たちあがりました。LGBT自治体議員連盟。27日、28日の2日間連続研修会に参加しました。
参加者が多かった。なかには自治体職員もいらしてたし、近隣市からは定数の1/4の6名の議員が来ていて驚きました。
1日目は、講演を3つ。
1)「札幌でのパートナー制度の取組み」 鈴木 賢 氏(明治大学教授・北海道大学名誉教授)
札幌パートナーシップ制は、要綱で設置。2017年6月1日から実施されていて、その対象を同性に限定していないところが特徴。
背景のひとつとして、2016年、札幌でのパートナ制度を求める「ドメスティック・パートナー札幌」が発足。構成メンバーであるLGBT当事者やアライ(性的マイノリティを理解し、支援する人のこと、英語の「Ally(この場面における意味は、味方や支持者)」が由来)全員が住民票を市長に手渡しをすることで、当事者を可視化した。個人情報にもかかることなので、弁護士も入って丁寧に進められた訳ですが、当事者の可視化が制度化のポイントになる。「当事者が声をあげないと社会は変わらない」とお話されていました。
現在、国での法整備の動きは停滞しているけれど(2015年に超党派のLGBT(性的少数者)問題を考える国会議員連盟が発足しています)、地方での動きが8割を超えたら法律になる!との見解には、”ならばやろう!”という想いが強くなります。
2)「自治体におけるSOGI施策」 鈴木 秀洋 氏(日本大学危機管理学部准教授(行政法、地方自治法担当)、元文京区役所男女協働担当課長)
文京区男女平等参画推進条例は2013年11月1日に施行。
第7条1項に禁止事項等が定められていて、「何人も、配偶者からの暴力等、セクシャル・ハラスメント、性別に起因する差別的な取扱い(性的指向又は性的自認に起因する差別的な取り扱いを含む。)その他の性別に起因する人権侵害を行ってはならない」、とあります。
赤字にした一文が入ったことがポイントで政策の根拠となっています。
さらに、条例の前文では、憲法13条の「個人の尊重」、14条の「法の下の平等」、男女共同参画社会基本法を受けた条例であること、根拠法を明記しています。行政は、憲法の憲法尊重擁護の義務を負っていますからね。
日本では、性別は固定された2つ(”女として生まれ、自分は女性と認識していて、恋愛対象が男性の女性”と、”男として生まれ、自分は男性と認識していて、恋愛対象が女性の男性”と、)だった。けれども、実際は、性はグラデーションなので、”当事者”ではなく私たちの問題である、ということをお話しされていました。
3)「渋谷区におけるLGBT施策の取組み」長谷部 健 氏(渋谷区長)
当選されて、まず取り組んだのは、自治体の最上位に位置付けられる基本構想を変えること。「ちがいをちからに変える街」。基本構想に多様性を入れ込んだですね。素晴らしい理念で、ため息がでます。”自治体の長”だからこそ、出来ることですね。
”パートナーシップ条例”で注目をあびた渋谷区。正式には「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」。区長発信の政策なのですが、その背景には、これまでに出会ったゲイの方の影響。そして、ご自身が結婚されたときの”紙きれ一枚”と思っていた婚姻届けのその重みを実感したこと。などがある、とお話しされていました。
(周知啓発のためのツールも充実しています)
その後、新宿二丁目にあるLGBT啓発センター「コミュニティセンターakta(アクタ)」へ。
(やや迷子になりながら、時間前に到着できた。ヨカッタ。)
aktaは、HIVや性感染症に関する情報センターであり、この街に集う様々な人たちの「広場」でもあります。
2011年から、厚生労働省の委託事業「同性愛者等のHIVに関する相談・支援事業」を受けていますが、単年度事業なので、申請から膨大な報告書の提出などの手続きを毎年行っている。
男性同性間でのHIV/AIDS感染者が増加傾向にあること、若年層への予防行動を促進することが課題など。相談を受けているスタッフの方からご説明いただきました。
(各種リーフレットが置いてあって、関連書籍も多数)
その後、2丁目のお店で懇親会。「9月議会で、取り上げる議員は多いだろうね。国の制度が追い付かないから、自治体から変えていきたいね」と盛り上がりました。超党派で、様々な価値観を持つ人が集まっているため、今回の講義内容とまったく関係ないテーマで議論になったりと、他自治体議員の方とお話しできる機会は、刺激を受けます。
ちなみに、2つあったお手洗いには「TOILET」の表示のみ。”性”によってわけることをしていません。