一豊が徳川方に付く事を決意した前回。
「功名が辻」最後のメインイベント「関ヶ原の戦い」がいよいよ近づいてまいりました!
前回からの伏線で千代からの手紙をそのまま家康に渡す一豊様。
これでまず、家康に二心なき事を強調。これは千代の機転です。
そして場面は、有名な小山軍議へ。
おそらく山内一豊という人物を評価する際には必ず出てくるこの小山軍議。
琉河はちょっと捏造されてしまうのではないかと心配していましたが、一応はキチンと事実を描いてくれたのでまずまず満足です。
前日の夜、堀尾忠氏が一豊の許を訪れ、吉晴の考えを言います。堀尾家は徳川が西上する際は城を明け渡すと。
そして、翌日。まず、体育会系直球思考の福島正則が吼えます。
そしてその後、一豊が立ち上がり、なんと!
「我が城、我が領地。徳川様に明け渡し申す」
あれ、パクッたよ、言っちゃたよ、この人。人のアイディアをパクってしまいましたよ。このオッサン。
これです。これなんですよ、大石さんが捏造して一豊様オリジナルの発言にしてしまったらどうしようかと思っていましたが、きちんと一豊様の嫌らしさをセコさを描いてくれて良かったです。
ちなみに一豊がこのセリフを言い放った時の忠氏の顔→「」
さ~て、どうやってこのエピソードをフォローするのかと思ったら忠氏の方から
「あの場で意見できなかったのは、僕の度胸の無さのせい。山内様が代わりに言ってくれたのならば父も喜びましょう」
と一豊に言っていました。この一豊パクリ発言事件まで美談に仕立て上げるとは、さすが見上げたものです・・・。あっ、
でもよく見ると-
ああ、忠氏さんの表情が険しい!本当は腸が煮えくり返っていたんじゃないのかな。
あれが忠氏の精一杯の皮肉とも取れますね。この話、大石さん側としては一豊の美談としたいのか、一豊のセコさを強調したいのか、イマイチ意図が分かりません。
一方、千代のシーンでは。
「兄上が徳川方についた。これも姉上のお陰ですよ、バンザ~イ」
みたいな事を彼女に言っていた康豊。
これは貴重な言葉ですよ。
つまり、千代は最初から一豊に徳川方に付くように操縦していたのですよ。この康豊のセリフが裏付けています。
そうですよね。
いくら千代が「徳川!徳川!」と叫んでも、当主である一豊が決断を下さなければ、家中が分裂する怖れも考えられますからね。康豊は最初から千代の意図を知っていた様子。
え~、つまり。
一豊様は妻と弟からマリオネットの如く操られていた事になると!
「あやつり左近」もビックリです。
なんてこった。一豊様は自分で徳川方に付く決断を下したように思っていますが、それは勘違いで、自分も知らない間に千代に徳川行きの列車に乗らされていたわけなんですね。
今まで、ぼやかす程度に千代の夫操縦術をドラマで表現していましたが、今回でいきなり赤裸々に白日の下に晒してしまいましたね~。う~む、いいのかな。
そして先週、少し話題に出てきた毛利家の面々。
吉川広家にモロ師岡・・・。笑えます。「利家とまつ」での貧乏公方様の名演技は今でも忘れてはおりません。
毛利輝元役に津嘉山正種さん。この渋い声は大谷吉継役に活かして貰いたかったです。
安国寺恵瓊役の赤星昇一郎さん。この人、ず~っと前に「ゲゲゲの鬼太郎」で子泣き爺を演じていましたね。
この面子を見て、何だかNHKの予算の限界を感じました。
小早川秀秋役の阪本浩之さん。琉河的には伊藤敦史さんかな~。
関ヶ原で
「ぼ、ぼくはどっちについたらいいか・・・あwせdrftgyふじこ」
と言ってもらいたかったです。
一方の徳川家にも新キャラが。
本多正純役に天宮良さんですか。琉河なら北村一輝さんをキャスティングするけどなぁ。そのぐらいアクの強い役者さんでも良かったと思います。完全に篠井さんにキャラ負けしていますね。
ちなみに榊原康政役の川野太郎さんは秀忠ついているのでこの場面に出てきません。このままフェイドアウトでしょうか。
そして、最後に三成方。
先週の記事で、今回も三成について語らせてもらおうと思ったのですが宇喜多秀家がそのままズバリ言ってくれましたね。
「君は正しすぎて、自分の嫌らしさが浮き彫りにされるんだ。しかも、人間は身勝手なものでそのような感情を抱かせる人間を憎むようになる」
一言で言うとそういうことなんですが、肝心な部分が抜けています。
