必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

【風林火山レビュー】逆襲!武田軍

2007-07-22 20:57:08 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

まずは・・
真木よう子さん、ピンクレジット昇格、オメデトウございます!
琉河は真木さんの存在を知ったのはバトルロワイヤルⅡ。この映画では共演の加藤夏希さんの存在に隠れて、あまり目立つシーンはありませんでしたが、それから早4年。
遂に大河でピンクレジット。長い道程でした。
(琉河は大河ドラマのクレジットを『役者の格』を考える指標の一つとして捉えています)

で、本筋。
板垣・甘利の重臣を失った武田軍はひとまず上田原から退陣。
勘助は由布姫の許へ。
晴信は帰還後、ママンの許へ。
ここでママンから情け深い説法を頂きます。
「板垣・甘利は死を持ってそなたを諌めたのじゃ。皆、そなたを信じたいのですよ」
ママンの言葉に思わず涙する晴信。
ようやく
自分が間違っていた
と気づき三条夫人に語る晴信。
このシーンをもって晴信のブラック化は沈静化したのかな。
でも「太郎にも伝えていかなければ」という言葉が引っ掛かりましたが・・・。
ま、この展開はまだまだ先ということで。

で、小笠原と高遠のやり取り。
コントみたいで笑えました。
特に将軍・今井朋彦。ダメすぎて笑えます。
それでもって、上杉祥三。その目をひん剥いて面白顔した演技は飽きません。
ポスト斉藤洋介(琉河が勝手に決めました)として、これからも頑張ってください。
それにしても
高遠「おのれ~、おのれ~、おのれ~」
の悲しい悲鳴の後の
アンタ、何回『おのれ~』と叫べば気が済むの
ツッコミは良かったです。素晴らしいオチでした。
さようなら高遠頼継。
あなたの存在は多分、来週には琉河の記憶から消えている事でしょう。

こうして塩尻峠で大勝した晴信。
人は城、人は石垣、人は掘、情けは味方、仇は敵なり
板垣の幻影を見るに当たり、彼にようやく贖罪の刻が訪れました。


次週、越後の長尾景虎が何かをやってくれる様子です。
しかしね
みんな口を揃えて「長尾景虎」と呟いていましたが、そこは違うだろ!
次回は、VIP待遇の緒形拳さんが満を持して登場するんですよ。
ここはGacktさんも含めて
大物俳優・緒形拳(こぶし)様
と言わせるべきだろ。
何せ、(ある意味)一番天下に近いのは緒形さんだからね。しかもこのお方には金が掛かってるんだ。
ちなみに緒方じゃないぞ。緒形だぞ。
武田も今川も村上も北条も長尾も、みんな丁重にもてなせよ。
ついでに西田尚美さんも初登場!
好きな女優さんなので期待大です。

で、琉河の希望。
YOSHIKIさんにゲスト出演して欲しいです。
Gacktさんとのガチンコ勝負が見てみたいのですが。

 


「風林火山」で田辺誠一さんが演じる小山田信有を応援するクラブに参加しています。(バナーをクリックすると詳細をご覧いただけます)


【風林火山・レビュー】勘助討たれる

2007-03-04 21:33:02 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

前回の続き。平蔵の放った矢が勘助を窮地に陥れる事に。
やっぱり、何の役にも立たなかった平蔵の行為。それどころか逆効果・・・。
見事な勘で矢を打ち払った板垣。
「もはや、ここまで」
と悟ったのか、晴信の前に姿を現す勘助。
彼は策士としての限界を悟っての降伏か、それとも親友・平蔵を庇う為に自ら姿を現したのか。彼の本心はいかに!?

そして、見事に余計なことをしてくれた平蔵ちゃん。彼は腰を抜かして動けませなんだ。
お~、このヘタレキャラ、どこかで見たことあると思ったら、「ギャルサー」の恋がしたい!と叫んでいた本官だ!「ギャルサー」では藤木直人さんもアレな役だったから目立ちませんでしたが、今回は勘助が凛々しくれ精悍なだけにダメッぷりが目立ちますよ
でも、琉河はこういうダメキャラが実は好きなんですよね~。このキャラ付けで最終回まで生き続けて欲しい。変にキャラが変わって最終回間近で死亡とかにならないで欲しい。(そういった意味では「功名が辻」での六平太は、本当に勿体無かった)

勘助は「武士としての最期」を遂げられなかったことに無念を感じた様子。彼の辞書には「命あっての物種」という言葉はないでしょうね。

見事、城を落とした晴信は甲斐に凱旋。
そして晴信のやる事成すことが気に入らない信虎は屁理屈で晴信を傷つけます。今回は特に気に入らなかったらしく、その嫌味もいつも以上に長かったです。
「なに~、ほおむったぁ・・・(中略)・・・おのが首がふぬが~っ!!!!」
と叫んで、扇子で晴信を打ちのめす信虎。それに対して、孫子の兵法で父に弁解する晴信。
そろそろ、このオッサン何とかしたれよ。大井夫人の何ともいえない表情が全てを物語っていました。(このシーンは興奮した演技で仲代さんがぶっ倒れないか心配になった)

場面は変わり。
勘助と分かれた平蔵は道中、ぶっ倒れて謎の女主人に拾われる事に。
そしてある日、女主人は言いました。
「平蔵は面白い、それだけじゃ」
いや、だから平蔵は面白いキャラだけで十分だと思います。本官の姿でパラパラを踊って下さればもう十分です。その平蔵と絡むのは水川あさみさん。この人が演じるキャラはまだ良く分かりませんが、とりあえず琉河は水川さんを見ていると、かつて中谷美紀さんが主役を務めていた「R-17」を思い出します。この思い出話は次週以降でじっくりと。

年が変わり、晴信の妹、禰々が諏訪家に嫁ぐ事に。
その妹を演じるのは名前とは反対に幸薄そうな役が多い桜井幸子さん。で、野島伸司の姿はどこですか?

そして今回は「風林火山」の真のヒロイン由布姫も登場!
やっぱり、見たことがない顔。柴本幸ってだれやねん!柴咲コウをキャスティングしようとして間違えて柴本さんをキャスティングしてしまったとか、そういう不祥事があったんじゃなかろうね。
と思っていたら!な、なんと由布姫を所望する信虎!
「由布姫はさぞかし良い音色を奏でてくれそうじゃ」
うげっ。
頼むから、もうキモイこと言うの止めてくれ。もう、信虎は視聴者にネタを提供する為に存在しているとしか思えません。そのキモおぞましいキャラは何ですか。
仲代さん、いいの?
そんなキャラでいいのか?
いくら、インパクトの強い悪役キャラを演じたいからといっても「すぐ裸になりたがるエセDJ」のインパクトは超えられませんよ!

