三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 9月18日 産廃事情(繊維処理)

2015-09-18 | メンテナンスお気楽日記
産廃企業からの連絡でした。「先日の巻き込み装置、生地が動かないのだが・・・」

確か、確認作業ではちゃんと生地を送り込んで作動していたのに?、反対に巻き込みスピードが速いと
ローラーに生地を巻き込んで噛んでしまうので、改良対策を考えていた。


さっそく作業現場を訪ねたが、そこで掛かっているのはカーシート用?の丈夫な生地だった。
目が詰まっていて、さわりも良い。それが何十?メートルと続くのだからズッシリと重い。

ローラーには当然滑り止めのスリップテープ加工を施したが、それでもカラ回りしている。
押えローラーの圧力不足かと思い、手で押さえ込んでみたが、今度はモーターが止まってしまった。

この生地の場合は、ちゃんとした?ギアモーターを使用して、接圧もそれなりのモノがいる。

「以前の生地とは随分違うネ。この手の製品もこれから入って来るの?」「依頼があれば何でも・・」


考えれば「産廃屋さん」が同じ品質の製品で作業するワケがない。処分イコール不良品(C級)だから。
不良品率は製品の何パーセント以下?とすれば、製品の数だけ色んな種類に対応出来なければ・・です。


素人目には「産廃屋さん」に持ち込まれる製品?はとても「もったいない」感じがします。
「どこが悪いの?」そんな感じです。でも、それはまぎれもない不良品であり不良在庫なのです。

以前、福井のネーム工場で、自社工場内で不良製品を粉砕処理しているのを見かけました。
それは、不良品を一歩たりとも社外に出さないという、徹底した品質管理のあらわれです。

でも大半の工場では、C級・検査外製品は倉庫に終われてしまいます。処理経費というよりも
処理の方法が解らないといったところが正解です。それに対応する仕事が「契約産廃屋」さんです。

だから、産廃ルールは非常に厳しい。もちろん社名の解かるモノ、出荷先も口に出来ません。
いくら「もったいない」と思っても、そのままの形で処理することもご法度です。

捲き糸ならばカットして、生地ロールも巻き戻してプレス処理されます。破砕機もあります。
産廃屋さんから出荷される時には「原材料」の形としてしか出せないのがキマリです。

だから、産廃屋さんには「専門処理」があります。鉄クズ・プラスチック・繊維・コンクリ・木材。
それらが、各専門工場でさらに細かく分類されます。鉄ならばイモノ・アルミ・鋼板・ステンなど。

自分が出入りしている工場にも、スゴイおばちゃんがいます。
糸をライターで焼き、臭いと炎?ですべての糸を分類します。ポリ・レーヨン・ナイロン・綿・ウール。

不純物がいかに少ないか?が原材料の価値であり、さらに精製工程といった別工場もあります。
「産廃運搬」のトラックを多く見かけるのも、それだけ多くの産廃があり、仕事があると言うことです。


「産廃」に関しては、まだまだ書き足りないウラ話もありますが、要は
「経済・生活・ものづくり」は決して一方通行ではなく、回転しているからこそ動くのです。

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