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ぶら~と散歩

訪れた町や集落を再度訪ね歩いています。

山口市佐山‥須川後に伝わる山固め神事から河原谷公園

2024年10月09日 | 山口県山口市

        
                この地図は、国土地理院の2万5千の1地形図を複製加工したものである。
         佐山は山口湾の西に位置し、南に阿知須町が隣接するが、1899(明治32)年井関村(阿
        知須)から分離して成立する。地名の由来について、風土注進案は、「当村名をどのような
        訳で佐山というか分からない」とする。佐山とはサ(狭い)サマ(小さく低い丘陵)の意から出
        たものか。(歩行約7.5㎞) 

        
        
         本由良駅は、1900(明治33)年山陽鉄道の三田尻駅(現防府駅)ー厚狭駅間開通と同時
        に、阿知須駅として開業する。1950(昭和25)年に本由良駅に改称したが、山陰本線に
        由良駅(鳥取県)があったため、この駅名となった。

        
         駅前を右折して嘉川方面へ向かう。(N家) 

        
         車窓から見た佐山の集落は農家風建物が多い。

        
         須川前バス停(生活バス用)に「須川の山固め神事」の説明板がある。このまま嘉川方面
        へ歩いても変わらぬ風景となりそうなので、祭事場所を観ることにする。

        
         墓地附近が最奥民家である。

        
         山口宇部道路の函渠を潜ると山道に入る。

        
         水通し放水路がある砂防堰堤の上流は堤になっている。

        
         車も走行しているので歩きやすい道が続く。

        
         ベンチらしきものが設置されているが、堤の周囲を見渡すと、転落した場合は脱出が困
        難な構造である。

        
         須川山固め神事の初代御神木があった地と表示されている。

        
         その先に第4代御御神木跡。説明板では約500m北に入った山中で神事が行われると
        あるが、周囲は藁縄が張り巡らされているが、場所を示すようなものは見当たらない。

        
         この神事は、農耕に深くかかわりのある大歳神社の祭事として、佐山地区須川集落に伝
        えられているものである。毎年12月5日前後に総代が祭主及び司祭となり、新藁の注連
        縄(しめなわ)、三本の木刀、青竹の弓を準備する。祭りの当日は、幣をつけた榊を中央に立
        てた祭壇を設け、雌雄を意味するイスノキとマツの神木の間に注連縄を張り渡し、木刀を
        挟み、弊をつける。神木の両方に弓をつがえ、竹筒に神酒を入れ両方の木にぶらさげて、
        修祓(しゅうばつ)と祝詞奉上が行われる。
         この行事は、山固め神事といわれるように、山に棲む猪や兎などの害獣、ウンカなどの
        害虫といった自然災害を山に封じ込める意味が含まれているという。

        
         分岐を左に進むと第5代御神木跡。

        
         2つ目の砂防堰堤は規模が大きい。

        
         重ね(親子)砂防堰堤のようである。

        
         このような獣罠(箱罠)が所々に設置されている。 

        
         「⇐」があって近道のようだが不明のため直進する。後で近道だったことがわかる。

        
        
         草道や水はけの悪い箇所もあったが、南部海岸道路の函渠を潜る。

        
         河原谷溜池に出ると遊歩道が設けてある。

        
         池の畔にある河原谷改修記念碑には、「山口県佐山土地改良区 総事業費2億2400
        万円 平成4年(1992)2月竣工」とある。

        
        
         この地区には河川が少なく、農業などに利用する水の確保のために、多くのため池が造
        られている。江戸時代に平野部の開墾が進んで耕作地が増え、農業用水が必要となったた
        め、河原谷ため池や新堤が造られた。

        
         東屋より公園に上がる。

        
         「アジサイの谷」の道を進むと新堤に出る。アジサイの谷は堤を下った所にあるが、時
        期ではないので立ち寄らず。サブ広場(トイレ付き)の往復時間がわからないので堤入口で
        引き返す。

        
         公園に到着した頃は幼稚園児が遊具で遊んでいたが、静かな公園になっていた。

        
         正面ゲートから南部海岸道路に出る。

        
         道路の両側は工業団地で各種の工場が並んでいる。

        
         ユニクロ(ユニークな服の意)を傘下にするファーストリテイリングは、1963(昭和38)
        年に設立し、本社を山口市に置き、東京六本木に本部がある。社名は「素早く(提供する)」
        を意味するという。

        
         再び山口宇部道路を潜ると由良後集落に出る。

        
         三界萬霊塔を拝んで駅に戻る。三界とは欲界(物質的な欲求)、色界(形質だけの世界)、無
        色界(心だけの世界)とされるが、あらゆる場所で見られる石仏である。


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