時のうねりのはざまにて

歴史小説もどきを書いてみます。作品と解説の二部構成で行こうと思います。

蒲殿春秋(三十六)

2006-07-11 18:04:20 | 蒲殿春秋
果てしなく長く長く続く旅路。
東山道の山道を抜け、坂東の地にたどり着いてさらに幾日。

範頼は再び東へと向かった。
今度は範頼の養父範季の供で奥州に向かっていた。
安元二年(1176年)
式部少輔藤原範季は陸奥守を拝命した。
今までの任国ならば範季は目代を派遣して自らは
任地に赴くことは無かった。
けれども今回は自ら都を遠く離れた陸奥の地へ自ら赴くことにした。

黄金、馬、武具その他多くの重要なものを産出する
奥州の地は範季の足を動かせるだけの重大なる大地であった。

途中まで範季の婿で甥で猶子の下野守範光も同行していた。

範頼が四年間過ごした上野を過ぎ下野に入った。
父義朝も数年国守を勤め上げた地でもある。
そこに範光をおいて一行はさらに進む。

未知なる奥州の地を範頼はある種の期待をもって踏み入れた。

範頼の祖先が憧憬し、そこでの利権を巡って
幾たびかの戦乱を巻き起こした地。

その地の権利を行使して父の武家としての生命線である武具、馬の調達権
を握り締め
父を思うがままに支配した信頼。

それがゆえに信頼とともに滅ぶことを余儀なくされた父。

奥州は範頼にとっても因縁の地でもあった。

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専門書

2006-07-09 15:39:43 | 源平時代に関するたわごと
私の「源平ヲタ」が高じて、学術本にまで手を出し始めてかれこれ○○年。
しかも、最近ここに小説もどきを書くようになってから
専門書や原典を読まなければならない必要性を痛感しています。

けれども、中々入手が難しい。

理由の一つは
「高価」であること。
お値段をみてフツーに書店にならんでいる小説やエッセイなどからは想像も付かない
桁外れな値段がついていてため息をつくことがしばしばです。
こちらも日常生活がかかっている身ですから
「趣味」の領域である書物にまでは中々お金がかけられない。

これに対するの自衛手段として
「図書館」の利用があるのですが
多くのものが「館内専用」か「県立図書館からのお取り寄せ」になってしまいます。

せっかく県立図書館からおとりよせしても
日常生活がいそがしくって半分しか読めずに返却期限が来て
涙をのんだこともしばしば・・・

ときどき新書や文庫で論文を出してくれる学者さんや出版社には
感謝です。

だけど、その参考資料をみてまたまた読みたくなる本が増加するという
現象も起きてしまいます。

それから、もう一つの入手困難さは専門書は
発行部数が少ないこととすぐに絶版になってしまうこと。

いいな、と思って買おうと思ったら既に絶版になっていたということもしばしばです。
amazonなどで中古は出回っているのですが
決済方法に不安があるので手が出せません。

図書館を利用しようとしても
「県立図書館館内閲覧専門」という表示があると
田舎ものが読むのはほぼ不可能。

もっと一般人の手の届くところに専門書や原典があればいいなあ
とふと思ってしまいます。

それとも、もっと工夫の余地があるのか・・・

ps.資料整理の為しばらく休止していた小説
もう少ししたら再開できそうです。

皇室系図

2006-07-09 15:22:37 | 系図
皇室系図 ただし一部省略してあります。 数字 天皇の代(即位順)

72    73   74
白河--堀河--鳥羽-+
                |
-----------+
|     75
--+--崇徳--重仁親王
  |(母 待賢門院 藤原璋子)
  |
  |   77        78        79
  +--後白河-+--二条-----六条(母 伊岐致遠娘)
  |(母 待賢門院) |(母 藤原懿子)           
  |         |   
  |         |
  |         +-以仁王--北陸宮  
  |         | (母 藤原成子)
  |         |
  |         | 80        81
  |         +-高倉----+-安徳(母 建礼門院 平徳子)
  |         |(母 建春門院 |
  |         |  平滋子)   | 82
  |         |          +-後鳥羽(母 七条院 藤原殖子)
  |         |
  |         |   
  |         +-式子内親王(母 藤原成子)
  |      
  | 76      
  +-近衛 (母 美福門院 藤原得子)
  |
  |
  |
  +-上西門院 統子内親王 (母 待賢門院)
  |
  +-八条院 子内親王 (母 美福門院)
  |
  +-高松院 姝子内親王 (母 美福門院)
      二条中宮      
          

摂関家系図

2006-07-09 14:49:35 | 系図
摂関家系図 ただし一部省略してあります。 あーけ この時期の摂政関白就任順


忠実-+  
    |   い   近衛家  う          おきけ
    -+-忠通---+-基実-----+-基通(母 藤原信頼妹)
     |(母 源師子) |(母 源国信娘)  |
     |         |           +=育子(実父 徳大寺実能)
     |         |              二条中宮
     |         |   
     |         |え           か
     |         +-基房(松殿)--師家
     |         |(母 源国信娘)
     |         |
     |         |
     |         | く   
     |         +-兼実(母 藤原仲光娘) →九条家
     |         |
     |         +-慈円(母 藤原仲光娘)
     |         |   天台座主 「愚管抄」著者
     |         |
     |         +-聖子(母 藤原宗通娘) 崇徳中宮 皇嘉門院
     |         |
     |         +=呈子(実父 藤原伊通) 近衛中宮 九条院
     |      
     |      
     +-頼長=====多子(実父は徳大寺公能)
     |(母 藤原盛実女)    近衛皇后、二条後宮 二代の后    
     |        
     +-泰子 鳥羽皇后 高陽院
      (母 源師子)
   

摂関家トリビア
・忠実の子の泰子・忠通姉弟の母は元は白河法皇の後宮にいた女性で
 法皇の愛情を一身に集めた中宮賢子の妹です。

・忠通の養女呈子と、頼長の養女多子は近衛天皇の后の座をめぐり争いますが
 その二人は忠通、頼長のそれぞれの正室の実家出身です。

・就任順「おきけ」の基通は後白河法皇の男色の相手としても知られています。
 その母は同じく法皇の「あさましいほどの寵愛」をうけた男色相手藤原信頼の妹です。




伊勢平氏系図

2006-07-03 21:41:30 | 系図
伊勢平氏系図1
ただし、一部省略してあります。

桓武天皇---+--(略)----時信---時子
       |
      (略)
       | 
       +-正盛---+--忠盛------+
                 |              |
                 |              |
                 +--忠正        |
                                |
  +--------------------+
  |
  +-+清盛--------+-重盛(母 高階基章娘)
     |(母 祇園女御?)   |
     |              +-基盛(母 高階基章娘)
     |              |    
     |              +-宗盛(母 平時子)
     |              |
     |              +-知盛(母 平時子)
     |              |
     |              +-重衡(母 平時子) 
     |              |
     |              +-知度(母 未詳)
     |              |
     |              +-徳子(母 平時子)
     |              |
     |              +-盛子(母 不明)
     |      
     |      
     +-経盛
     |(母 源信雅娘)    
     |             
     +-教盛--------+-通盛
     |(母 藤原家隆娘)    |
     |               +-教経
     |               |
     |               +-藤原成経室
     |               |
     |               +-教子
     |
     +-家盛
     |(母 藤原宗子=池禅尼)
     |
     +-頼盛
     |(母 藤原宗子=池禅尼)
     |
     +-忠度
      (母 不明)