必然的なヒストリー

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【功名が辻・感想レビュー】関ヶ原

2006-11-05 21:36:04 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

世の中の老若男女、必ず知っている歴史イベント。
それが「関ヶ原の戦い」。

今夜、いよいよ開戦!
琉河はこのドラマ最大の歴史イベントだと思っていたので、どんな仕様に仕上がるのかこの日を楽しみにしていたわけですよ。合戦シーンは、多少予算をオーバーしても「葵~徳川三代~を超えて欲しいなあと思っていたわけで。

まずは思わせぶりなOP。
いいぞ、いいぞ~!で、このオッサン誰ですか?
何故か、一豊様の写真パネルがど真ん中に。この人合戦で何か功績を挙げましたっけ?これも主役の特権。家康と三成に挟まれる一豊の写真に何か後光が差している様な。これだけを見ると山内一豊という武将が家康と三成に負けず劣らずの武将に見えますね。
そしてまた毛利家か。そんなに毛利家を前面に出すならもう少し、ギャラの高そうな役者さんを起用して欲しかったです。(いっそのこと小早川秀秋役をロンブー田村亮にした方が良かったような。小早川秀秋の人生って、半分ギャグで出来てますし)

まずは一豊様が関ヶ原へ出兵。さて、いよいよ合戦シーンか!?と思いきや。
また出てきたよ、講釈のオッサン。お前は「八代将軍吉宗」の江守徹か!
こんな講釈シーンを入れずに、純粋に物語だけで話を進めて欲しかったです。
で、いよいよ始まった合戦シーン。福島正則の兜に鉄砲が当たり、兵と兵が激突するシーン。これぞ、関ヶ原の醍醐味。血肉湧き踊るシーンだよ!
と思ったら、また一豊様のシーン。だからこの人は毛利監視の為に動けないだろうが。いやいやいや、ヤキモキさせますね。たまらんわ、この緊迫感。決戦が始まるものの、福島正則隊と黒田長政隊は合戦で苦戦。(余談ですが黒田長政役の人は若い頃の陣内孝則さんにそっくりだと思いました)
吉川広家の内応が疑いなしと信じた一豊は家康に加勢を嘆願。願いは聞き入れられ、いざ合戦へ。
毛利が動けなかったのは徳川方の勝利を予想したモロ師岡が毛利隊の先頭で悠々とロケ弁を食っていたから(笑)。それにつっかえて20,000に近い毛利勢と名束正家は西軍に加勢できず。ハイ、残念。
島津は先週、石田三成の自己陶酔ぶりの正義感に辟易して、今度はやり返しに自論を持ち出して三成の要請には応えず。三成方に付いた理由があいまいだっただけに(本当は家康方に付くはずだったけど、徳川方の伏見城の入場を拒否され、やむなく西軍に付いたと言う経緯がある)三成に対する義理も薄かったのでしょうね。

そして正午過ぎ。何故か、小早川秀秋の陣に現れる六平太。まさかとは思っていましたが、黒田長政らの功績を六平太一人が持っていってしまいました~
おいしいシーンばかり持っていきますね、六平太!
そうか、そうきたか。でも一豊を庇って戦死なんてありきたりなストーリーになるよりはマシかと思いました。切羽詰った、小早川は大谷勢に突撃!でました、関ヶ原名物「NANA2」現象(※1)
というわけで、小早川の坊ちゃんも徳川に寝返り、関ヶ原の戦いはわずか半日で決着がつきました。
そして、いつの間にか、ストーリーに置いてきぼりにされた一豊様。彼がこの合戦で果たした功績は琉河には分かりません。何か、手柄でも挙げたのでしょうか。

午後になり、一気に総崩れとなった三成方は敗走。三成は一人、まるでしじんのみたいな山中をさまようことに。フクさんとシュウさんがどこかで見張ってそうな不気味な山中。佐和山城も落城し、行き場所を無くした三成に出来る事はたった一つ!
そうです!家康方に付いた武将に一言物申す事
自害もせずに生き恥を晒してまで伝えたかった事とは、何か。

というわけで琉河が予想してみます。
・お湯が欲しいって言ったのになんで干し柿を持ってくるんだよ!腹いせにウンチク
・本多正純とのやり取りで源頼朝の敗走シーンと自分を重ねてしまう
・「上様」ではない(家康の家臣にとっては上様と呼ばざるを得ないだろう・・・)家康の羽織は着れぬと言ってナルシス的な美学を振りかざし周囲を唖然とさせるが、家康が上手くフォローする
でも小早川秀秋を裏切るように説得した張本人、いわば西軍敗北の原因を作った「義」に反する男である黒田長政の羽織は着るという矛盾さ

ざっと、こんなものでしょうか。
他に三成にまつわるエピソードってありましたっけ。それにしても、三成ファンの反感を買いそうですね、このな予想。
でも考えてみれば、逃げずに敢えて捕縛で恥目を受けるという手段を取った三成にはどうしても諸侯に伝えたい己の美学があったのでしょうね。洞窟で正座しているシーンが何とも。
「なぜ義が負けるのだ!」
と叫んでいた三成。皆が皆、三成と同じ方向を見つめているとは限らないという事実に気づけなかった三成。人の価値観なんて十人十色。秀吉が生前、三成に
独りよがりな奇麗事だけを言っていても世の中は定まらぬ。奇麗事を言うにはそれを実現させるだけの力が必要である。奇麗事を実現させる事が出来なければ、ただの理想論になってしまう。奇麗事を実現する事が出来ないのならば、他人を理解する事から始めよう
と口がすっぱくなるほど言っていれば、三成は勝てたのかもしれません。
元々、家康の方が違法性が高いわけだし。
おそらく、琉河はこの人の考えを一生理解する事は出来ないと思いますが、このように最期まで己の美学を貫き通す生き方もあったのだということは頭の片隅で残っていると思います。