由布姫の父親である諏訪頼重役には小日向文世さん。ここ最近味のある演技で人気も高く、役者として高値安定している俳優さん。
実はこの人、オレンジレンジの「花」という歌のPVクリップに一瞬だけ登場するんですよね。
PVクリップ自体が映画とリンクしていて中村獅童さんと竹内結子さんの映像が沢山出てくるのですが、脇役では小日向さんだけ、しかもサブミリナル効果みたいな感じでチラッと映ってるのです。なんでここで小日向さん!?一瞬、チラリと小日向さん。中村嘉葎雄でなく小日向さん。そして笑っていないのに笑っている小日向さん。カラオケで歌っていると思わず吹いてしまいます製作陣は狙って作ったのか!?真面目な歌なのになんで小日向さんをオチに使ってんだ!すっごい気になります。機会がありましたら、ぜひご覧下さい。
ついでにカラオケ関連でもう一つ。
ご存知の方も多いと思いますが、ある機種では「新撰組!」のテーマ曲が入っています。琉河はカラオケに行く度にそのページを何回も見て、入れようか入れまいか迷うのですが結局一回も歌った事がありません。ブログでは偉そうにウンチクを垂れていますが、リアル世界では物凄い草食動物なのです。ギャグなノリで歌を入れることが出来るキャラではないのです。例えば、倖田來未では「夢のうた」は歌えても「キューティーハニー」なんて絶対に歌えません。
ひたすら、無難(?)な歌を入れることしか出来ません。
ということで「ベイビ~、悲しまないで~」なんてガラにもない歌、歌っている場合じゃないだろって心の中で一人ツッコミをしているのが現状。「新撰組!」のテーマ曲、歌った事がある方は是非ともご感想をお聞かせ下さい。(笑)

そして、武田家はいよいよ新しい嵐に立ち向かおうとしています。
発端は変態オヤジのこのセリフ。
「とにかく何度でも信濃へ出兵するぞよ。そして晴信、アンタは駿河に行け(そして二度と戻ってくるな)」
きたぞ、きたぞ!はっ、はっ、はっ!やりおったわ、信虎め!
自ら墓穴を掘りおったわ!
窮鼠猫を噛む。信虎は晴信の器量を完全に誤りましたね~。
ようやっと、この変な眉毛のオッサンに天罰が下ろうとしています。
でもはっきり言って追放だけでは生温い気がします。手に届くところに信虎を置いておき、機を見計らって毒を・・・という事は考えなかったのでしょうか。そこが信虎と晴信の「情」の違いでしょうか。

次回、晴信謀反。
果たして晴信は信虎の家臣を説得しクーデターを成功させる事が出来るのか。それとも敗れ去り、駿河に逃れる事になるのか。最悪の場合、テリー伊藤みたいな最期も予想されます。
来週以降、非常に手に汗握る展開になりそうです。



↑よろしかったら、クリックを。
仲代さんとは「華麗なる一族」繋がりの木村拓哉さん。彼もいつか武田信虎を演じる日が来るのでしょうか?


クレ戦記 ~アクセス研修の章~

2007-02-17 00:32:46 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

今日というか16日の金曜日、会社でパソコン研修がありました。
強制参加でマンツーマン方式です。
講師は社内のITシステム課の方々。

そこでアクセスの操作方法を学びました。
朝の9時から22時まで。当然、昼休憩や一服など小休憩はあったものの、一日中パソコンに向かっていてグッタリしました。

でも、アクセスという代物はうまく使えば大河ドラマクレジット作成に使えそうな気がしました
もっと操作方法を覚えて、出来上がったクレジットをエクスポートすれば、そのまま貼るだけ。
その他にも機能を使って
「ほう、トメが一番多いのは○○か」とか
「あれ、この人は連名からピン表示になったのか!」
などと自分で作成しておきながら、一人でブツブツと盛り上がる事も出来そうです。
で、アクセスのソフトを下さいとお願いしたら断られました。
買うのも勿体無い気がするし、どうしましょう。





さあ、週末ですよ~!
休日出勤の方はお疲れ様です。
お休みの方はスイッチオフで休日を満喫して下さいね。


【功名が辻・感想レビュー】永遠の夫婦

2006-12-10 22:07:31 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

遂に今夜が最終回となりました、この「功名が辻」。

今回は歴史トピックス云々より
どのようにして物語を締め括るのか
その一点に集中してドラマを鑑賞しました。

まず冒頭。病に倒れた一豊様の許になんと徳次郎が復活!この人の存在、すっかり忘れていました。
徳次郎改め、徳心斎の役割は一豊の御典医ということで宜しいのでしょうか。
この役は湘南の方が感慨深さが出て良かったように思えました。いきなり新キャラが出てきてアレコレ一豊様の容態を語られても、何の感慨も沸きません。

その後、何とか一豊様は容態を持ち直した模様。
と、ここで懐かしい人物が!
そう、あの堀尾吉晴
中村一氏の死後、中村家が大騒動に。
一氏の子、一忠は松平の称号をゆるされて、秀忠養女を娶っていました。しかし素行が悪く、諌めた家老を斬ってしまった為に中村家は分裂。
一豊に中村家騒動鎮圧の兵を出さぬかという誘いに来たのでした。
アンタはそれよりも娘の体の心配を・・・!すぐ側にキリちゃんがいるのに。残念なニアミス!
あっ、スイマセン。また脱線してしまいました。

それにしても男の友情について語るシーンであるはずなのに、千代がしたり顔で
「山内家は兵を出しませぬ!辛い思いをしてやっとのことで土佐を平定し(以下略)」
と述べるシーンはどうかな~。
かつて、武田家滅亡のお祝いに光秀が
「我々の苦労が実りました」
と余計な事を言ったばかりに信長に折檻を喰らっていましたが、このシーンはそのまま、「千代=光秀」「一豊=信長」にリンクするような。
ここばかりは
「うぬが何をした~」
と一豊が千代を叱り付けても良かったのに。
一豊・吉晴・一氏の間には、千代には見えない深い絆があったはず。千代は一豊様の動向を見守るだけで良かったような。結局、千代の決断により中村家騒動に山内家は関与せず。

