★★★ 芦坊の書きたい放題 ★★★

   
           毎週金曜日更新

第253回 「スロウな夜」-英語弁講座17

2018-02-02 | エッセイ

<愛読者の皆様へ>

先日、愛読者の方から、PCからだと、背景色、文字色の関係で、記事が読みにくいとのご指摘をいただきました。うすうす感じてはいたのですが(笑)、ごもっともなご指摘です。背景色は、タイトルに使っている画像との関係で、変更が出来ないようですので、文字サイズを大きくし、フォントもゴシックに変更いたしました。少しは、ご覧いただき易くなったと思います。過去の記事も、順次、修正してまいりますので、引き続きご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

ーそれでは、本文をご覧くださいー

 社会性のある話題が続いたようですので、「講座」という原点には戻りつつ、楽しさにも配慮して、お気楽な小ネタを2つお届けしようと思います。

<スロウな夜>
 SLOW(スロー、または、スロウ)というのは、言うまでもなく、動作、スピード、テンポなどが遅いこと。片岡義男の短編集「スローなブギにしてくれ」なんかを思い出すひとがいるかもしれません。

 村上春樹の作品に「中国行きのスロウ・ボート」というのがあります。いろんな歌手がカバーしている1948年のヒット曲「Slow boat to China」を利用したなかなかシャレたタイトルです。ちなみに、歌の出だしは、こうです。

 I'd love to get you
 On a slow boat to China,
 All to myself alone.

 Get you and keep you
 In my arms evermore,
 Leave all your lovers
 Weeping on the faraway shore.

 君を、(遠いところへ、じっくり時間をかけて行く)中国行きのスロウ・ボートみたいなのに乗せたいな。二人っきりでさ。オイラの腕の中で、しんねり、むっつりやろうぜ。恋敵どもは、遠い渚で、思い切り泣かせておけばいいのさ・・・・多分、こんな意味だと思うんですが・・・

 さて、英語で、「スロウな夜」(It's a slow night.)といえば、ロマンチックな感じがします。彼と彼女が、ゆったりした時間を、楽しんでるのかな、などと想像しますけど・・・・

 実は、時間の経つのが、「遅く」感じられる、ということで、つまり「ヒマな夜」という、夜に稼ぐお店にとっては、ありがたくない状況を表す表現です。

 いつものお店が「スロウな夜」とならないよう、皆さん、是非お運びください。

<今でも覚えてる入試問題>
 入試そのものが悪夢でしたから、どんな問題が出たかなんて、記憶にありませんけど、半世紀も前に、私が受験した私大の出題で、今でも鮮明に覚えているのがあります。単独の穴埋め問題です。

 Mark is a monetary unit of (    ).

 いかがですか?

 mark(マーク)は、印(しるし)。で、monetaryが、やや馴染みの薄い単語ですが、心当たりがありました。
 たまたま、IMF(国際通貨基金)が、"International Monetary Fund"の略だというムダ知識が役に立ちました。money(マネー)の形容詞として記憶の底にあったのです。「おカネ(通貨)の」という意味しか考えられません。

 「しるしは、(   )のおカネの単位である」
 ???一体なんのことかと、しばらく考えました。

 「おカネ」が頭の中をぐるぐる回ってる時、ふと、英語の"R"は、ドイツ語圏で「ル」に近い音になるという、これも当時の私としては、ムダ知識を思い出したのです。

 そうかMarkは「しるし」ではなく、「マルク」だと!!「そっかー」と、思わず机を叩いて、阿波踊りでも踊りたくなりました。
 固有名詞である事を気づかせないよう文頭に持ってきてるのも巧妙。



 ですから、正解はいわずもがなで、「Germany(ドイツ)」ですね。問題を作成した先生のニンマリした顔が浮かぶようです。ドイツの通貨単位を問うのは、英語の知識とは関係ない社会科の範疇でしょうけど、いかにも、私大ならではの出題です。

 こんな遊び心のある先生がいる大学だったら、行ってもよかったかなぁ・・・などと懐かしく思い出します。

 いかがでしたか?次回をお楽しみに。