メンテお気楽日記 ９月１０日 機能性繊維

「機能性繊維」とは、糸を織物や編み生地の形で提供し、幾多の機能要求に対応する繊維です。

もちろん、開発は糸づくりから始める訳だが、けっして繊維企業の独占企画ではなく、
「あったらイイな、出来たらイイな」などの、現場からの要求やアイデアが必要です。


先日は「発電できる生地」を見て、へぇー！。これまでも空を飛ぶ繊維（炭素繊維）や
情報を送る糸（光ファイバー）、電磁波・紫外線・音を遮断する生地。耐熱・耐弾生地。
空気は通るが水は通らない。光が当たれば触媒効果や固形化、水で溶けてしまう糸も。

これらの技術は産業資材に止まらず、ファッションや衣料にも活用されています。
吸湿吸汗・防水透湿・保温防寒などは、快適な衣料のためのアイテムとなります。

また、光変色する生地や蛍光発色する生地。ナノ技術を使えば「天使の羽衣」なんて
薄くファッション性の高い生地もできます。要は特性をどう活用するか？です。


正直な処、自分も「機能性繊維」と言ったら、運送屋さんが使っていたクレーンのスリング
ベルトぐらいのものでした。「使いやすくて便利だなー」なんて思っていました。

北陸の繊維産地の特徴は「委託加工」でした。加工機械はガンガン動いているのに
撚糸屋のおやじは、この糸が何になるのか知りません。指示書どおりに作るだけ？

そんな中、衣料用繊維の注文がドンドン減少してきました。工場を維持する為には新たな
仕事が必要です。でも受注できるのは少ロットのクセのある糸。これが機能性繊維です。

企業や商社としても、生き残り対策として「機能性繊維」の開発は必至です。
ポリマー技術や多孔質糸、異形・延伸・複合技術を屈指しての糸が作られます。
糸が出来上がった？としても、加工技術は別物です。機能を残す・確保することも重要です。


それらの糸が加工工場に持ち込まれます。だから少ロット注文は気を付けなければならない。
ヘタをすればまったく加工出来ない場合もある。いくら工費が頂けても気疲れで参ってしまう。

せめてでもの対応は「何の為の糸で、何がポイントか？」いっしょに考えることです。
いくら開発機密があるとしても、知らないまま加工を委託するなんて無理がある。

撚糸屋のおやじの「情熱」にも期待してもイイじゃないか？　なー。

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