ちなみに中村家はこの後、1609年に一忠が死去し跡継ぎがいなかった為、改易されます。
堀尾家については吉晴が1611年に死去。(なんで、このシーンがスルーされたんでしょうか。謎です)。1633年に3代目の忠晴が跡継ぎが無いまま死去。結果、改易となります。

場面は移り、一豊様はとうとう、この世を去りました。享年61。
お決まりの回想シーンはあったものの、案外アッサリしていたように感じました。
インパクトから言うと、淀お嬢様と家康の最期の方が大きかったです。
でも2人だけのシーン、派手さは無かったけれども「2人で助け合って生きてきた」という思いが伝わってきて良いシーンでした。

そして時は流れ-
出家した3人の未亡人の邂逅シーン。
あっ、何だかデジャブが。
この後に、一豊・吉晴・一氏・六平太・秀吉・信長の変な舞踏シーンがなくて良かったです
時代は徳川豊臣、最後の対決が控えていました。
後半は一気に主役が家康と淀お嬢様に変わりましたね。
千代は一豊の死後、京に移っていましたが、まさか高台院のパシリになるとは。
結局、大坂の陣始まっちゃうけどね。千代さん、無駄足でした。

それにしても、淀お嬢様のご最期、インパクトありすぎ。
大野治長に刺されて死亡!しかも治長役の人、大谷吉継じゃないか。役者の使い回しは良くないぞ。驚きの連続だよ、オイ!
ともかく
「て、天下・・」
と言い残して、淀お嬢様の野望はここに潰えました。永作さん、最後までグッジョブでした。この功名が辻で永作さんの事が好きになりましたよ。
続いて無駄にイケメンな秀頼も死亡し(最終回にしては新キャラが多いですね)豊臣家は滅亡。

そして、豊臣家を滅ぼした家康もその一年後死亡!
なんでしょう。このインパクトあり過ぎな臨終シーン。中村梅雀が良い味出してるんだな、コレが。そして、何と言っても西田敏行の異様な存在感。戦国最後の勝利者だけあって、見事な臨終シーンでした。無駄に徳川御三家を揃えるとは。さすがは寄り道が好きな大石さん。ちなみに、井伊直政は前回で天寿を全うしているので(説明すらありませんでしたが・・・)出てきません。代わりに無駄に爽やかな本多正純が直政の代わりを務めていましたね。

こうして「戦国」という時代は終わり、千代は旅立ちます。
一豊と過ごした「永遠の時間」の想いを胸に。
2人の心に刻み込まれた様々な永遠の時間。
永遠の時間とは、何年立っても、お互いが歳を取っても、過去や未来を越えて昨日の出来事の様に思い起こす事が出来る特殊な時間のこと。
若き日の一豊が千代の前に現れます。いつもは千代に頼ってばかりの一豊様でしたが、この時ばかりは頼もしげな一豊様。千代も嬉しそうに彼の背に。
1617年、千代は一豊の許へ。享年61。

一豊との出会いのシーン、仲間さんと上川さんに撮り直していましたね。変に凝ってなくていい演出でした。
その分、ラストのおんぶシーンには何だか知らないけどウルッときました。
少なくとも去年のトンデモ最終回よりは良かったです。
変に凝らない、シンプルな演出が功を奏したと思います。

最後に-
今まで、私の記事にコメントやトラックバックを下さった皆様。
本当にありがとうございました。
コメントを頂いたことで、レビューを書く上でとても励みになりましたし
トラックバックをしてくださった方の記事には勉強させて頂く事が多かったです。
上手く書けませんが、大変嬉しかったです。
また気が向きましたら、このブログを覗いてやって下さい。
再度申し上げますが、本当にありがとうございました。


【功名が辻・感想レビュー】功名の果て

2006-12-03 21:53:49 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》
一領具足に対する対応の意見の不一致により、熟年離婚の危機を迎えてしまった山内夫婦!
今回は、その夫婦の『それから』が描かれました。

OPクレジットで六平太と新一郎のテロップがあったので、「なんだろう?」と思っていたら、死体のシーンでの登場でした。クレジットVIP席も空欄だったので、六平太のテロップをそこに表示すれば面白かったのに。

前回に引き続き、一豊様に罵詈雑言を浴びせる千代。
「京より拾を呼び寄せよう」
と言い、何とか千代の機嫌を取ろうとする一豊。
千代はその後、新右衛門の許を訪ねますが、そこでも千代の意見は反映されず。新右衛門はあくまで一豊の肩を持ちます。(主君と一緒に泥を被るつもりでいますから当然なのですが・・・)
「それがマツリゴトか・・・」
と言い残し、千代は山内家を去ります。

そんな千代の許を訪れたのは、な、なんと
き、キリちゃん!
室井滋はどうした?ん?
と思っていたら、拾でしたか。(ワザとらしくてスミマセン
拾は山内家を去った後、湘南という名をもらい立派な僧侶として暮らしている模様。
キリちゃ・・、じゃなかった湘南と暮らし始める千代。まだ心の傷は癒えません。そして、そんな母に湘南は
「自分の犯した罪を嘆き、最も悩んでいるのは父上ではないか」
という様なことを告げます。おお、千代ですら理解できなかった事をあっさりと、さり気なく諭します。さすがは15歳で(以下略)。

そ、そしてあの黒田如水が登場!
秀頼の誕生と共にひっそりとフェイドアウトかと思っていましたが、こんな大役が残っていたとは!さすがは寄り道が大好きな大石さん。よくやってくました。
もうね、最終回間近までも播磨灘物語を引っ張ってくるとは思いもよりませんでした。
そして何故か反徳川の危険人物となっているクロカン。なんて素敵なダーティヒーロー。伊達や島津を差し置いて黒田如水が反徳川の最重要事物になっているとは!さすがは豊臣家の大参謀。
世の中のクロカンファンとモアイ斉藤洋介ファンには涙が出るほど嬉しいサプライズではないでしょうか。
なんでもこのドラマの世界ではクロカンが島津、加藤清正、長宗我部らと手を組んで大乱を起こそうと企てていたそうです。さすがは現在の某人気脚本家と一字違いのニックネームを持つ軍師様。注:黒田官兵衛のニックネームは琉河が勝手に決めました物凄い企画力です。どうせなら、ウソでもいいから空いた左手で何か仕出かして欲しかったです。
ところで、井伊直政はタフですね~。鉄砲傷はもう癒えたのか?