「アンタだって正論を振りかざしているけど、罪の無い諸大名の妻子を人質にしようとしてたじゃないか」
と嫌味の一つでも言ってやれば良かったのです。
敢えて言わせてもらうと、福島らから見れば上記の一件がある限り、三成の方が悪なんですね。なので、三成の正義には共感できるはずがありません。(事実、家康は総大将にも係わらず、諸大名に懇願とも取れる態度を何回か取っています。決して自分自身を「正義だ!」と言って慢心していません。)
どうして福島らが簡単に家康に付いてしまったのかは、そこに原因があると思います。
あくまで私見ですが三成は
秀吉から豊臣家の後事を任された、つまり
「自分=豊臣家」
という方程式を勝手に成り立たせていたと思います。
そして豊臣家は
「豊臣家=偉い!正義!天下人!」
であると信じて疑わなかったに違いありません。
よって
「自分=偉い!正義!天下人!」
という方程式を知らず知らずの間に作り上げてしまっていた節があります。
だから、夜討作戦も秀頼の出陣不可となっても、甘い考えを捨てる事が出来なかったのですね。本気で秀頼を出陣させたら勝てると思っていたのならばヤル気のない毛利輝元を通さず、直接秀頼に謁見して連れ出せばよかったのです。というより、秀頼を連れ出すにしては淀殿への根回しが出来ていない。最初から秀頼を出す計画は即興で考えた策であった。
三成の「正義」とは、何度も言いますが、豊臣家への絶対忠誠のみを指していると思います。つまり自分への忠誠。おそらく三成自身が最後まで知らなかった深層心理。
「天下人である豊臣家(=自分)は日本最強!だから最強である豊臣家(=自分)に忠誠を尽すのは当たり前であり、勝って当然である」
この一種の自己陶酔による状況把握の甘さが三成の欠点だったわけで。福島らは
「自分に忠誠を尽せ」
という三成の深層心理を肌で感じていたのかもしれませんね。先週、琉河が言った学級委員的な姿勢で高みから令を下す態度とはこの事を言いたかったのです。
この自己陶酔振りの正義感は彼の人生最期の場面でも顕著に出てきます。
おそらく、そのエピソードもこのドラマでやってくれると思うのでその時にまた私見を述べさせてもらいます。
というわけで、次回、両軍激突!
最後にノートに名前を書かれるのは誰だ!・・・
いや、失礼。
最後に勝利を手にするのは誰だ!
関ヶ原の合戦が始まります。
パクリも覚えてちょいワルオヤジになった一豊に感服しましたが、
なにもかも千代に操られているマリオネット一豊とは…やっぱり一豊はどこまでも情けないのですね…とほほ。
通りなんですね。。。
パクられた忠氏くんは、かなり怒っていたように
見えました(^_^;)
でも、あんな風に言うなんて、父に似て穏便なのね。
>三成の正義
正義は必ず勝つという。その理論は実力次第だと秀吉の成り上がり天下取り見て学べないほうが疑問だナァ。
一豊様、パクッて謝罪していても、何だか爽やかでしたね。これぞチョイ悪オヤジの特徴ですね
で、そのチョイ悪オヤジを育て上げたのが千代様と言うわけで。じゃあ千代様はチョイ悪オババになのかな。
>功名が辻でもここまで予算つかうんだ、と思ってしまいました
もしかして、誤解させてしまったのかもしれませんが、私の言う「予算の限界」は褒め言葉です(分かり難い・・・)
マニアックな人選好きなんですよ。赤星さんの安国寺役には爆笑しました。そのまんまですもん。セリフは来週、西軍をじっくりと描いてくれればあると思いますよ。
忠氏さん、「やっぱりこのオッサンに言わなきゃ良かった~」って後悔してますよ、きっと。
福島正則辺りが相手だったら、あの後ケンカになっていたと思いますね
全く仰るとおりだと思います。三成には三成なりの自信があったのでしょうが、実践的でないところが失敗でしたね。慢心があると、なかなか他人から学べないものなんですよね、きっと。
おっしゃるとおり三成の深層心理も、もう少し前面で描写すると、もっとスッキリするのにね。
一豊君のパクリを見て、某漫画家と某シンガーソング
ライターのパクリ騒動を思い出しました。。。
忠氏が裁判に持ち込まなくてよかったです。
堀尾ジュニア、一豊に茂助のアイデアをもらしたことを
後悔しているみたいでしたから、やっぱり腹は立って
たんでしょうね~。