Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

10/29

2018-10-31 | SUI(大地穂)


鳥取の友人宅で就寝後
目覚ましが鳴った記憶全く無し

友人に起こされバタバタ出発した


お世話になりました
ありがとう
またお会いしましょう




今日は鳥取→広島
下道270キロ 5時間半

長かったツアーの最終日です



しばらく道中の風景を



































こうして広島市街地に到着



気付くと車のサイドミラーに蛾



もう1匹
蟻かと思ったが小さな蜘蛛

多分両方とも鳥取から広島まで移動してしまったのだろう






広島では一件
慰問のクローズ演奏

到着してセッティング完了



クローズなので詳しく後記に載せられませんが
琴線に強く触れるような場面がありました

鳥取の施設もそうですが
こうした無償の活動には
現実的な限界がありますが
出来得る限り敢行することで
自分にとって
掛け替えのない体験をすることが出来るように思います


ここでお会いした皆さんが
お元気に過ごされますよう...







夜は初訪問のカポネさん

広島の路面電車の風景が可愛らしい







お店に到着








マスターとママさんにご挨拶して
セッティング完了
















お話ししながら僕の4歳上ということが
判明したマスターが営むこちらのお店は

僕が学生時代にギターを弾くきっかけになったものが
沢山置いてあるのです

宝の山です




宝をお見せしましょう



まずは僕がギターを弾くことになった
憧れの存在



当時中学生だった僕は
お年玉で買ったフォークギターを持って
こういう本を見てはワクワクしながら
たどたどしいギターを弾いたのでした









他にも沢山


1960年生まれの僕と同世代の方には
きっと懐かしい物が1枚や2枚はあるのではないかしら



























僕は二十歳の頃このグループの武道館公演の
会場でのLP売場でバイトしたのですが
アレは一体どういう伝手だったのか...
全く経緯を覚えてないのです


ただコンサートが始まってしばらくして
こっそり売場を離れ
2階席の一番奥辺りの扉から入って
豆粒のようなステージを観た映像と
その時自分がカーリーヘアで
茶色のコーデュロイの上下にウエスタンブーツを履いていた
という断片的な記憶だけあります

そうだ

終演後にギターのスキンヘッドの人と
通路ですれ違って
えらい背が高くて
目があって微笑んでくれたのを覚えてる...



と...
ここまで書いておいて
数日経って勘違いに気づきました

上の写真のアルバムはジャニスジョプリンだった


僕の武道館の思い出のバンドはこちら

チープトリックでした
失礼 ^^;






まぁこんな風に
本番前のカポネさんでは
過去の記憶の世界にタイムトリップしていました




そして本番




知らない地で

初めての人の前で

ほとんど何も予備知識を提示出来てない状況下で
勝負するわけですから

このツアー
最初から最後まで命を削りながら奏で続けました

でもこれが
演者の正しい生き方と思います



昔の旅芸人一座が公演の見せ場で
何故「見栄」を切り
そして何故そこに拍手喝采が起こるのか
肌で感じて理解しました

語弊を恐れず一言で言うなら
「心意気を押し通す」
ということでしょうか

芸を放つ側にも受け取る側にも
総じて
分かち合い共有する者同士
お互いの人生が少しでも多く輝くために
「見栄を切る」ことは必要な存在なのでしょう

見栄の本当の意味は
安っぽい虚勢とは全く違うもの

別に騒がしく演じることもない
ニュートラルで良い
と感じて来た僕の視界が少し開けた気がします

僕が違和感を抱いていた賑やかな舞台、というのは
本質を理解してない演者が
表面的な型だけを模倣し
騒がしく虚勢を放っている表現だったということ

それに今までの僕は拒否反応を起こしていただけ

この発見が出来たなら
これからは本物と偽物を
以前よりもっと見分けることが出来る

自分の芸の肥やしになるものは
楽しみながらどんどん吸収してゆくことが出来そうです


奥田民生の歌の通り

表現者は
さすらうべし
ですね





貧乏ツアーなので
見栄も去勢も張らず出来る限り下道で回りました


1ステージやったら
魂を使い果たしてクラクラ目眩がするようになりますから
このツアー、我ながら良くやったと思います

多分、気を張っていたのでもったのでしょう


広島カポネさんでの最後のライブを終え
流石に腰が抜けたような過度の疲労感を覚えました

このまま寝ずに神奈川まで夜走りで765キロ
さすがに高速を使いますが
それでも所要時間は9時間

運転し切れる自信が全くない^^;