一方、土佐では一豊が仮病を装って千代を城へ迎えます。
そして、いつの間にか仲直りをしてしまいました。
「ひどい!」
とキリちゃんが言っていたのが何だか笑えました。
ともかく、この一騒動のお陰でこの2人はケンカしたけど仲直り!という結末に収まりました。
先週、物凄い勢いで一豊様に罵詈雑言を浴びせていましたが、案外簡単に元の鞘に納まりましたねぇ。やはり、時間が足りなかったのか。

それよりも高台院様は悲しいことに痴呆が始まってしまった模様です。
「あの人が死んで10年
あまりの悲劇に訂正もすることが出来なかった千代。これってワザと大石さんが言わせているんですよね?勘違いじゃないですよね?夫を亡くしたショックで時の流れが感じられなくなってしまった妻の悲劇を表現しているのですよね。全く持って、大石さんの脚本の深さには感心させられてしまいます。
そして大坂城は淀殿の思うがままにされてしまいます。あの猛将、福島正則ですら片桐且元みたいな役割を担わされてしまっています。
この淀殿の顛末は次週語られる様子です。

さて、次回とうとう最終回。
家康は嫡男・秀忠に将軍職を譲り、立場が危うくなった豊臣家!
さあ淀殿、そんな家康の仕打ちにどう出るのか!
そして視聴者はもう一度、徳川家康のピンクフンドシを見ることが出来るのか!

倒れた一豊様が最期に千代に託した言葉とは!?
全ての収束は「永遠の夫婦」にて。

【功名が辻・感想レビュー】種崎浜の悲劇

2006-11-26 21:16:00 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

前回に引き続き、山内家と一領具足と長宗我部遺臣団の抗争のお話がメインであった今回。

前回のラストで渡辺哲とバーチャル文乃に討たれた千代・・・。
と思ったら、実は討たれていませんでした。
なんなんだ、そのフェイントは!?
渡辺哲を処刑台に送る為の方便でしたか。
それにしても千代様が無傷で何より

今回は、千代を文字通り陰から支えていた「義」の男、六平太が死亡。
決して奇麗事は言わず、黙々と自ら泥を被ってまで山内家の安泰を考えての最期。本当に立派でした。
俺の仕事は終わった・・・(中略)千代、これでお前も安泰だ・・
えっ!せっかく生き残ったのに・・・。
甲賀者は影に生き、影に死ぬ
カッコイイ!カッコ良すぎるぜ、六平太。はっきり言ってクサイ台詞だけど、六平太にはよく似合う。しかも、一回目で出てきた鉄砲玉が伏線になっていたとは!
意外だ!意外だ!意外だ!
やられた、やられた
この一連の場面で琉河の堤防が決壊しました。

これは反則技ですよ。
香川照之さん、いいお仕事でした。お疲れ様でした!
さようなら、六平太。
(でも、「千代が好きだ」は余分だったかも。竹中半兵衛と被った)

もう今回が最終回でいいよ。もうね、何だか主人公が死んでしまったような感覚なんですよ。この喪失感は何でしょう。
本音を言えば、彼には一豊死後も千代を支えて終生彼女の側で生きていて欲しかったです。

それが種崎浜での事件を痛み分けにするための役割として死んでしまうとは・・・。
ハンムラビ法典に則った「目には目を」の精神を貫かなければ、視聴者の反感を買ってしまうとでも製作者は思ったのでしょうか。
六平太が相手に対して損害を与えた分だけ、彼は同じだけのもので償わなければならない。そうしなければ言っても分からぬ者達からの苦情があぁ~、とでも大石さんは考えたのか。
(あくまで例えですので、「身分によっては同害報復は履行されなかった」というような批判はご遠慮下さい)
それならそれでいいのですが、その役割を六平太に負わせるとは、何ともムシのいい話というか、単純と言うか・・・。
史実通りに家臣の提言を採用し、一豊が指揮を取って反乱分子を始末したという展開で良かったと思いますよ。主役(もしくはそれに該当する人物)には「汚れ役」をやらせるわけにはいかない、という不文律はいつ頃から出来てしまったのでしょうか。

良いじゃないですか、一豊には大名としての器量が並かちょっと足りなかったので、他に良い方法が思いつかなかった、だけど責任持って一豊自らが指揮して始末します!という展開で。

彼は織田信長ほど冷徹な人物ではなかった為「逆らう奴は皆殺し」と割り切る事は出来なかったし、豊臣秀吉ほど知略を持っていなかったので「うまいこと武器を取り上げて相手の牙を抜く」ことも出来なかったし、徳川家康ほど人心掌握術を心得ていなかった為「懐柔して山内家への忠誠を確固たるものとする」ことも出来ませんでした。
反乱分子を改心させて忠誠を誓わせる事も、無力にする事も出来なかったので、仕方無しに虐殺しました。だけど、それが徹底していなかった為、大坂の陣では豊臣方に呼応する長宗我部遺臣団が出てきてしまいました。要するに土佐での治世が中途半端に終わってしまった一豊、ちょっと残念な人生でした。でも、中途半端な能力しか持っていなくても一国一城の主になりましたよ!めでたし、めでたし~。
という描き方でも琉河は全然、構わなかったのですよ。この考えは少数派ですかね。別に「一豊や千代は血を見るのが好きな性格なので、好んで虐殺という手段に出た」なんて思わないのに。そこまで自信がないのか、大石さんは。
しかも言い訳じみたセリフ
後々の世まで言い伝えられる・・・云々
どえらい予防線を張りましたね。というか、この一豊と六平太のやり取りは司馬遼太郎っぽいな。司馬大先生なら、このくらいの捏造はやりそうだ。

しかもその後、一領具足の始末を決意した旨を千代に告げるときに、一豊が敦盛を舞うシーンは原作通りですか?まさか、年末の特番スペシャルを意識してのことですか?もう産経新聞を味方に付けたいという魂胆が見え見えです。あっ、口が滑りました。磔だけはご勘弁を!
冗談はともかく、おそらく一豊はこの時、織田信長の長島一向一揆や比叡山焼き討ちを意識していたのでしょうね。

原作ではどういう展開になっているかは知りませんが、六平太だけではなく祖父江新一郎までもが死亡してしまったことが不思議で仕方がありません。というのも彼は実在の人物祖父江一秀がモデルになっていると、ずっと思っていたからです。ちなみに祖父江一秀という人物は生没年は不詳ですが、大坂の陣までは生き残っていたはずです。それを、ここで死なせてしまうか~!?そこまで、お涙頂戴展開を狙っているんですか。その為に、前田吟さんの出番を今まで残していたのですか。エグイ!やり方がエグ過ぎるぞ。

六平太の願いも空しく、
「暇を取らせて頂きます」
と一豊に言い放ってしまった千代。
六平太の死に動転して頭が回らなくなったとしか思えない、この決断。
まるで坂本竜馬が好きで好きで仕方がない司馬遼太郎大先生の理念を代弁しているようなこの台詞。
一豊様をここまで、貶していいものでしょうか。
六平太と一豊は山内家の為に苦渋の末の決断。それを理解できないとは。
これでは、まるで六平太が千代と一豊様の仲を裂くために死んだような展開ではないですか!

