迷宮映画館

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24アワー・パーティ・ピープル

2003年07月02日 | た行 外国映画
地方局で突撃取材を行い、体は張っていたリポーター、トニー・ウィルソン。才能に満ち溢れているのだが、今の状況に決して満足はしていなかった。ある日、小さなライブハウスで聞いた「セックス・ピストルズ」の演奏。この衝撃はロックの歴史を変えると悟った。

バンドのマネージメントをするという決意をしたトニーは血判状を書いた。「アーテイストはすべて自由に行動する、その作品はすべてアーティストのもの」という簡単なもの。ここからすべてが生まれる、歴史を作っていくんだとの自負に満ちていた。

才能持つアーティストを世に出し、伝説のクラブ「ハシエンダ」を作る。そこは大物アーティストが出演を熱望する、夢の舞台だった。間違いなく、世界のミュージック・シーンはここを中心に回っていた。

しかし、時代は流れる。経営は行き詰まり、暴力がはびこる。レコードは出来ない、資金がない。とうとう店をたたむことにした。伝説の夜、「ハシエンダ」最後の夜。すべての人々が集まった。

76年に生まれた『セックス・ピストルズ』は衝撃だった。中学、高校とロック少女だった私は、この異端に衝撃を受けた。しかし、どうしても好きにはなれなかった。音楽というよりも、ただの叫びだった。不満のはけ口を、叫びに求めていただけのように感じた。しかし、何かを変えたのは事実だ。

そこから始まるいわゆるマンチェスター・ムーブメントと言われるミュージック・シーン(マッドチェスターと言ってたが…)。知らない人にはまったく関係のない、詰まんない世界。おたくと天才のいやみな集まりだ。しかし、好きな人間、そのとき、その音楽を聞いた人間にとっては垂涎の世界だ。

私が70年代、80年代の音楽にはまっていたことは、このサイトをご覧になってる方はご存知。ウィンターボトムは私と同年代の人間だ。その音楽を聞いて、育った。この、小説より奇なる事実を撮りたかった。痛いほどにわかる。本当にこんなことがあったのだと思ったら、クリエイターとしてはたまらない世界だ。その人間性はたまらなく面白い。ただ、ちょっとマニアックだったかな・・・。

「24アワー・パーティ・ピープル」

原題「24Hours Party People」 
監督 マイケル・ウィンターボトム
出演 スティーヴ・クーガン レニー・ジェームス シャーリー・ヘンダーソン
パディ・コンシダイン 2002年 イギリス作品


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