迷宮映画館

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パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

2014年09月06日 | は行 外国映画
天才ヴァイオリニスト、パガニーニ。とんでもなく、すごい人だというのは、うっすら知ってました。彼の作った曲などは、超絶技巧で、とてもじゃないけど並みの演奏家には弾けないものも多いとか。で、それを演じることができるのは、当代一のデビッド・ギャレットさん!しかいないと。

すいません。デビッドさん、サッパリ存じ上げませんです。なかなか印象的な男性。色気がある。初めて演技をなさったとは思えないほどの柔軟性を感じました。すごい才能があって、さらにいろんな引き出しをおもち。見せ方を知ってるって感じでしょうか。

物語は素晴らしい才能を持ちながら、それを活かしきることができず、怠惰な生活を送っていたパガニーニ。そこにやってきたのがマネージャーとして彼の面倒を見るというウルバーニ。まるでファウストのもとにやってきた悪魔そのもの・・・・。なんとも不気味な雰囲気を漂わせているのですが、一番の惜しいとこは、その悪魔の雰囲気を活かせなかったこと。

この契約がいかに彼を縛り、かつ活かし、それこそ悪魔に魅入られたような演奏をするかと思いきや、やけに普通なのですよ。相変わらず怠惰なまんまで、悪魔も・・・もとい、マネージャーも彼に完全に振り回されちゃう。愛と狂気・・・というより、わがままで、怠けものの駄々っ子ちゃんみたいなのでした。

パガニーニをロンドンまで連れてきて、なんとか演奏させようと画策する指揮者のワトソン。自分の財産をかけて彼を舟に乗せるべく奮闘するのが、滑稽です。そうだよなあ。改めて思ったのは、レコードも何にもないんだから、有名な演奏家の演奏を聞くためにはなんとかして本人を連れてこないとならないわけで。で、相手はなうてのなまけもの。来ないのです。ただの自分勝手なわがまま男じゃん。

どうにかなんとかやってきて、そこは素晴らしい演奏を聞かせます。そこはそうじゃなくっちゃ。そのあとも、演奏したり、怠けたりと、好き放題。で、きちんとその勝手は自分に返ってくるのであります。

一応、愛!と銘打っているので、ちょっとはあるんですが、愛と狂気!というほどのものでもなく・・。19世紀の演奏や、舞台の雰囲気はたっぷりと出てましたが、物語は薄っ。。。素晴らしいせっかくの演奏に水差すようにも思えてしまいます。うーん、本物のヴァイオリンで、本物のヴァイオリニストを使い、意欲は嫌というほど感じましたが、映画として見るとちょっと残念。デビッドさんを知ることができた!のが収穫ではありました。

◎◎◎

「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

監督 バーナード・ローズ
出演 デビッド・ギャレット ジャレッド・ハリス アンドレア・デック クリスチャン・マッケイ ジョエリー・リチャードソン


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2 コメント

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生のデイヴィッドもかっこいいです (風子)
2014-09-15 13:07:32
以前からデイヴィッド・ギャレットのファンなので、6月の日本でのライブにも行きました。
機会があれば、彼のアルバム「ロック・シンフォニー」も聞いてくださいね♪
クラシックはもちろん、彼の演奏は本当にすごいんですよ。
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>風子さま (sakurai)
2014-09-26 22:00:52
そうなんですね~。
とんと知らなかったもんで、しっかと認識いたしました。
妙な色気がありますよね。
日本のバイオリニストさんとは、比べもんにならないですね。
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