迷宮映画館

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春が来れば

2006年04月09日 | は行 外国映画
ソウルで売れない音楽家をしている中年の男。どうにもさえない。彼女にも振られ、仕事もなく、夢である交響楽団のオーディションの結果も芳しくない。この年になっても母と一緒は情けない。一念発起という訳でもなく、何気なく手にとった田舎の中学校の吹奏楽の指導講師の募集のしらせ。どれ、どこにも行くとこないし、講師にでも納まろうかなっと。

田舎のコーヒーは、安いがまずい。予想通り、子供たちの演奏はお粗末そのもの。ろくな事もなさそうな田舎町に咲いた一輪の花!と言う事で、話の展開はほとんどお決まりの流れに沿っていきます。

投げやりだった子供たちにわずかな夢を持たせる。クラブで演奏するような音楽家なんて、と馬鹿にしていたのに、貧しい子供の助けるためにはクラブでサックスを吹いてしまう。このチェ・ミンシクのカッコイイこと!本当にさまになってます。ミンシクさん、楽器やってたのでしょうか、と思わせるくらいのうまさです。

都会は近未来を思わせるくらいの進歩をとげた韓国ですが、一歩田舎に行くと、田舎の状況は昔と変わらぬまま。そのギャップが韓国の面白さであり、弱点でもあるように思えるのですが、この映画の中では、田舎と都会という対比を描きつつ、一人の人間の気持ちのもち方の変化、変わりかた、気持ちの対比が描かれているような気がします。

「音楽なんかで飯が食えるか」と考える炭坑夫の親父さんの気持ちもも痛いほどわかります。でも、音楽の持つ何物にも変えがたい不思議な力もどうしても捨てがたい。やっぱり音楽っていい。皆で作り上げていく吹奏楽の魅力は時代を超えて、見るものの心をつかんでしまいます。

ホ・ジノ監督の助監督さんをしていたという監督の長編デビュー作品とか。うん、妙にホ・ジノに染まっていず、自分なりのホンワカ感が出ていたような感じがします。なんと言ってもミンシクと子役たちがうまかった。

(チェ・ミンシク、見るたびに「うん老練の役者だぁ」と思うのですが、年齢みてビックリ。あたしよりも若かったのね・・・)

・・・・楽器できる人っていいなああとこういう映画見るたびに思います。

監督 リュ・ジャンハ
出演 チェ・ミンシク キム・ホジュン チャン・シニョン


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