次週、どこかで見たことがあるような少年が登場。
彼が千代に伝えた言葉とは!?

そして何故か反徳川の武将として名前が挙がっている黒田如水が再登場
オイシイ役だな黒田。ここまで厚遇されるとは。
斉藤洋介さんも役者冥利に尽きますね。

ところで、井伊直政の役割は何だったとだろう。
今回の事件の関係者なので、その為に以前から登場させていたのかと思っていましたよ。
その為にわざわざ、怪しい篠井英介さん(褒め言葉です)をキャスティングしたのだと思っていました。それが単に一豊に「土佐を何とかしろ」とせっつくだけの役だったとは。
結局、このドラマにおける井伊の役割とは本多正信みたいな役割だったのですね。

残すところ、後2回。
どのようなエピローグを迎えるのか、楽しみです。


【功名が辻・感想レビュー】土佐二十万石

2006-11-19 21:23:51 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

最終章に入ってから、石田三成の批評ばかりを行っていた琉河でしたが、気持ちを新たにして物語を拝見しようと思いきや!?

まず
「ほほう、今日のテーマは一領具足の反乱(=浦戸一揆)のお話かぁ」
と、この暗いイベントをどのようにして描くのか楽しみにしていましたが、OPのクレジットを見てその考えは吹っ飛んでしまいました。

その理由は・・・
な、なんと、渡辺哲さんのクレジットがVIP席に表示された為!
いくら役柄が一領具足の幹部とはいえ、このVIPな待遇はスゴイ!唐沢寿明北村和夫でさえこの席に座る事は出来なかったのに!
興味の無い人にはどうでもいい事かもしれませんが、クレジットマニアには格好のネタなんですよ、これ。
だってそこ席(曲調が変わって、バックが『お花畑』に変わるところ)津川雅彦江守徹板東三津五郎中村橋之助近藤正臣、そして一時は西田敏行がいた、いわば大物俳優しか座る事が出来ない豪華な席なんですよ
まさか、そこに渡辺哲が座るとは!スタッフは渡辺哲を津川、板東、中村と同列に扱っていると言えるのです!
どうせなら、徳川秀忠役の中村梅雀さんを繰上げ出演させて、穴埋めさせれば良かったのに。それか、新キャラ(天海とか、今更だけど伊達政宗)を登場させて、大物ゲストを放り込むとか。何か手段が無かったのかな~。

おっと、あまりにもマニアックな語りをしてしまったので、話を本編に。って、浦戸一揆も歴史トピックスとしてはマニアックな部類に入るんですよね。
琉河は、浦戸一揆については
「往生際の悪い長宗我部(ちょうそかべって一発変換できないからややこしい)の遺臣団が旧城に立て籠もっったものの城内で裏切りが起きて勝手に自滅した」
というトンデモ知識しか持っていませんでしたが、全く持ってその通りの展開になりました。
まさかその犠牲者に林邦史郎さんをキャスティングするとは思ってもみませんでしたが、見事な殺陣捌きを拝見する事が出来て、何よりでした。

と、ここで琉河の長宗我部氏についての私見を。
元領主、長宗我部盛親の先代、元親(関ヶ原の前年に死没)は文武両道に優れた優秀な大名でしたが、豊臣秀吉と一緒で家督問題で失敗した大名でした。現に元親は重臣・吉良某を切腹させ「七人みさき」の怪談を残すほど、家督問題で一族をグダグダにさせた人物。
その家督問題が起こった発端は元親の長男で跡継ぎでもあった信親が島津征伐で戦死してしまったこと。誰を跡継ぎにさせるかがこの長宗我部家の明暗を分けることになりましたが、結果的に元親の偏愛を受けて跡を継いだ盛親がなし崩し的に西軍に付いて「お家」を没落させたことを考えると豊臣家、ちょっと遡ると長篠で大敗した武田家と通じるものがありますね。
今回、取り扱われた浦戸一揆はそのようなドロドロ状態の中で跡を継いだ盛親への盲目的な心酔と元親の過去の栄光が忘れられない長宗我部家の狂気染みた執念がなせた業といえるわけで、要するに一豊様が貧乏くじを引いてしまったと思うのですよね。この直後に完成された格差身分「上士」「下士(≒郷士)」が出来上がるのも仕方なし。長宗我部遺臣団に力を与えてしまったら、またいつ反乱を起こすか分からないからね。それほど、長宗我部の不気味な集団は一豊様にとっては驚異的な存在だったのでしょう。

映画「死国」ではないのですが、この時期の四国(特に土佐)は何か不気味な気がする。元親の晩年の愚行もそれまでの人生を考えると「?」ですし、何と言っても盛親は元親の四男なんですよね~(という数字に縁がある)。七人ミサキ伝説といい、浦戸一揆の自滅といい、次週に取り扱われるであろう相撲大会での大事件といい、何か背筋がゾクッとする様な出来事が多いのですよね。
高知出身者の方には不快な表現が含まれていると思いますが、ご了承下さい。幕末~明治期に英雄を何人も輩出した事実は何事にも代えがたい奇跡です。ただ、戦国末期における土佐の気風が不気味だと申し上げているだけです。他意はありません

その他のエピソードの特記事項として、康豊が狙撃されていましたがストーリーの大局には影響無し。
問題は大坂城で「大奥」みたいな展開が繰り広げられていたこと。
高台院からしてみれば、跡を継いだ秀頼はあかの他人なので、秀吉薨去後の豊臣家には興味なさそうです。むしろ、淀殿の方が豊臣家存続に執着し始めた模様。これも先週の三成効果のなせる業か。
「時の流れに逆らってはなりませぬ」
という他人事の様に語る高台院が少し怖くなりました。淀殿に牛耳られてしまったとはいえ、そんな簡単に夫、秀吉が築き上げた天下を家康にくれてやってもいいと考えられるものなのでしょうか。いや~、本当に人間って不可思議なものですね~。