出発して2時間くらいは
眠気と戦いながら運転しましたが
これはもうダメだと

どこのSAかわかりませんが
小1時間仮眠するつもりで休憩

あっという間に眠ったようで
ふと目覚めると3時間以上眠っていました

それでも疲労回復は全然なされていない
2度寝したい欲求をおして再出発

ほどなく空が白み始めました

















温かいものを摂取したい

名古屋あたのSAで
きしめん

炭水化物摂取で返って眠くなるかも
と思いつつ疲れた体にはとても美味しかった



名古屋を過ぎて残りが200キロ台になると
もう帰って来たような安堵する気分になりましたが
長距離移動を繰り返してたので
距離感覚が麻痺してるみたい






静岡まで来ると隣の県ですから
もう近所まで帰った気になって




富士山が見えたらもう
隣町の気分






通算13時間かかって無事到着



旅先の場所場所で
あまりに細やかな心の機微の風景を
沢山見聞きしました

思い出に書き残したいですが
文章化するのは無理です

それが出来るくらいなら僕はきっと
直木賞だか芥川賞を取れる^^


でも心にしっかり刻み込まれました



旅先で関わらせて頂いた人や場所を
忘れないと思います

そして全て
僕のこの先の音に反映されると思います


大きな宝物を頂いた気分です

この旅で関わってくださった全ての人、場所に
心から感謝申し上げます




ギタリスト 榊原長紀













。。。。
。。。。
。。。。











(ツアー覚書)







2018/10/22〜29


シンガーソングランナーSUIとギタリスト榊原長紀の
ジョイントライブ/西ツアーです

✨SUI&榊原長紀のジョイントライブ終演後
どのお店でも状況の許す範囲で
榊原ギター生BGM演奏致します✨





10/22(月)

【炉辺人】
静岡県 静岡市 葵区鷹匠3丁目10-15
お問い合わせ:054-255-1615
HP
FB
開演:19時30分〜
MC:2,000円



。。。。



10/23(火)

【ライブラウンジ楓林】
三重県伊勢市一之木2丁目12-10 日宝ビル2階
お問い合わせ:0596-24-8790
FB
開演:19時30分〜
投げ銭



。。。。



10/25(水)

【Bar Bewitched】
兵庫県 西宮市 門戸荘9-16 ネオDビル2F
HP
お問い合わせ:0798-53-7111
FBから
メッセージにてのお問い合わせも出来ます
開店&開場:19時  開演:20時  
投げ銭

✨ジョイントライブ終了後ギターで生BGM演奏が
決定しています✨


。。。。



10/26(金)

【ラッキーガーデン】
奈良県生駒市鬼取町168
お問い合わせ:0743-77-7936
HP
開演:16時〜
投げ銭



。。。。



10/27(土)

【カバティーナ】
岡山県新見市正田380-1
お問い合わせ
TEL:0867-72-0059
MAIL:jiroki7@yahoo.co.jp
HP
開場:18時  開演:19時
mc:2000円


。。。。



10/28(日)

【フォーク酒場 もみの木】
鳥取県鳥取市弥生町132
お問い合わせ:090-8358-7097
FB
開演:19時〜
投げ銭

&

同日
10/28(日)

【元気茶屋ラダック】
FB
開演:22時〜
投げ銭



。。。。



10/29(月)

【ミュージックラウンジ カポネ】
広島県広島市中区堺町2-1-2 B1F
お問い合わせ:082-292-9241
page
開演:20時〜
投げ銭





。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。











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10/28

2018-10-31 | SUI(大地穂)

