今日の棋譜20201211
昭和29年12月、松田茂行(茂役)先生と第4期王将戦第1局です。
珍しいスタートで
松田先生は向い飛車です。居飛車党だったはずですが、昔の先生は香落ち上手も多かったので指しこなせなくはないでしょう。でもタイトル戦で使うとは。
大山先生は中央位取りです。
単に4筋の歩を交換するのかと思ったら
37桂~48飛で攻めつぶすつもりか。
でも収まってしまいます。
今度は松田先生の75歩、これを見ると櫛田先生の世紀末四間飛車を思い出します。この時代からあったとは。
7筋を突き捨てたら1筋へ。香を交換して76香を打ちたいということなのでしょう。居飛車としては嫌な筋です。
大山先生は15歩を取らず(手順前後で15歩同歩75歩だったか)45歩同歩(16歩もありそう)同桂
44角に15歩と手を戻します。17歩~15香とされたら端が受からなくて困ったのではないでしょうか。
35歩だったので46飛、これは端が楽になりました。松田先生は33桂とさばきたいのですが、桂を交換すると74桂を打たれます。32飛~36歩は33歩を打たれそうですし、さばきそこなったか。ゆっくりならば34銀~22角44歩とか。
54歩で角をさばこうというのは危ない感じもします。対して大山先生は68金寄、後に箱入り娘と呼ばれる囲いですが、7筋を強化するためとは言え、最初に指したということではないでしょうか。
76歩に47歩?飛にひもをつけるためとはいえ、変わった手です。54歩88角成同銀54銀53桂成などの強引な飛交換をねらったのでしょうか。
ただ松田先生としても大した手はありません。55歩同銀同角というのは荒いさばきです。
55同角に44銀、角を引かれたら45桂を取れます。
44同角同飛22角
香損になりました。
28角から香を取り返しましたが、桂をさばいているかどうかの違いがあります。
59香44香の打ち合いは
桂を取れたのですが、この52銀も厳しいです。
飛を見捨てて47香成で勝負。
銀を打って
馬を引けば寄せ合いです。攻防の42飛に対して
55桂というのが外れで、金を引かれて投了してしまいました。普通は56桂を打ちそうなもので、77銀69銀打同金同銀不成88玉79馬98玉78銀成か78銀不成か、ちょっと足りなさそうですが。まあ56桂に77馬でもだめなのでしょうが。
松田先生の端攻めがうまくいったように見えるのですが。戦後(総平手)になって香落ち上手の機会も減ったでしょうから、さばき方を間違えた感じです。
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# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/12/02
手合割:平手
先手:大山王将
後手:松田茂行8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(32)
11 7八玉(68)
12 2二飛(82)
13 3六歩(37)
14 6二玉(51)
15 5八金(49)
16 7二玉(62)
17 4六歩(47)
18 5二金(41)
19 5六歩(57)
20 8二玉(72)
21 9六歩(97)
22 9四歩(93)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 5七銀(48)
26 6四歩(63)
27 5五歩(56)
28 6三金(52)
29 5六銀(57)
30 7二銀(71)
31 4五歩(46)
32 同 歩(44)
33 3七桂(29)
34 7四歩(73)
35 4八飛(28)
36 4二飛(22)
37 4五銀(56)
38 4四歩打
39 5六銀(45)
40 7五歩(74)
41 同 歩(76)
42 1五歩(14)
43 4五歩打
44 同 歩(44)
45 同 桂(37)
46 4四角(33)
47 1五歩(16)
48 3五歩(34)
49 4六飛(48)
50 5四歩(53)
51 6八金(58)
52 7六歩打
53 4七歩打
54 5五歩(54)
55 同 銀(56)
56 同 角(44)
57 同 角(88)
58 4四銀(43)
59 同 角(55)
60 同 飛(42)
61 2二角打
62 7七歩成(76)
63 同 金(68)
64 4一飛(44)
65 1一角成(22)
66 2八角打
67 6八銀(79)
68 1九角成(28)
69 5九香打
70 4四香打
71 8六飛(46)
72 4五香(44)
73 5二銀打
74 同 金(61)
75 同 香成(59)
76 4七香成(45)
77 4一成香(52)
78 7六歩打
79 同 金(77)
80 5八銀打
81 7九金(69)
82 4六馬(19)
83 4二飛打
84 5五桂打
85 7七金(76)
86 投了
まで85手で先手の勝ち
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