三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 3月25日 繊度計

2015-03-25 | メンテナンスお気楽日記
別に骨董趣味がある訳でもないが、ひと昔の機械や機器を見つけると、つい愛着?を感じてしまう。

今回は「繊度計はかり」です。ガラスケースに入った微妙な天秤はかりの一式セットです。
木枠で組まれたガラスの箱も「味」があるが、真鍮で出来ている天秤も妙にカワイイ?

丸い穴には各種の分銅が納められ、小引出には0,1グラムからの剥片が入っている。
ピンセットだけは妙に新しかったが、使っていた証しだろう。


「繊度計」とは、使用されている繊維や合撚されている糸の太さ(デニール)を計る機器。
1mの長さの糸の重さが解かれば、その繊維のdやdtexが計算される。又、生地を計れば
使われている繊維の太さや打ち込み数を知る事が出来、繊維設計の基礎となる。

只、9000m・1gが1dなので、その計測は微妙な作業となる。現在の繊維試験所では
デジタル方式の自動はかりを使用している。ボタンを押さなければ扉も開閉しない様式で
ホコリやチリが計算されない?様に、気を使っている。

その作業を、昔の人は息を止めてピンセットで天秤はかりにオモリを載せていたのだろう。
そんなことを想えば、アナログ世代の情熱を感じずにはいられない。

検撚器ならば、ちょっとした工場ではよく見かけるのだが、繊度計となると試験所のデジタル式しか
見たことがなかった。でも、ここは歴史のある大手の織物工場、研究室には技師たちがいて、新しい
繊維の開発や、気になる繊維の繊維分解などをやっていただろうと推測される。

ところが、時代の波に乗れなかったのか?検撚器を探す際、同業者から紹介されたのが、廃業準備中の
この会社だった。名前こそ知ってはいたが、機屋さんなのでワインダーは外注工場での作業のみだった。

専務に面会し、検撚器は譲ってもらえる事になり、昔話にも華が咲く(話に付いていけるって事は
自分も充分、お年寄りってことか?)残っている工場設備も見せてもらった。

めずらしいと言うか、興味のある骨董機械が色々と並んではいるが、いかんせん大量生産機ばかり。
生かしたい気持ちはあるが、100錘200錘の機械を5~10錘にする訳にもいかない。

「繊度計」も現在使いこなす人がいるか?って事になると、疑問形が残る。
笑い話でもないが、真鍮製検撚器の様に「飾ってあるだけでも価値がある」ってことなのか?

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