明けたばかりの新見を出発



鳥取まで下道130キロ 下道で3時間弱


もう慣れてしまって
このくらいの移動は楽勝に感じる
























今日の鳥取は3箇所で演奏するので
かなりハードです


1ポイント目は養護施設での慰問演奏です



写真公開出来ないのですが
様々な事情で沢山のお子さんたちがここで暮らしてます

7月のツアーの時に初めて寄らせて頂き
子供達が可愛くて
今回もハードスケジュールを押して
また来てしまいました



前回同様、演奏後に
希望者にギターに触れてもらう時間を設けました

小さい子は僕の膝の上に乗せて
ギターを一緒に持って^^
大きい子は一人で持たせてあげて


数援護にもSUIちゃんは子供達にねだられて
ジブリの曲を生声で歌ってました


こういう触れ合いが
ほんの少しでもお子さんの未来に
光が多くなることを祈って
また信じて
奏でさせて頂きました



この場所を繋いでくれた友人です






2ポイント目はこちら

初めての訪問
フォーク酒場もみの木さん






店は2階

階段下までなにやら音楽が聞こえてきてます



店内に入ると
大音量で1975年の嬬恋のコンサートで
吉田拓郎さんが熱唱してる動画が流れている

拓郎大好きとおっしゃるマスターにご挨拶し
サウンドチェック



鳥取に来て知りましたが
もみの木さんは今日を最後に店を閉めるとのこと

なんというか...
節目の日に演奏に来てしまいました


フォークをこよなく愛するマスターは
キャラが立ってらして
浪速の名物おじさんみたいな
人間臭い愛すべき肝っ玉おじさんでした



リハしてる我々の音を気に入ってくださったようで
次々に常連さんに電話して
「今日の演者は良いから来い来い」と
声けけてくださった



投げ銭で地方を周るのは良いことだと思います

その時の丸裸な自分が等身大に評価された分だけの
報酬を頂くわけです

お店に入った時のご挨拶から始まって
リハの間も一瞬も気を抜けない

だから表現者にとって
こんなに厳しくも正しい環境は無いですね

何のしがらみも無く
迷うことなく自分をぶつけることが出来る




本番が始まる頃には客席も埋まってました

今日の前座を担ってくださった地元ミュージシャンの
みにょる君

きっと「みのる」という名前なんでしょうね

僕も「しゃかきぃ」とでも名乗ろうかしら
文字にすると「釈迦奇異」とか?





我々の本番




アンコールでは
マスターに背中を押されて登場した奥様とのジョイントで
1曲




お店最後の夜ということもあったのでしょうか
沢山の常連さんたちでどんどん盛り上がり
終演後に遅れていらしたお客様にねだられて
1曲歌うSUIちゃん






賑やかな中にも
今夜が最後の切なさを内包した宴は
終盤にさしかかり
マスターはかなり泥酔してらしたご様子

人間にとって
こんな夜は
沢山飲んで良い日なのだと思う



我々の音を気に入って頂けたのに
これで閉店とは残念ですが
三三五五皆で微笑みながら参りましょう


マスターご夫妻
どうぞお元気で

お客様
ありがとうございました





3ポイント目は前回7月にお邪魔したラダックさん
22時からの演奏です






もみの木で前座してくれた
みにょる君が
急遽ラダックでも前座してくれるということになり

僕の好きな高田渡さんの「生活の柄」と
かまやつひろしさん作曲の名曲
「やつらの足音のバラード」を歌ってくれて



高田渡さんもムッシュかまやつ氏も
もう此の世に居ないけれど
ずっと若いミュージシャンが
曲に反映された先人達の心を継承している光景を
僕は感慨深く眺めてました




18日からの長い旅で
疲れもだいぶ溜まって来てる中
その事を十分にわかって出してくださったラダックマスターの手料理は
す〜っと体の疲れが取れるような温かさでした






このお店は
何か...自分の中からス〜ッと
音が流れ出すような不思議な感覚があります

それを科学的に説明できませんが
一つ確実に言えることは
マスターが人間愛として優しい人

だから
僕の中の怯えやすい心が安心して
自然と解放されているということだけは
ハッキリと自覚出来ます


そんな空間で我々も奏で
今日の演奏は全て終了しました





明日は広島まで下道270キロ 5時間半

入りは14時


車移動なので何があるかわからないから
4時起き5時出

ツアーも佳境に入り疲れもピーク
一刻も早く眠らねば


カプセルホテルとかに宿泊予定でしたが
昼間の施設慰問での縁を繋いでくださった友人が
急遽、男性の僕だけなら
と泊めてくれることに

SUI女史はホテル泊



深夜
彼のお宅にお邪魔し
ささやかに酒盛り

鳥取名物の豆腐竹輪だそうです


これは小さなスイカの醤油漬け




シャワーをお借りし
明朝すぐ出られる支度を済ませて就寝

用意してくださった布団に入ると
ここは極楽か、という心地良さ


連日の演奏による連続緊張と
長距離移動の疲労
旅先の心もとない心細さなどが
こうした一宿一飯の恩義を
心に染み入るほど感じての心地良さなのだろう



ハードな1日だったけど
鳥取の地に感謝です











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10/27

2018-10-31 | SUI(大地穂)

店の2階の居住スペースに泊めて頂いた昨夜は
結局入浴もせぬまま寝てしまった...

