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第364回 英国暮らしの傾向と対策-2

2020-04-03 | エッセイ

 以前、今回のパート1にあたる記事をお届けしました(第317回 文末にリンクを貼っています)。ネタ元が、英語でしたので、「英語弁講座」としましたが、今回は、日本人女性による「イギリス毒舌日記」(ウィルトモ著 ワニブックス)がネタ元になりますので、ご安心(?)ください。

 彼女は、イギリス人と結婚し、イングランド北西端の田舎町カーライル在住。2007年から始めたブログが好評で、出版の運びとなったものです。関西出身とのことで、イギリス暮らしの日々を、独特のノリと、時に大阪弁丸出しのユーモアで綴っています。「傾向と対策」的な話題に絞っていくつかご紹介しましょう。

<「ホームドクター」という仕組み>
 イギリスでは、病気とかになっても、手近な病院へでも行って・・・・というわけにはいきません。地域の「ホームドクター」というのを、一方的に指定され、そこで最初の問診と簡単な検査を受けて、正式に登録されます。そして、なにかあれば、まずそこで診察を受けるのです。専門外とか高度な治療が必要とかになって初めて専門医を紹介してもらいます。そんな(日本人からすれば)面倒で、非効率的な仕組みに直面した彼女の体験です。

 お腹が痛くて、ホームドクターに予約を入れると、受け入れ患者の上限を超えているので、「健康保険センター」で近くの診察可能なクリニックを紹介して貰えとの指示。5分だけ診てもらえるクリニックがやっと見つかって飛んで行ったら、本当に5分間だけだった、といいます。
 しかも、そこの医者からは、このクリニックの正式な患者になるための面倒な手続きを聞かされて、さすがにうんざりする彼女。
 「その時には、もう腹痛(はらいた)直っとるわ!! どんだけ遠回りして腹痛直すねん!!」(同書から)というボヤキも当然。これじゃ健康管理に気を遣わざるを得ず、「健康的」かも。

<厳しい交通取り締まり>
 ロンドン市内の混雑防止のため、ナンバープレートの数字が偶数か奇数かで乗り入れできる曜日が決まっています。違反した車は、監視カメラがチェックし、自宅に罰金の支払い書が届く仕組みです。

 スピード違反の取り締まりも厳しく、当然機械化されています。わずか4キロオーバーで彼女のところへ罰金の支払い書が来ました。85ポンド(日本円で13000円ほど)ですから、なかなかの金額です。免許証の持ち点も減らされるのですが、4時間の講習を受ければ、それは免除されると聞いて、最寄りの会場へ出かけます。

 会場はなんと4つ星ホテルで、ティータイムが2回あって、頼めばホテルのスタッフが、いろんな飲み物を持って来てくれるサービスぶり。
 で、講習は、交通標識の知識の確認が中心ですが、「知らん、そんな標識見たことない」「俺らの時代にはそんな標識なかった」、中には「高速道路には速度制限がないと習った」と言い張るマダムもいたりして、皆さん逞しいです。

 ところで、今回の講習は、1~10キロまでのスピード違反者へのものですが、それ以上のオーバーだともっと厳しい講習が・・・・と思ったら、そんなのはないんですね。
 「「そんな違反者には、やってもムダだから」というのがその理由」(同書から)だといいます。う~ん、これがイギリス流の合理主義、割り切り方なのかと、半分呆れました。

<漢字がブーム>
 彼女の同僚のご主人の首にタトゥーが入っていました。2回確認したというのですが、どう見ても「麦」という文字。その同僚の曰くには、「友達が絶えないって意味らしい」とのことだったので、おそらく「友」という字を入れるつもりが間違ったのだろうというのが彼女の推理。

 彼女のご主人の同僚で「机」と入れている人がいたそうで、どういう意味かと聞かれて「デスク」と答えると、さすがに動揺していた、というのが、笑えます。
 腕に「品質保証」と彫った男性を見かけたこともあるといいますから、ちょっとした「漢字ブーム」なんでしょうね。タイでは、でかでかと「巨根」と染め抜いたTシャツを着た欧米人男性を見かけたことがあるとも書いていました。ちなみにネットでこんな画像を見つけました。後ろにJRの券売機が写っていますから場所は日本ですね。誰か教えてあげてください。

 日本でも、変な英語看板、表示なんかを目にしたりしますから、どっちもどっち、という気もしますが・・・・

 冒頭でご紹介したパート1の記事へのリンクは<こちら>です。

 いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。

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