迷宮映画館

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かもめ

2009年09月28日 | ロシア映画シリーズ
さてさて今月のロシア文学館は先月に引き続いて、チェーホフの「かもめ」。
チェーホフという人が、19世紀末のロシアにおいて、どのような役割を果たしてきたのかは、先月お勉強したが、『子犬を連れた貴婦人』同様、淡々と話は進み、やはり唐突に終わる。

あまりに淡々と進んでいくため、意識が飛ぶのを自分でむりやり抑え込むということをしないと、なかなかつらいものがある。100分足らずのフィルムなのだが、結構な集中力を必要とする。意識を集中させてないと、置いてかれてしまう。

田舎に保養に来たお高い人々。女優の母を持つコーチャは、演劇の脚本を書いており、女優の志望のニーナを使って、彼らにその舞台を見せる。荒野に作られた舞台は、お世辞にも立派なものではなかったが、そこで何とか演じようとするニーナ。

しかし、母をはじめとする観客は、まるで評価せず、舞台も途中で切れてしまう。ショックのあまり自殺を図るコーチャだったが、死に切れない。

さらにコーチャの愛するニーナは、母の連れである著名な作家のトリゴーリンを信奉し、彼についていくことを決意する。ニーナに去られ、失意の日々を送るコーチャ。

それから数年後、またメンバーは田舎の別荘に集うが、そこにニーナの姿はない。一時期、トリゴーリンと暮らし、子供までもうけるが、うまくいかず、今はドサ回りのの役者として各地を転々としているようだ。

それでも、彼女は自分を信じ、前を向き、まるで暗闇に突き進むかのように一歩を踏み出す。それを見送ったコーチャは、自分自身に決別をする・・・・。

と言う風に見えたのだが、この解釈が正しいのかもさっぱりわからず、淡々と進んでいくが、まるで催眠術のようなロシアの映画の世界に、ずぶずぶと入り込んでいく自分がいた。見ているうちに、引きずり込まれないように、もがく自分が、なんだか快感になってくる。

コーチャ役の俳優が、「あ、イチローに似てる!」なんて世俗的なことを思いながら見てるようじゃ、まだまだですわ。あーー、やっぱり難しいです。でも、がんばります。

『かもめ』

監督 ユーリー・カラーシク
出演 アッラ・デミートワ ウラジミール・チェトヴェリコフ ニコライ・プロートニコフ リュドミラ・サベーリエワ


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