名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(896);四間飛車に中央位取り(東和男)

2018-05-26 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180526
昭和62年4月、東和男先生と第28期王位戦です。

大山先生の四間飛車に東先生は中央位取りです。前回も中央位取りでした。

6筋の歩を交換します。(実は62飛と応じられるのが難しいのですが。)

ここから66銀~75歩といくのが位取りの将棋らしい展開です。

46歩は突きたくない気がするのですが。大山先生は35歩(34銀~45歩か石田流か)だったので東先生は3筋の歩を交換しに行きます。

大山先生は垂れ歩で対抗してせめて来いと。

24歩には同角と取ることが多いです。

東先生は端角から

6筋を押さえて銀を出ましたが端を攻められて何とも言えません。39歩成74銀38と63歩成という展開か、73金から守るか、というのが普通ですが

31飛の桂取りに63歩成。これは大山先生が失敗した感じです。

飛桂と角金の交換では互角に近いですが、後手玉がかなり薄くなりました。21桂43銀に働きがない(攻め駒にも囲いの一部にもなっていない)のでまずいのです。

その遊んでいる銀を取りに行くというよりは64馬と使う感じで先手有利です。

64馬の前に55桂が入って、これが結構うるさいです。

ここに歩を打たれて、東先生は大丈夫でしょうか。

大山先生は手ごたえを感じて飛車を打ち込みます。

手順に57銀を取って優勢に見えたのですが、東先生の66飛は詰めろ。攻防の飛打ちがありました。

65歩には93歩から64馬で詰めろ。(ということは93歩の時には詰めろではないので78歩から攻めたら大山先生の勝ち筋か。)

71玉に51角が詰めろです。(81玉は57金が詰めろでした。)

大山先生は銀を捨ててとりあえず詰めろを逃れ

竜も捨ててみましたが

合駒が悪くて81飛82銀同玉92金以下詰んでいます。


飛桂と角金の交換をしたところでは先手有利です。でも55桂への応接が悪かったので(43馬67桂成同玉というのは気が引けるところですが)逆転しているはずです。先手も攻防の66飛があって難しいのですが、この図で

93同香が敗着だとは思えませんよね。その後は東先生がうまく詰めろを続けられました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:東和男6段
後手:大山十五世名人
先手省略名:東
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 5二金(41)
19 5七銀(48)
20 6四歩(63)
21 5五歩(56)
22 7二銀(71)
23 5六銀(57)
24 4三銀(32)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(56)
30 6四歩打
31 5六銀(65)
32 7四歩(73)
33 5七銀(68)
34 1四歩(13)
35 2五歩(26)
36 3三角(22)
37 6八金(69)
38 5四歩(53)
39 同 歩(55)
40 同 銀(43)
41 5五歩打
42 4三銀(54)
43 6七金(58)
44 4一飛(42)
45 4六歩(47)
46 3五歩(34)
47 1六歩(17)
48 1二香(11)
49 3六歩(37)
50 同 歩(35)
51 2六飛(28)
52 3七歩成(36)
53 同 桂(29)
54 3八歩打
55 2四歩(25)
56 同 角(33)
57 6五歩打
58 同 歩(64)
59 9七角(88)
60 9五歩(94)
61 6四歩打
62 6二金(63)
63 6五銀(56)
64 9六歩(95)
65 8六角(97)
66 3一飛(41)
67 6三歩成(64)
68 3七飛成(31)
69 2四飛(26)
70 同 歩(23)
71 6二と(63)
72 同 金(61)
73 5四歩(55)
74 5二歩打
75 4二角成(86)
76 7三桂(81)
77 7四銀(65)
78 5五桂打
79 9二歩打
80 同 香(91)
81 5六金(67)
82 6七歩打
83 6九金(68)
84 6八飛打
85 同 金(69)
86 同 歩成(67)
87 同 玉(78)
88 6七金打
89 7九玉(68)
90 5七金(67)
91 6六飛打
92 6五歩打
93 9三歩打
94 同 香(92)
95 6四馬(42)
96 7八歩打
97 8八玉(79)
98 7一玉(82)
99 5一角打
100 7九銀打
101 9八玉(88)
102 5四銀(43)
103 同 馬(64)
104 3三龍(37)
105 同 角成(51)
106 6六歩(65)
107 9一飛打
108 投了
まで107手で先手の勝ち

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5 コメント

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Unknown (ねこ)
2018-05-26 18:55:03
毎回記事を楽しみに読ませて頂いてます。

93手目の9三歩は9二歩成、同玉、9五香があるので詰めろに見えます。

6六飛が鮮やかな攻防手で感動しました。
返信する
コメントの訂正 (ねこ)
2018-05-26 18:58:02
連投失礼致します。
9五香には8一玉と落ちれるので詰まないですか。
うっかりして間違った指摘をしてしまいました。
申し訳ありませんでした。
返信する
Unknown ()
2018-05-26 19:43:07
ねこさんコメントありがとうございます。
居飛車快勝に見えたのですが78手目55桂の応接が悩ましくて、大山先生が逆転しているはずです。難しい終盤なのですが、ドラマがありました。
返信する
玉頭位取対策 (ケムマキ君)
2018-05-28 10:02:31
知りたいのですが、森安流5六金型を使います。玉頭位取には、穴熊がいいと聞きますが、どれが よいか わかりません、よければ アドバイスお願いします。
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玉頭位取対策には ()
2018-05-28 18:12:17
ケムマキ君 さんコメントありがとうございます。

玉頭位取りには振り飛車穴熊が良いと言われたのは30年くらい前です。銀冠にも組みなおせるので私は賛同できませんが。
対策は組みあがる前に速攻する(石田流とか)か、袖飛車でとがめるというか組みにくくするか、66銀型にするというのがあります。最後のは藤井先生の「四間飛車を指しこなす本3」をご覧ください。これが一番有力です。
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