三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 9月26日 奈良の鹿?

2015-09-26 | メンテナンスお気楽日記
動物の「鹿」の話ではありません。りっぱな?お仕事の話です。

「なら」は○○工場なら出来る仕事。「しか」は○○工場しか出来ない仕事ってことです。
ひらがなで「なら」「しか」って書かないと、意味が伝わらない。日本語ってオモシロイ。

販売店の方は大型店舗にどんどん圧巻されてきた感じだが、生産工場の流れはどんどん専門化されています。
「何でも出来ます、作れます」って工場は、まず無いと考えた方がイイ。もちろん糸編工場も同じです。


自分が出入りしている鉄工所にしたって、今は四軒と取引きさせていただいています。
旋盤加工が得意な工場、アングル溶接が出来る処、薄物加工が出来る処、それと特急加工が依頼できる
機材店です。以前は一軒の鉄工所に頼めば大半の加工は出来た。野加治と言うより、横のつながりだろう。

先日、板バネ製作の依頼がありました。出入りの鉄工所に聞いても、それらしき情報がありません。
ネット注文って方法もあるが、やはり「ものづくり」は顔を見て・モノを見て依頼したい。(古いのでしょうか?)
検索で「バネ」を調べて、割あい近くの工場を初めて訪ねたが、そこは大手企業の委託加工のみでした。

でも、事務員から「○○なら作ってもらえるかもしれない。いや、もう○○しか出来ないだろう」との助言でした。
もちろん、車を走らせ工場を訪ねました。バネ板の厚さを手で確認し、納期や価格の見積もりもいただきました。


鉄工所に話を戻すと、こんな話があります。
先輩職人が広告?の裏に書いた絵をもって、鉄工所を廻ったが誰も相手にしてもらえません。
もちろん鉄工所は代替わりしていて、NC旋盤やコンピューター制御の加工機械が仕事をしています。

「こんなモノを作れないか?ここをこうして、ここはこう」でも図面と数字がなければ動き様がない。
以前は無いモノを作ろうとすれば、鉄工所のおやじがいっしょに考え、加工アドバイスも得ることが出来た。

もう「昔ばなし」だと言ってしまえばお終いだが、ひらめきやアイデアを数値化・図面化するのは難しい。
加工途中でサイズの変更や加工方法の変更なんて多々ある。それも開発手段でもある。


すべての原因は注文数の減少にある。ものづくりの世界は加工してナンボの世界。
注文が減ったから、依頼が少ないからと言って、極端な価格操作も出来ない。それ以上に安価が求められる。

対応しきれない工場は廃業の道を選ぶしかない。後継者に苦しみを伝承する訳にはいかない。

もう一つの方法は、専門加工である。自社の得意技術・自社設備を最大限に生かして、生き残りに賭ける。

専門加工のメリットは、技術の熟練・知識の蓄積・加工機の充実・材料費のコスト・維持費の縮少など、
肝心ポイントなのは、客数をいかに広く確保するかで、そのための「口コミ情報」がカギとなる。

その口コミ情報こそ「○○なら、○○しか」なのです。


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メンテお気楽日記 9月24日 「組合」って・・・

2015-09-26 | メンテナンスお気楽日記
                      検査協会(繊維の断面やフィラメント数を確認しています)

小松撚糸組合の二階には「検査協会」があり、生産糸の撚り数確認や伸び強度測定、熱応力測定など
して貰えます。加工前のデシテックス確認も大切な作業です。(不安があるときには)

毎週、木曜日には金沢の工業試験所から「専門技師」が派遣され、事故糸(生地)の原因究明や
繊維分解など、より専門的?な指摘やアドバイスを受けることが出来ます。

だから、忙しい?工場主は金沢まで足を運ばなくても、木曜日には検査結果やアドバイスを受ける為
糸や生地の持ち込みが増えます。その機をねらって(用もないのに)顔を出すのが、三筋の常です。


問題(気になるのは)は一階の「撚糸組合」です。事務所の前を通っても理事や事務員が机に座っている
姿しか見かけない(言い過ぎ?)一応、応接セットもあるが、相談者の姿も見かけない。

組合ならば、最低工賃の維持や専門加工工場の斡旋等などして欲しい処だが、この時期、厳しい以上に
無理な課題であることも重々理解している。だからと言って、動きがないのもさみしい(オカシイ)


繊維業界が不調だから、組合の仕事(意味)も少なくなる? まったく逆だと思わなければならない。
不調だからこそ、組合の意味・存在が大切になる。悪あがき?は一人でしても意味がない。
「繁栄期は美味しい処だけ・・」そんな思いも組合員の中からも聞こえて来る。

じゃ、何をしなければならないか?もちろん全員でケツを捲くる勇気もチカラもない。
今、出来る事は「組合」の存在を再度知ってもらい、組合員に「元気」を提供することが大切だと考えます。

簡単に言えば、各工場の従業員の合同一日バス旅行の企画でもイイ。人と人のふれあい・出会いがなければ
話題にも解決にもつながらない。もちろん組合員への業界情勢や新繊維の「勉強会」も出会いのチャンスです。

「組合」の強さは、市・県・国とのパイプです。利用できるメリットはどんどん活用すべきと思います。
組合だからこそ出来る人の情報、技術の情報、支援の方法がある筈です。もっと活用して欲しい。


要は、せっかく「組合」ってものがあるのだから、人と人との出会い・ふれあいを演出することが第一歩です。
人が集まれば、問題を探り、解決するチカラも見えてくるというもの。それが「元気」の元です。

一人では解らないこと、解決しないこと。人の意見やアドバイスがあれば、意外と一歩前に進めるものです。

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