欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

夜の鐘が鳴り響く街

2012-01-04 | une nouvelle


夜、ひっそりとした空気をつんざく鐘の音。
街の中心にある大聖堂の鐘が深夜の刻を知らせています。
ずっと止まったままだった大時計の針。それを動かすように働きかけたのはほかの誰でもない街の人たちでした。
信仰という枠にはまらない愛情。
そこはあのお姫様が十二時の鐘を聞いた有名な聖堂なのです。

ひっそりと眠りにつく街に響きわたる鐘。
眠れない人々にも子守唄のように聞こえ、もちろん街の人たちの良き夢の誘い手になっているのです。

大聖堂のそばを通りかかるひとりの老人。
酔った足どりで建物に寄りかかり、鐘を見上げるのです。
そして、髭のあたりをさわりながら、
"今夜の眠りをこの鐘の音がいざなっている。
安らかなる時を街の人々に知らしめながら・・。
また明日、日が昇るまでの夢の刻。この夜をこの街の誰もが愛とともに過ごせるようにと・・。"
右に左によろけながらも、何度も鐘のある頭上を見上げるのです。


夜は安らぎとともに過ぎていきます。
空の星々が見守る中で・・。
また明日、新たな世界が幕をあける、希望の朝がやってくるまで。


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