迷宮映画館

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極道めし&前田監督とせんるいのりこさんのトーク

2011年10月20日 | か行 日本映画
とある刑務所の中。房の面々は個性たっぷりな男たちだが、そこにチンピラの新入りが来た。とんがってて、溶け込もうとしない新入りは何かと突っかかる。狭い房の中だ。ぎすぎすするより、うまくやって行ったほうがいいよなああと。

それぞれにいろいろな過去がある。そしてその過去について回るのが忘れられない味、料理。
これは!とのどを鳴らせた話をした奴は、毎日代わり映えしないメニューのモッソウ飯の中で、唯一華やかなおせち料理のおかずをいただくことができる。

どおれ、うまい話をするぞぉ!!ということで、ぞれぞれがこれぞという話をするのだが、やっぱどれもおいしそう。ただの料理の話というだけでなく、そこには人生なんてもんも詰まってる。

ついついこっちものどを鳴らしてしまいそうになったが、やっぱそそるのはラーメンですなああ。



で今回は前田哲監督と、映画の料理をすべて用意なされたフードスタイリストのせんるいのりこさんのお話つきということで、じっくりお話を聞いた。

いつもはCMの食べ物専門に作ってきたせんるいさんが、半ば監督にだまされて今回の料理を担当することになったと。いつもは消え去っていく映像が専門なんだけど、映画というしっかりした形が残る仕事をやってみたかったということから乗ったと。

少ない予算、短い撮影日数、すべてぎりぎりの中で作り、食べ、撮って行くというのは非情に大変なことだったらしい。当たり前だが。CMと違うところは、おいしそうに見せるだけじゃなく、実際に役者さんが食べるので、おいしくないといけない。中身がおいしいなら、きっとおいしく見えると思うのだが、実際は難しいだろうなあ。

いろいろな料理があったが、刑務所のメニューはきっちりとリサーチして、ああいうものだったということだ。食器も、メニューも、ご飯も。ただし、実際の刑務所の麦飯はどんぶりに本当に山盛りで、とにかく大量らしい。それが三食。そのご飯を食べきるのは、かなり大変なことらしい。

そこに唯一の晴れのおせち料理。これが晴れの料理でありつつ、いかにチープ感を表せるかというのが、苦労したあたりだとか。

市井の私たちがなんとなく気になるのが刑務所の中。実際のところどうなんだろう・・・?と、よそのうちを覗き込むような快感を感じるあたりをうまくついてると思う。

気になったのがせんキャベツラーメン。どんぶりのそこにせんキャベツをしいて、インスタントラーメンを入れる。上にねぎと熱したねぎ油をじゅっとかけて出来上がり。あれが気になって、気になって・・・。翌朝(今朝)早速作ってみた。(自分は食べてない)息子の反応はそれぞれだったが、今度はきちんとねぎ油を作って、じゅっとやってみたいわ。

≪この話を、本日授業で生徒にしたところ、彼ら、妙に真剣に(いつもの授業を聞く態度とはぜんぜん違って)しーんとして聞いていたわ。。。うれしいような、悲しいような・・・≫

これからご覧になる方、おなかが減ってる方はお気をつけて!

◎◎◎○

「極道めし」

監督 前田哲
出演 永岡佑 勝村政信 落合モトキ ぎたろー(コンドルズ) 麿赤兒


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2 コメント

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私は… (KLY)
2011-10-20 23:02:13
黄金メシですなぁ。
実は私は高校時代全寮制でして、朝はどんぶり飯に生卵、そこにふりかけを死ぬほどかけてレタスサラダとともにかき込むってのがね、もう最高に美味くて!
でもね、社会人になってから同じことを似せてやってみてもどうしてもあの味にならない。あそこまで美味くないんですわ。
想い出の味ってのは、その時置かれた状況の中でのみ1番美味く感じるのかもしれません。そんなことを思い出しながら観てました。
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>KLYさま (sakurai)
2011-10-25 19:52:33
わたし、悲しいことに高コレステロールなもんで、卵とか、バターとか、タブーなんすよねえ。
食えないもんにあこがれはもたないようにして、ラーメンに向かいたいと思いますが、ラーメンも高いかなあ。
そうですよねえ~。思い出の味ってのは、あの時、あの状況で、どうやって食べたかってのが大事なんすよね。
それのことはうまく表されてたと思いました。
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