翌日、1O時頃起きて
シャワー借りて店に顔出すと
ランチタイムでお客様がチラホラ

山ちゃんが朝食を作ってくれました




これ、真面目な話
何年か前に来た時より
山ちゃんの調理の腕が上がってる!

とても美味しかったよ山ちゃん




朝食のお礼に、と
ランチ時間の間、生BGM演奏をしました

僕という人間が「弾いている」ということを
お客様に意識させないように

気配を消して

音に乗せて
この空間に魂を浮遊させるように...


一般的なミュージシャンは
自分の存在を客席に強く投げかけますが
僕のBGM演奏は真逆

一切投げかけず
自分からモヤ〜っと滲み出たものを
そこの空間に浮遊させながら
徐々に満たしてゆく

まるで無味無臭の快楽ガスを
こっそりその空間に流し込むかのように...


そのガスは
そこに居る人を情操の世界へ導く作用があり

気づかぬうちに会話の中に
普段話さぬような心のうちまで
口にしているようなことがあったり無かったり
とか...




ひとしきりBGM演奏してから楽器を降ろし
店内をブラブラすると
僕らの作品を店に飾ってくれてるのを発見

昔は言い合いみたいになったこともあるけど
山ちゃんも僕もそれぞれにとって音楽が人生そのもの

そこを共有できる友のリスペクトを感じるのです





今日の演者が集まって来て...





普段は葡萄園を営むドラムスの浅田さんが
最高峰のシャインマスカットを持って来てくださって

これ、打ち上げで頂きましたが
もの凄い糖度で美味しかった







日も暮れてそろそろ本番






今回、前座を担ってくださった黒田さん

何度も言うけど僕はこの人の泣いている歌声が好き

男の歌です


この人の泣いている歌の後ろで弾くと
こっちも普段の3割増しくらいにギターが泣いてくる

この人の歌の後ろで泣きたくて
今回エレキまで持って来てしまった僕





黒田さんのあとを担ってくださったよしみちゃん

山ちゃん制作の映画のヒロイン役も為さった
彼女の歌もとても良かった

可愛らしいけど
とても強い芯を感じます




今回、トリを担わせて頂いたSUIちゃん

爆唱してます ^^









こよなく音楽を愛する山ちゃんが営むこのお店には
音楽を愛する人たちが自然に集まってくる

そういう人たちとの楽しい終演後の打ち上げ









浅田さんのシャインマスカット



店長さん




地酒を少し頂きました







地元の若いミュージシャンたちとの交流






今夜のハウスバンドメンバー








楽しかった宴も終わり
一人二人と帰って行き店は祭りの跡...

最後に山ちゃんと二人になった




僕がここに来た時からずっと
山ちゃんは夢とロマンを語り続けている...



音楽を職業にした僕はリセットする時間が必要なので
本番以外の時間
日常の中ではほとんど音楽を聴かないし語らないのですが
山ちゃんが熱く語るもんだから
つられて僕も語り明かしたのです



以下

語りながら酒を飲みながら
幸せに崩壊してゆく姿をご覧ください

多分、僕に撮られてることも
もうわかってない様子^^












そうこうするうち外が白み始める

明けて今日は鳥取まで下道だから
僕も寝ないとヤバイ

今から寝ても1時間しか寝れないか...

でも語り合う時間がとても貴重だったから仕方ない





気絶するように眠り
あっという間に起きてシャワー借りて
身支度して店に降りてみると
山ちゃんが椅子で崩壊したまま爆睡してました ^^




楽しかったよ
ありがとね

また遊びに来させてもらうまで
元気で


爆睡の山ちゃんを起こさず
置き手紙をして明けたばかりの新見を出発した












コメント (1)
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