59
お返事がすっかり遅くなってしまって、本当にすみませんでした。
それから、ご心配をおかけしました。

ダブりますよね。私もそのせいでひどく落ち込みました。目の前に、まだまだ周りが見えないのんびり娘がいるだけに、余計に・・。

ずいぶんと時間がたった今は、そういう気持ちは大分払しょくされています。心の奥底に少しは「心配」が残っているのかもしれませんが、
それよりも、今回の出来事のおかげで
『これから、重点を置くべきはどういったことなのか』
という二人三脚の進む道のようなものはかなりはっきりしたように思うのです。
ただ、そっちの方向に進むためにどういうことをしたらいいのかについては、これからもやはり試行錯誤。悩み迷いながら手さぐりしていくしかないのでしょうけど、こうしてしんどい想いを共有してくださる皆さんがいるから、まだまだ手さぐりを続けられそうです。
コメント、ありがとうございました。


返信する

コメントを投稿