次週、六平太がまさかの・・・。
彼こそ、本当の「義」の武士と言えるのではないのでしょうか。
三成みたいに奇麗事の正論ばかりを述べる事が決して「義」ではない。
彼の勇姿を目に焼き付けたいと思います。
と、ここで小りんが機関銃を持って(まだまだこのネタで引っ張りますよ~。あっ、ウインドウを閉じないで下さい
そして、地味に存在していたクローン文乃の運命は?(謎)

ラスト3回(と言う事は今日がラスト四回。四国にちなんで、このタイミングで浦戸一揆か?)、エピローグに向けて物語が動き始めます。

【お願い】
今回、林邦史郎さんと渡辺哲さんが演じた役名が実在の人物と異なるのですが、これって何か理由があるのでしょうか?もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて頂けますでしょうか。お願いします


【功名が辻・感想レビュー】三成死すとも

2006-11-12 21:44:02 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

昔アラブの偉いお坊さんが・・・
失礼しました。
昔ドイツの偉い軍人さんが、関ヶ原の合戦の布陣を見せられ
「この戦いは西軍が勝って当然!」
と言いました。その軍人の名はメッケル。
明治期に日本兵制の近代化に貢献した軍人さん。
その彼の頭脳を持ってしても西軍の負けを予想出来なかったぐらい、三成は大将としての器・統率力を哀しいほど持ち合わせていませんでした。持っていたのは、マイノリティにしか理解されない己の美学のみ。

そして今回、三成が自害しなかった理由が明かされるかと思いきや・・・
「豊臣家を何卒お守り下さい、と淀様にお伝え下され」
と一豊に語ったのみ。

それだけですか。
大坂の陣の伏線を作る為だけに三成は自害せずに敵の縄目にかかったと言いたいのですか。
結果、淀殿が家康への怨念をたぎらせる事になります。三成の豊臣への忠誠はかなり捻じ曲がった形で淀殿に引き継がれる事になりました。
三成はドラマの中では特に言葉を残すことなく退場。
干し柿のエピソードも無意味に登場していました。とりあえず「やってみた」だけですね。
ただ、良かったと感じたのは家康と三成の対面シーンは異様な迫力のみ。でも、このシーンは役者さんの演技あってのものですよね。

与次郎伝説が出てきたのは意外でした。これでは、まるで三成がとても庶民思いの良い領主に見えてしまうではないですか!ってこれは当然の話で。何と言っても正義のヒーロー(自称)三成の領地ですから。限りなく正しく生きてきた男が良政を敷かないワケがないのですよ。
三成は自分の正しさを信じて疑わなかった男。その正しさを証明する為に「良い領主であらねばならない」という彼の長所といえる信念が実ったエピソードでしょう。逆に短所はその信念を上から見た態度で他人に強要し過ぎたこと。
「ねばならない」「ねばならない」「ねばならない」・・・
この信念が人生最期に実るとは何とも皮肉なエピソードとも言えない事も無いような・・・。
と、ここまで捻くれた感想を書くのもアレなので話題を大坂城へ。

一豊は三成の遺言を伝える為、大坂城へ登城。三成と通じ合っていた淀殿にとっては家康に加担した一豊は敵の一人。当然の如く、顔も見たくありません。
おぉ、ここで再登場しました。「一つ人より力持ち」の侍女!
まだいたのか~。段丈てつをさん。いつの間にか出番が無くなっていた山本梓さんとの待遇の違いは一体!?
彼女の放った一言
「逢いとうない!」
随分、迫力のある台詞でした。

エピソードの面で言えば、黒田長政が自分の羽織を三成に着せ掛けるシーン。
何と、主役の特権で山内一豊が行った事になっていました!
そこまで無意味な捏造を行うのならば、いっその事三成に
夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない
と無意味に言わせれば面白い事になったのに。

論功により、一豊様は遂に土佐二十万石余の領主へ!
遂に一豊様と千代様の功名が実りました!
「千代のおかげで得る事ができた功名だよ
と語る一豊様。慢心することなく、『妻のおかげ』と素直に言う事の出来る性格に好感触です。確かに能力は千代の方が上ですが、「妻の役目は世継ぎを産むことのみ」という感覚が当然のような時代に軍師みたいに助言と言うか、アレコレ口出しをしてくる千代の性格を受け止めることが出来た一豊様に「グッジョブ」と言ってあげたいです。当然、夫を良い道へ導いた千代の知性にも「グッジョブ」と言ってあげたいです。
これで、めでたし、めでたし~。
-完-

と行かないのが人生の辛いところ。
土佐一国の報奨は徳川家康が一豊に与えた試練だったわけです。

次回、見知らぬ土地土佐へ向かう山内一族。
彼らが待ち受けていたのは新たな領主への歓迎ではなく・・・。
そろそろ、小りんがセーラー服を着てアノ伝説の浜で機関銃をぶっ放す時期になってきましたか・・・(泣)
注)小りんは出てきません。念のため。


【功名が辻・感想レビュー】関ヶ原

2006-11-05 21:36:04 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

世の中の老若男女、必ず知っている歴史イベント。
それが「関ヶ原の戦い」。

今夜、いよいよ開戦!
琉河はこのドラマ最大の歴史イベントだと思っていたので、どんな仕様に仕上がるのかこの日を楽しみにしていたわけですよ。合戦シーンは、多少予算をオーバーしても「葵~徳川三代~を超えて欲しいなあと思っていたわけで。

まずは思わせぶりなOP。
いいぞ、いいぞ~!で、このオッサン誰ですか?
何故か、一豊様の写真パネルがど真ん中に。この人合戦で何か功績を挙げましたっけ?これも主役の特権。家康と三成に挟まれる一豊の写真に何か後光が差している様な。これだけを見ると山内一豊という武将が家康と三成に負けず劣らずの武将に見えますね。
そしてまた毛利家か。そんなに毛利家を前面に出すならもう少し、ギャラの高そうな役者さんを起用して欲しかったです。(いっそのこと小早川秀秋役をロンブー田村亮にした方が良かったような。小早川秀秋の人生って、半分ギャグで出来てますし)

