この地図は、国土地理院の2万5千分の1地形図を複製・加工したものである。
津木(つぎ)・桑原(くわばら)は周南市大字戸田の小字で南陽湾に面する小集落である。(歩
行約9.3㎞)
JR福川駅の海側にふれあいセンター前バス停があり、防長バス長田海浜公園行きに乗
車すると、行先に団地があるためか多くの方が乗車されていた。
バスは常盤橋から反対方向を循環して海浜公園へ向かう。室尾2丁目バス停(旧世界長バ
ス停)で下車して工場群筋を歩く。
海岸部には長田フイシャリーナと銘打ってヨットハーバーが設置されている。年間使用
料13万から19万と庶民には無縁の施設である。
こちらが一般庶民向けの海浜公園のようだ。
長田海浜公園は人口ビーチや遊歩道が設置されており、夏場には周南市唯一の海水浴場
として賑わうそうだ。
また、事前に許可を受ければ、キャンプ・バーベキューをすることができる。
防波堤はサメ防止網の設置と波消しの役を果たしているようだ。正面の島は御影石の採
石が行われている黒髪島だが、島自体は国有地だそうだ。
大津島など島々を眺めながら海岸道路を西進する。津木、桑原、四郎谷の海岸線は、丘
陵地が沈水して生じた溺れ谷海岸の特徴を示す。
次の湾に入ると正面に東津木集落が見えてくるが、旧新南陽市から旧徳山市域に入る。
海岸部でなく谷筋にも民家がみられる。
正面に回天の基地があった大津島。
海岸線が目前だったのか石組みが残されている。
戸田市民センター津木分館のある地には、1877(明治10)年戸田小学校津木分校が創
設される。のち支校、分教場に名称変更されたが、1962(昭和37)年に廃校となる。校
舎は火事により焼失したそうで、津木公民館として建て替えられた。
17世帯27名が暮らす東津木集落の海岸部は、埋め立てられて戸田(津木)漁港が整備
されているが、漁業主体という生活スタイルが少し変化しているようにみえる。
海岸部を巡ればハマダイコンの咲く散歩道。
散歩道で会えたのはこの方のみだった。
西津木集落も東と同様に13世帯26名の小集落だが、コミュニティバスは運行されて
おらず、車が唯一の交通手段のようだ。
馬蹄形の集落は付替え道路で湾を塞がれている。
集落の西入口には岩の隙間に地蔵尊が鎮座。
海岸部から離れると長い上り坂。(集落を見返る)
峠越えをすると鰯浜散策路の案内があるので海岸部で休憩。左手の山裾に見える石組み
が戸田(長江)漁港のようだ。
戸田(長江)漁港まで来ると正面に周南コンビナート、海には仙島、黒髪島、大津島の島
々が浮かぶ。
戸田(長江)漁港を過ごす。
長江集落は背後に山が迫るため道路筋に並ぶ。(通過後に撮影)
長江集落からは再び上り坂。
この看板を見ると桑原集落へと下って行く。
眼下に戸田(桑原)漁協の防波堤、遠くに防府市の大平山が見えてくる。
三方を山に囲まれた入江に桑原集落がある。
家の立地状況からすると、ここも後に海岸部が埋め立てられたのであろう。
裏手を山陽本線が走っており、車窓から湾を眺めることができる。
プラ用タコ壺を多く見かける。
29世帯56名が暮らす漁村集落だが、漁村といったイメージが一掃された建物が多い。
津木への分岐に戻ると貨物列車が通り去る。
桑原集落からは山陽本線が並行する単調な道筋である。
山陽自動車道下と夜市川の橋を渡ると国道2号線と合わす。徳山方面へ進むとJR戸田
駅がある。