欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

心象映像

2007-05-24 | poem
私は夢を見ていたのでしょうか。
あたたかな日ざしの下、木々に囲まれた田をこえて、ある小さな家を訪れたのです。
そこは小じんまりとした作業場みたいなところ。
真ん中に大きな机があり、その上には白く丸いものがたくさん並んでいます。
私がそこに立っていると、ひとりの女性が入ってきました。
お年は召しているものの、とても品のあるおだやかな物腰のご婦人でした。
ご婦人は私にほほ笑みかけると、白い粉の入ったバケツを机の上に置いたのです。
そして、また出ていってしまいました。

私はまだそこにいました。
なぜここにいるのか自分でもよくわかりませんでしたが、この部屋にいると自然と気持ちが落ち着くのです。
大きな机ひとつしかないささやかな作業場。
でも、不思議となつかしい感じがするのでした。
婦人がふたたびバケツを持って入ってきました。
私は婦人からバケツを受け取り、机の上へと置きました。
ご婦人は"ありがとう"と、やさしい声で言ってくれました。
やさしい笑みを浮かべて、前にもってきたバケツを横倒しにしました。
白い粉が机の上に広がりました。
ご婦人はそれから私が置いたバケツの水を白い粉の上にまいて、白い団子のようなものをつくりはじめました。
私はその作業を眺めていました。
しばらく見ていましたが、これなら私にもできると思い、手伝いをかってでました。
婦人は快く受け入れてくれ、二人で白い団子のようなものをつくり続けました。
作業の間、ご婦人は私にいろいろと話しかけてくれました。
そんな時間は私にとってとても楽しいものでした。
ご婦人と話していると、とても正直になれる気がするし、心はすっきりとおだやかになるのでした。
そうして作業を続けていると、ご婦人はある時手をとめて、"お茶にしましょう"と言われました。
"外に手を洗う場所があります"
婦人に言われるままに、私は外に出て、近くにある水場で手を洗っていました。
おだやかな日ざしがおりていて、やわらかな陽光がそこらあたりを包んでいました。
私はそのあたりをしばらく眺めていました。

そこで我に返ったのです。
私は家のソファでうとうととしていたのでした。
思い返してみると、その夢の映像はとても生々しく、今も私の脳裏に残っているのです。
作業場やあたりの雰囲気、ご婦人との会話など、そのひとつひとつを鮮明に思い出すことができるのです。
その夢はとても心地よいものでした。
あのような場所を私は知りもしないのですが、とても懐かしい感じのする場所なのでした。
私はその後も夢のことをたまに思い出し、あのような気分になれるように平静を保つようにしているのです。