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第441回 トリヴィアな知識を楽しむー3

2021-10-01 | エッセイ

 トリヴィア(雑学的)な知識シリーズの第3弾になります。「超辞苑」(B.ハートストン/J.ドーソン 新曜社)がネタ元です。なお、文末に過去分へのリンクを貼っています。合わせてご覧いただければ幸いです。

<埋葬法いろいろ>
 棺を水平にして埋葬するのが西洋ではごく一般的ですが、故人の希望によっては、いろんなやり方が可能なようです。
 第一次世界大戦で、宿敵ドイツと戦った時のフランスの首相クレマンソーは「ドイツのほうを睨んだまま、立った姿勢で埋葬してもらいたい!」と遺言し、その切なる願いは、その遺志どおりに実現しました。

 ピエール・リベリエール少佐なる人物の場合は、もっと過激です。現世に絶望したことを示すために頭と足を逆さまにした状態で、垂直に埋葬されること希望し、その希望はかなえられました。このような垂直埋葬法なら場所をとらなくてすむ、との著者のコメントが笑えました。

 1977年に、米国で埋葬されたサンドラ・ウエスト未亡人の希望は「夫の隣にレースのナイトガウンを来たままで・・・愛車フェラーリに乗せ、シートを楽な角度に傾けた状態で」というもの。
 墓荒らしによる車の盗難を防ぐため、細心の注意を払って埋葬されたという。さもありなん。

<聖人への道>
 カトリック教徒の夢は、死後、聖人に列せられること。でも、そのハードルは極めて高いのです。生前の徳と聖性が認められ、まず「福者」(聖人に次ぐ地位)に列せられた上で、第一級の奇跡を2回以上行った証明がなされなければなりません。
 過去の奇跡の例です。

 アイルランドの聖ブリジットは16世紀の女子修道院の院長です。訪れた聖職者のために、風呂の水をビールに変えるという奇跡を起こしています。
 聖ピーター・アルブエズは、宗教裁判所所長として、生涯で4万人以上を火あぶりにした「功績」が認められました。
 バーデッドの聖ポーラは、スペインの女性聖人(時代は不詳)です。乱暴しようと追ってくる男の眼から逃れるために、十字架に身を隠しました。すると、すぐさま、あご髭と頬髭が生えて来て顔が変わり、強姦を免れたというのです。その後、髭がどうなったかの記録は残っていません。

<役所の造語センス>
 時期の記述は本書にありませんが、だいぶ前のことでしょう。米連邦統計局が、結婚の実態調査への回答の選択肢として造語した言葉があります。

それは"Posslq"(ポッスルキューと読みます)というもの。
"Person of Opposition Sex Sharing Living Quarters"の頭文字をとったもので、「住居を共有している異性の人間」ということです。日本語だと「同棲」という言葉が思い浮かびます。当時は、このような生活実態に当てはまる1語の英語がなかったのでしょうけど・・・役所の造語センスの悪さは、洋の東西を問わないようです。

<馬上の人の運命>
 ヨーロッパの街角とかには、馬上に騎士とか、王族らしき人物が乗った彫像がよくあります。伝統的な様式に従って作られているのが前提で、馬上の人がどういう死に方をしたかが分かるというのです。
 4本の脚が地面についていれば、その人物は自然死したことを意味します。1本の脚だけが宙に浮いていれば、戦いで受けた傷がもとで死んだことを示し、2本が宙にあれば、交戦中に戦死したことを意味するというのです。さすがに3本の脚が宙に、という例はないとのこと。

<魔女の兵士>
 嘘のような話ですが、第二次世界大戦中、イギリスは、魔女を志願兵として募集し、特別な任務を与えていました。その募集ポスターです(本書から)。

 その任務とは、ヒトラーの頭脳めがけて、ドーバー海峡横断という企ては決して成功しないという念波を送り、イギリス侵略を阻止する、というもの。
 その「効果」といえるのかどうか、まず、ドイツは、ソビエトとの開戦に踏み切り、双方とも歴史的ともいえる消耗を強いられました。
 戦争末期には、イギリスも、ドイツのV2ロケットの猛攻撃を受けましたが、なんとか耐え、勝利しました。
 勝利に貢献した(?)魔女たちですが、精神的消耗が大きかったようで、数年のうちに衰弱死したとのことです。こんなところにも、戦争の犠牲者がいたことになります。

 いかがでしたか?当シリーズは、とりあえず今回で打ち止めになります。なお、過去分へのリンクは、<第389回><第401回>です。合わせてご覧ください。

 それでは次回をお楽しみに。


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