まずは一豊様が関ヶ原へ出兵。さて、いよいよ合戦シーンか!?と思いきや。
また出てきたよ、講釈のオッサン。お前は「八代将軍吉宗」の江守徹か!
こんな講釈シーンを入れずに、純粋に物語だけで話を進めて欲しかったです。
で、いよいよ始まった合戦シーン。福島正則の兜に鉄砲が当たり、兵と兵が激突するシーン。これぞ、関ヶ原の醍醐味。血肉湧き踊るシーンだよ!
と思ったら、また一豊様のシーン。だからこの人は毛利監視の為に動けないだろうが。いやいやいや、ヤキモキさせますね。たまらんわ、この緊迫感。決戦が始まるものの、福島正則隊と黒田長政隊は合戦で苦戦。(余談ですが黒田長政役の人は若い頃の陣内孝則さんにそっくりだと思いました)
吉川広家の内応が疑いなしと信じた一豊は家康に加勢を嘆願。願いは聞き入れられ、いざ合戦へ。
毛利が動けなかったのは徳川方の勝利を予想したモロ師岡が毛利隊の先頭で悠々とロケ弁を食っていたから(笑)。それにつっかえて20,000に近い毛利勢と名束正家は西軍に加勢できず。ハイ、残念。
島津は先週、石田三成の自己陶酔ぶりの正義感に辟易して、今度はやり返しに自論を持ち出して三成の要請には応えず。三成方に付いた理由があいまいだっただけに(本当は家康方に付くはずだったけど、徳川方の伏見城の入場を拒否され、やむなく西軍に付いたと言う経緯がある)三成に対する義理も薄かったのでしょうね。

そして正午過ぎ。何故か、小早川秀秋の陣に現れる六平太。まさかとは思っていましたが、黒田長政らの功績を六平太一人が持っていってしまいました~
おいしいシーンばかり持っていきますね、六平太!
そうか、そうきたか。でも一豊を庇って戦死なんてありきたりなストーリーになるよりはマシかと思いました。切羽詰った、小早川は大谷勢に突撃!でました、関ヶ原名物「NANA2」現象(※1)
というわけで、小早川の坊ちゃんも徳川に寝返り、関ヶ原の戦いはわずか半日で決着がつきました。
そして、いつの間にか、ストーリーに置いてきぼりにされた一豊様。彼がこの合戦で果たした功績は琉河には分かりません。何か、手柄でも挙げたのでしょうか。

午後になり、一気に総崩れとなった三成方は敗走。三成は一人、まるでしじんのみたいな山中をさまようことに。フクさんとシュウさんがどこかで見張ってそうな不気味な山中。佐和山城も落城し、行き場所を無くした三成に出来る事はたった一つ!
そうです!家康方に付いた武将に一言物申す事
自害もせずに生き恥を晒してまで伝えたかった事とは、何か。

というわけで琉河が予想してみます。
・お湯が欲しいって言ったのになんで干し柿を持ってくるんだよ!腹いせにウンチク
・本多正純とのやり取りで源頼朝の敗走シーンと自分を重ねてしまう
・「上様」ではない(家康の家臣にとっては上様と呼ばざるを得ないだろう・・・)家康の羽織は着れぬと言ってナルシス的な美学を振りかざし周囲を唖然とさせるが、家康が上手くフォローする
でも小早川秀秋を裏切るように説得した張本人、いわば西軍敗北の原因を作った「義」に反する男である黒田長政の羽織は着るという矛盾さ

ざっと、こんなものでしょうか。
他に三成にまつわるエピソードってありましたっけ。それにしても、三成ファンの反感を買いそうですね、このな予想。
でも考えてみれば、逃げずに敢えて捕縛で恥目を受けるという手段を取った三成にはどうしても諸侯に伝えたい己の美学があったのでしょうね。洞窟で正座しているシーンが何とも。
「なぜ義が負けるのだ!」
と叫んでいた三成。皆が皆、三成と同じ方向を見つめているとは限らないという事実に気づけなかった三成。人の価値観なんて十人十色。秀吉が生前、三成に
独りよがりな奇麗事だけを言っていても世の中は定まらぬ。奇麗事を言うにはそれを実現させるだけの力が必要である。奇麗事を実現させる事が出来なければ、ただの理想論になってしまう。奇麗事を実現する事が出来ないのならば、他人を理解する事から始めよう
と口がすっぱくなるほど言っていれば、三成は勝てたのかもしれません。
元々、家康の方が違法性が高いわけだし。
おそらく、琉河はこの人の考えを一生理解する事は出来ないと思いますが、このように最期まで己の美学を貫き通す生き方もあったのだということは頭の片隅で残っていると思います。

原作での関ヶ原の戦いシーンってどの程度だったのでしょうか。琉河は、正直もっとショボイ合戦シーンを予想していました。それこそ「利家とまつ」並みのショボさを予想していたのですよ。今回ばかりは良い意味で期待を裏切ってくれました
どのくらいの満足度かと言うとあの某ノート映画の結末と同じくらい良い裏切り方でした。話が逸れてしまいましたが、まずまず満足の関ヶ原の戦い。何なら前編・後編で分けてじっくりと描いてもらっても良かったぐらいですよ(笑)

来週のタイトル。「三成死すとも」って・・・。その後に「自由は死せず」とか続くんじゃなかろうね・・・。



※1「NANA2」現象…「NANA」の続編製作が決定した途端に、主要人物の宮崎あおい、松田龍平、松山ケンイチが次々と降板。松田龍平はともかく、宮崎あおい、松山ケンイチは「NANA」のおかげで知名度がアップし、この作品から沢山の恩恵を授かっていたはずなので、製作陣からみれば裏切られた気持ちであっただろうと推察される。中島美嘉さんも宮崎さんの降板を聞いて「NANA2」の大ゴケを予感したという。余談だが、彼女が本当に降板して欲しかったのは宮崎さんではなく「ド新人のクセに」いきなり大ヒットを飛ばした伊藤由奈さんではなかったか。


【功名が辻・感想レビュー】決戦へ

2006-10-29 21:56:01 | 大河ドラマレビュー《功名が辻》

一豊が徳川方に付く事を決意した前回。
「功名が辻」最後のメインイベント「関ヶ原の戦い」がいよいよ近づいてまいりました!

