深い森の中、大きな木の根のまわりで人が集まり、楽しい唄をうたっています。
みんな輪になっては、真ん中に何人かが出てきて、祝福の舞を踊りはじめるのです。
拍手の後、木のむこうからあらわれたのは美しく着飾った新郎新婦。
イベリスの花飾りを首からさげたふたりが、みんなの前を通り、花びらのシャワーを受けるのです。
新婦はうっとりと笑みをうかべて新郎を見つめます。
新郎もウインクしてまわりに祝福を返して。
ふたりはゆっくりと司祭の前へ。そして、愛の誓いを・・。
あなたはこの女性を生涯の伴侶と認めますか?
はい。
あなたはの男性を生涯の伴侶と認めますか?
彼女がはいと言おうとした時、突然響いてきたもの。
それは、昨夜見た不思議な夢と同じでした。
霧の中、さまよう森で出会った自分よりも大きな黒豹。
その鋭い瞳が彼女にささやくのです。
お前の姿は美しい。だが、なにか大事なことを忘れてはいないか。
それを果たすまで、お前の愛は遠い彼方の檻に封印されたままなのだから。
あなたはこの男性を生涯の伴侶と認めますか?
はいと言おうとしても、彼女の口は閉ざされたまま。
やがて、司祭の顔が黒い豹と重なっていき、
どうした? まさか忘れたわけではないだろう。
いにしえの愛の誓い。お前の過去が呼んでいる・・。
彼女が口ごもったままでいるので、新郎もまわりの者もざわめきはじめます。
やがて、彼女は、
どうか、お許し下さい。けっして悪気はなかったのです。
約束を忘れたわけではないの・・。でも、この人と出会い、もう一度愛を確かめてみたかった・・。
そう言って、首からさげた花飾りをはらりととりさって、彼女は大きな木のむこうへ。
追いかけていった新郎をかすめるように飛び立ったのは・・。
美しい一羽のカラス。黒い翼をはためかせ、木々の緑を裂いて空へ飛び去っていったのです。
失意の新郎のもとへ旅人が寄り添い、肩に手をかけて、
黒い翼をもった者の宿命をあなたもご存知でしょう。
永遠の愛を誓えなかった者に課せられる代償・・。
あの鳥は約束を破ったままふたたび愛を手に入れようとしたのです。
償うべきものをまだ償っていないのに・・。
今はつらいだろうが、やがて、安堵が心を包んでくれる。
もう魅惑の森へ夜足を運ぶのはよした方がいい。
あそこで得たものは、一見華やかな匂いがするが、すぐに腐臭がただよう。
よこしまな気持ちの夢はいずれ心を傷つける悪夢で終わるのだからね。
みんな輪になっては、真ん中に何人かが出てきて、祝福の舞を踊りはじめるのです。
拍手の後、木のむこうからあらわれたのは美しく着飾った新郎新婦。
イベリスの花飾りを首からさげたふたりが、みんなの前を通り、花びらのシャワーを受けるのです。
新婦はうっとりと笑みをうかべて新郎を見つめます。
新郎もウインクしてまわりに祝福を返して。
ふたりはゆっくりと司祭の前へ。そして、愛の誓いを・・。
あなたはこの女性を生涯の伴侶と認めますか?
はい。
あなたはの男性を生涯の伴侶と認めますか?
彼女がはいと言おうとした時、突然響いてきたもの。
それは、昨夜見た不思議な夢と同じでした。
霧の中、さまよう森で出会った自分よりも大きな黒豹。
その鋭い瞳が彼女にささやくのです。
お前の姿は美しい。だが、なにか大事なことを忘れてはいないか。
それを果たすまで、お前の愛は遠い彼方の檻に封印されたままなのだから。
あなたはこの男性を生涯の伴侶と認めますか?
はいと言おうとしても、彼女の口は閉ざされたまま。
やがて、司祭の顔が黒い豹と重なっていき、
どうした? まさか忘れたわけではないだろう。
いにしえの愛の誓い。お前の過去が呼んでいる・・。
彼女が口ごもったままでいるので、新郎もまわりの者もざわめきはじめます。
やがて、彼女は、
どうか、お許し下さい。けっして悪気はなかったのです。
約束を忘れたわけではないの・・。でも、この人と出会い、もう一度愛を確かめてみたかった・・。
そう言って、首からさげた花飾りをはらりととりさって、彼女は大きな木のむこうへ。
追いかけていった新郎をかすめるように飛び立ったのは・・。
美しい一羽のカラス。黒い翼をはためかせ、木々の緑を裂いて空へ飛び去っていったのです。
失意の新郎のもとへ旅人が寄り添い、肩に手をかけて、
黒い翼をもった者の宿命をあなたもご存知でしょう。
永遠の愛を誓えなかった者に課せられる代償・・。
あの鳥は約束を破ったままふたたび愛を手に入れようとしたのです。
償うべきものをまだ償っていないのに・・。
今はつらいだろうが、やがて、安堵が心を包んでくれる。
もう魅惑の森へ夜足を運ぶのはよした方がいい。
あそこで得たものは、一見華やかな匂いがするが、すぐに腐臭がただよう。
よこしまな気持ちの夢はいずれ心を傷つける悪夢で終わるのだからね。
そう、華やかで残酷で甘美で痛い・・
掴んでもすぐに腐り落ちてしまう幻・・・
煉獄に居る様でした。
もう悪夢は終わらせなければいけません。
勢いで書いた感があるのですが、意外と視覚的な詩ができたかと・・。
しかし、最近書きたいのはこういうものよりも、もっと楽な?詩。ジャズで言うとノラ・ジョーンズのような・・。理想は高くって感じですかね