原作での関ヶ原の戦いシーンってどの程度だったのでしょうか。琉河は、正直もっとショボイ合戦シーンを予想していました。それこそ「利家とまつ」並みのショボさを予想していたのですよ。今回ばかりは良い意味で期待を裏切ってくれました
どのくらいの満足度かと言うとあの某ノート映画の結末と同じくらい良い裏切り方でした。話が逸れてしまいましたが、まずまず満足の関ヶ原の戦い。何なら前編・後編で分けてじっくりと描いてもらっても良かったぐらいですよ(笑)

来週のタイトル。「三成死すとも」って・・・。その後に「自由は死せず」とか続くんじゃなかろうね・・・。



※1「NANA2」現象…「NANA」の続編製作が決定した途端に、主要人物の宮崎あおい、松田龍平、松山ケンイチが次々と降板。松田龍平はともかく、宮崎あおい、松山ケンイチは「NANA」のおかげで知名度がアップし、この作品から沢山の恩恵を授かっていたはずなので、製作陣からみれば裏切られた気持ちであっただろうと推察される。中島美嘉さんも宮崎さんの降板を聞いて「NANA2」の大ゴケを予感したという。余談だが、彼女が本当に降板して欲しかったのは宮崎さんではなく「ド新人のクセに」いきなり大ヒットを飛ばした伊藤由奈さんではなかったか。


27 コメント

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Unknown (チエリ)
2006-11-05 22:20:44
番組冒頭で家康と三成との三人トリオ扱いだったのはとっても謎。
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こんばんは♪ (ミチ)
2006-11-05 22:57:16
「NANA2」現象、いいえて妙ですね~。
「1」で止めときゃいいのにと思っていたのですが、案の定・・・。
って、大河の話じゃなくてスミマセン~(笑)
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主役の特権!凄い面子です (琉河岬)
2006-11-05 23:17:22
チエリさん、こんばんは!

大して活躍していない(失敬)一豊がキーパーソンの如く、真ん中にいたのにはびっくりしました。主役の特権ですよね。本当の意味で真ん中に写真パネルを持ってくるのは小早川秀秋ですよね~。
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芸能ネタでスミマセン (琉河岬)
2006-11-05 23:20:43
ミチさん、こんばんは!

私のミーハーなネタに触れてくださってありがとうございます。宮崎さんの降板情報を聞いて、真っ先に思いついたのが「小早川秀秋の寝返り」だったもので・・。ついつい、記事にしてしまいました。
楽しんでいただけたら幸いです!
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Unknown (Unknown)
2006-11-05 23:32:44
NANA2現象。。。笑える。。。(笑)

ごめんなさい。今回、琉河岬さんの記事で一番
気になってしまったのは、
>某ノート映画の結末と同じくらい良い裏切り方でした。
↑ここここ。

これから見に行くんだけど~。。。これは良い評価と
受け取っていいんですよね~
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上のコメ (くう)
2006-11-05 23:34:28
自分の名前入れるの忘れちゃった。
くうでした♪
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NANA2… (もちきち)
2006-11-06 00:02:18
最後の「伊藤由奈さんではなかったか」のところに
爆笑しました。多分、いや絶対そうでしょう。

本編では黒田長政の兜に爆笑しました。
アレって罰ゲームで被ってる訳じゃないんですよね?
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Unknown (kiriy)
2006-11-06 08:15:16
おはようございます。
>いっそのこと小早川秀秋役をロンブー田村亮にした方が良かったような。
それも、面白かったような気がしますね。でも、この先、彼、何かの役で出てくると思いますよ、確か。

>お前は「八代将軍吉宗」の江守徹か!
このスタイル、どこかで見たと思ったら、そうでしたね。思い出しました。すっきりできて良かったわ。
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こんにちは~ (さくらこ)
2006-11-06 09:06:00
全ては三成の人徳の無さ、融通の効かない事が招いた結果だったんですね~。
小早川や島津が総攻めの時ちゃんと動いてくれてたら、歴史って大きく変わってたんでしょうか。
自信満々な表情を見せていた三成から敗走するシーンへと変わっていく様が哀れでした。

NANA2製作側もいとあはれなり。
続編、2、って難しいですね。
小早川の話題からここに持ってく琉河岬さんに
です。
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こんにちはぁ☆ (bluestar1719)
2006-11-06 13:18:03
こんにちはぁ☆
cocktail-lightのbluestar1719です。
いきなり三宅アナが出てきたので
「その時~」か「堂々日本史」が
始まったのかと思いました(苦笑)
ま、布陣の模型があればわかりやす
いですけど・・。

http://tb.plaza.rakuten.co.jp/bluestar1719/diary/200611050001/dc043/
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