前回からの伏線で千代からの手紙をそのまま家康に渡す一豊様。
これでまず、家康に二心なき事を強調。これは千代の機転です。
そして場面は、有名な小山軍議へ。
おそらく山内一豊という人物を評価する際には必ず出てくるこの小山軍議
琉河はちょっと捏造されてしまうのではないかと心配していましたが、一応はキチンと事実を描いてくれたのでまずまず満足です。
前日の夜、堀尾忠氏が一豊の許を訪れ、吉晴の考えを言います。堀尾家は徳川が西上する際は城を明け渡すと。
そして、翌日。まず、体育会系直球思考の福島正則が吼えます。
そしてその後、一豊が立ち上がり、なんと!
我が城、我が領地。徳川様に明け渡し申す
あれ、パクッたよ、言っちゃたよ、この人。人のアイディアをパクってしまいましたよ。このオッサン。
これです。これなんですよ、大石さんが捏造して一豊様オリジナルの発言にしてしまったらどうしようかと思っていましたが、きちんと一豊様の嫌らしさをセコさを描いてくれて良かったです。
ちなみに一豊がこのセリフを言い放った時の忠氏の顔→「

さ~て、どうやってこのエピソードをフォローするのかと思ったら忠氏の方から
「あの場で意見できなかったのは、僕の度胸の無さのせい。山内様が代わりに言ってくれたのならば父も喜びましょう」
と一豊に言っていました。この一豊パクリ発言事件まで美談に仕立て上げるとは、さすが見上げたものです・・・。あっ、
でもよく見ると-
ああ、忠氏さんの表情が険しい!本当は腸が煮えくり返っていたんじゃないのかな。
あれが忠氏の精一杯の皮肉とも取れますね。この話、大石さん側としては一豊の美談としたいのか、一豊のセコさを強調したいのか、イマイチ意図が分かりません。

一方、千代のシーンでは。
兄上が徳川方についた。これも姉上のお陰ですよ、バンザ~イ
みたいな事を彼女に言っていた康豊。
これは貴重な言葉ですよ。
つまり、千代は最初から一豊に徳川方に付くように操縦していたのですよ。この康豊のセリフが裏付けています。
そうですよね。
いくら千代が「徳川!徳川!」と叫んでも、当主である一豊が決断を下さなければ、家中が分裂する怖れも考えられますからね。康豊は最初から千代の意図を知っていた様子。
え~、つまり。
一豊様は妻と弟からマリオネットの如く操られていた事になると!
「あやつり左近」もビックリです。
なんてこった。一豊様は自分で徳川方に付く決断を下したように思っていますが、それは勘違いで、自分も知らない間に千代に徳川行きの列車に乗らされていたわけなんですね
今まで、ぼやかす程度に千代の夫操縦術をドラマで表現していましたが、今回でいきなり赤裸々に白日の下に晒してしまいましたね~。う~む、いいのかな。

そして先週、少し話題に出てきた毛利家の面々。
吉川広家にモロ師岡・・・。笑えます。「利家とまつ」での貧乏公方様の名演技は今でも忘れてはおりません。
毛利輝元役に津嘉山正種さん。この渋い声は大谷吉継役に活かして貰いたかったです。
安国寺恵瓊役の赤星昇一郎さん。この人、ず~っと前に「ゲゲゲの鬼太郎」で子泣き爺を演じていましたね。
この面子を見て、何だかNHKの予算の限界を感じました。
小早川秀秋役の阪本浩之さん。琉河的には伊藤敦史さんかな~。
関ヶ原で
「ぼ、ぼくはどっちについたらいいか・・・あwせdrftgyふじこ」
と言ってもらいたかったです。

一方の徳川家にも新キャラが。
本多正純役に天宮良さんですか。琉河なら北村一輝さんをキャスティングするけどなぁ。そのぐらいアクの強い役者さんでも良かったと思います。完全に篠井さんにキャラ負けしていますね。
ちなみに榊原康政役の川野太郎さんは秀忠ついているのでこの場面に出てきません。このままフェイドアウトでしょうか。

そして、最後に三成方。
先週の記事で、今回も三成について語らせてもらおうと思ったのですが宇喜多秀家がそのままズバリ言ってくれましたね。
君は正しすぎて、自分の嫌らしさが浮き彫りにされるんだ。しかも、人間は身勝手なものでそのような感情を抱かせる人間を憎むようになる
一言で言うとそういうことなんですが、肝心な部分が抜けています。
アンタだって正論を振りかざしているけど、罪の無い諸大名の妻子を人質にしようとしてたじゃないか
と嫌味の一つでも言ってやれば良かったのです。
敢えて言わせてもらうと、福島らから見れば上記の一件がある限り、三成の方が悪なんですね。なので、三成の正義には共感できるはずがありません。(事実、家康は総大将にも係わらず、諸大名に懇願とも取れる態度を何回か取っています。決して自分自身を「正義だ!」と言って慢心していません。)
どうして福島らが簡単に家康に付いてしまったのかは、そこに原因があると思います。
あくまで私見ですが三成は
秀吉から豊臣家の後事を任された、つまり
自分=豊臣家
という方程式を勝手に成り立たせていたと思います。
そして豊臣家は
豊臣家=偉い!正義!天下人!
であると信じて疑わなかったに違いありません。
よって
自分=偉い!正義!天下人!
という方程式を知らず知らずの間に作り上げてしまっていた節があります。
だから、夜討作戦も秀頼の出陣不可となっても、甘い考えを捨てる事が出来なかったのですね。本気で秀頼を出陣させたら勝てると思っていたのならばヤル気のない毛利輝元を通さず、直接秀頼に謁見して連れ出せばよかったのですというより、秀頼を連れ出すにしては淀殿への根回しが出来ていない。最初から秀頼を出す計画は即興で考えた策であった。
三成の「正義」とは、何度も言いますが、豊臣家への絶対忠誠のみを指していると思います。つまり自分への忠誠。おそらく三成自身が最後まで知らなかった深層心理。
天下人である豊臣家(=自分)は日本最強!だから最強である豊臣家(=自分)に忠誠を尽すのは当たり前であり、勝って当然である
この一種の自己陶酔による状況把握の甘さが三成の欠点だったわけで。福島らは
「自分に忠誠を尽せ」
という三成の深層心理を肌で感じていたのかもしれませんね。先週、琉河が言った学級委員的な姿勢で高みから令を下す態度とはこの事を言いたかったのです。
この自己陶酔振りの正義感は彼の人生最期の場面でも顕著に出てきます。
おそらく、そのエピソードもこのドラマでやってくれると思うのでその時にまた私見を述べさせてもらいます。

というわけで、次回、両軍激突!
最後にノートに名前を書かれるのは誰だ!・・・
いや、失礼。
最後に勝利を手にするのは誰だ!
関ヶ原の合戦が始まります。