個別に興味深いことの続き
(5)源氏に伝わる剣の記載は一切なし。
「屋代本 平家物語」の「剣の巻」では
「髭切」と「膝丸」(膝丸は一時期「吼丸」と改名される)
という源氏重代に伝わる二つの剣の話について
事細かに記されていますが
(しつこく書き連ねた後、三種の神器の剣の話が出てくる)
「延慶本」にはまったく記載がありません。
「剣」という巻はありますが、皇室に代々伝わる「三種の神器の一つ 剣」
の話だけで終わっています。
ちなみに、現在「平家物語」という題名で図書館に並んでいる本の多くには
「剣の巻」に「髭切」の話はありますが
「新日本古典大系」に所収されているものも(延慶本ではありません)
「三種の神器の剣」の話だけで源氏の剣の話は一切触れられていません。
なお、屋代本他の「剣の巻」に出てくる
もう一つの剣「吼丸」(元の名は「膝丸」?)について
「吾妻鏡」につぎのような記載があります。
元々義朝の所有物であった「吼丸」が後白河院に献上され
それが一回頼朝の元に返された後改めて院に献上された
という話はあります。
けれども「吾妻鏡」には「髭切」に関しての記載は一切ありません。
さて、私は以前に
中間解説12 頼朝の血統の地位Ⅱ
において
「平治物語」の後出本で知られている「源太が産着」と「髭切」の太刀が
古態本(現存するもので最も成立年代の古いもの)「保元物語」「平治物語」で
出てこないか登場してもさほど重要視されていないということに触れました。
また、「吾妻鏡」でもその二つに関して
まったく触れられていないということもあって
(「吼丸」の記事はきちんとあるのですが)
「源太が産着」と「髭切」が嫡流の証であったのどうかは疑わしいと書かせていただきました。
諸「平家物語」のうち成立年度が古いと言われ、
語り本に比べてエピソード満載の「延慶本平家物語」に
「髭切」話が一切出てこないというところを考えると
「髭切」というのは本当に嫡流の証だったのかどうかは
ますます疑わしいのではないのかと私は考えます。
(5)源氏に伝わる剣の記載は一切なし。
「屋代本 平家物語」の「剣の巻」では
「髭切」と「膝丸」(膝丸は一時期「吼丸」と改名される)
という源氏重代に伝わる二つの剣の話について
事細かに記されていますが
(しつこく書き連ねた後、三種の神器の剣の話が出てくる)
「延慶本」にはまったく記載がありません。
「剣」という巻はありますが、皇室に代々伝わる「三種の神器の一つ 剣」
の話だけで終わっています。
ちなみに、現在「平家物語」という題名で図書館に並んでいる本の多くには
「剣の巻」に「髭切」の話はありますが
「新日本古典大系」に所収されているものも(延慶本ではありません)
「三種の神器の剣」の話だけで源氏の剣の話は一切触れられていません。
なお、屋代本他の「剣の巻」に出てくる
もう一つの剣「吼丸」(元の名は「膝丸」?)について
「吾妻鏡」につぎのような記載があります。
元々義朝の所有物であった「吼丸」が後白河院に献上され
それが一回頼朝の元に返された後改めて院に献上された
という話はあります。
けれども「吾妻鏡」には「髭切」に関しての記載は一切ありません。
さて、私は以前に
中間解説12 頼朝の血統の地位Ⅱ
において
「平治物語」の後出本で知られている「源太が産着」と「髭切」の太刀が
古態本(現存するもので最も成立年代の古いもの)「保元物語」「平治物語」で
出てこないか登場してもさほど重要視されていないということに触れました。
また、「吾妻鏡」でもその二つに関して
まったく触れられていないということもあって
(「吼丸」の記事はきちんとあるのですが)
「源太が産着」と「髭切」が嫡流の証であったのどうかは疑わしいと書かせていただきました。
諸「平家物語」のうち成立年度が古いと言われ、
語り本に比べてエピソード満載の「延慶本平家物語」に
「髭切」話が一切出てこないというところを考えると
「髭切」というのは本当に嫡流の証だったのかどうかは
ますます疑わしいのではないのかと私は考えます。
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