必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

【篤姫レビュー】一本の道

2008-12-14 21:34:26 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

さて、今回でいよいよ最終回です。
さて、しみじみと今までの展開を振り返りながら見るか・・・と思っていたら!

初っ端からやってくれました、NHK!
何故、OPクレジットがスクロール式になっているのですか!!
その表示方法は総集編だけだよ、って暗黙の了解があったじゃないか。
これは驚きです。
どのくらい驚きかというと、「四十七士」で検索すると「ゲゲゲの鬼太郎がヒットされるぐらいの驚きです。
しかもスクロール式の表示方法では不必要なはずの「帯」がいまだに顕在していた事。誰の名前も表示されない帯・・・。みっともないから、それぐらいは消して欲しかったところ。
帯、帯、帯・・・、「帯をギュッとね!」(もうヤケクソです)
後、回想表示はいいのだけど「ここまでが回想の人たちです」という区切りが無かったから普通に「勝海舟=北大路欣也」までが回想だと思いましたよ。(嘘です)
後、回想に「阿部正弘=草刈正雄」がいなかったのは「木戸孝允=スズキジュンペイ」がいたからですよね。草刈さんに気を遣ったのですよね。なにせ、木戸は桂(カツラ)姓を名乗っていましたから。(辛口ですよ
そういえば、バックが青くて篤姫が歩いていく場面で(OPで中間ピングループが表示されるところ)道が光っていましたが、これって今までありましたっけ?最終回だけの演出でしょうか。

で、本題。
小松帯刀が久光を説得して版籍奉還が成し遂げられました。久光さんの出番はここまででした。明治政府で左大臣となり醜態を晒すシーンまでは放映してくれませんでした。いや~、面白い事件なんですけどね~。残念。
そして薩摩から天璋院を訪ねてきたママンと最後までキャラが定まらなかったお兄さん。おもひで酒に浸りながらしんみりと少女時代を思いかえります。

そして場面は廟堂へ。
明治3年時点であの髭が生えている大久保利通
そこは確信犯なのか?あきらかにツッコミ待ちだろう!
ひょっとしてNHK流のギャグなのか?なんでそんなところで茶目っ気を出すのだ?
そりゃ、紅白歌合戦で水谷豊がカリフォルニア・コネクションを歌うはずだ。いや、カリフォルニア・コネクションを歌うと見せかけて、ダニー・カリフォルニア(デスノートの主題歌。何気にこの漫画は2010年に龍馬主役の大河ドラマが放映される事を予言している)を歌うかもしれないぞ!
ともかくこれは由々しき事態ですぞ!!!
そして、大久保が洋装なのになぜ木戸孝允は和装のままなのか?
木戸の衣装を新調するだけの予算が無かったのか?なんでこんなところで「格差」をつけるのかね?これも長州出身者の「自己責任」とNHKは仰りたいのか!(ちょっとウマイことを言ったつもりです)

そうこうしている間に小松帯刀が亡くなりました。享年・36。
西郷、大久保らに活躍の場を与えた点を考えると、人を見る目においては政府の第一人者と言っても過言ではないでしょう。そして何より、このドラマに無くてはならない存在でした。
小松帯刀逝去だけで丸々一話使っても良かったのではないかと思うほど、その存在は大きなものでした。
残された妻についてはその後の人生が描かれていましたが、二号さんについてはその後の言及がありませんでした。なにやら不穏な気配がしますが、それなりに仲良くやったということにしておきましょう。

そして征韓論で敗れた西郷は鹿児島へ帰り、静寛院が天璋院の許を訪れます。ここでまた、回想です。
天璋院の衣装が、肖像画でよく見かけるアレに替わりました。まあ篤姫といえば、この衣装でしょう。
時代は流れ、大久保主導のもと台湾出兵が行われました。展開が目まぐるしいな・・・。面倒なので、何気にオイシイトところを持っていったコロッケについては放置しておきます。ついでにとても70歳近くには見えない滝山も放置しておきます。

そして、明治10年。
西郷が自決。予算はかけれないので切腹シーンのみ。
その翌年、大久保も紀尾井坂で暗殺。テロップでは1879年となっていたので、大久保は1年長く生きることが出来ました。
ともかく2人ともお疲れ様でした。泰造さんは意外に良かったです。冷徹な役も似合うのですね。これからもネプリーグでも頑張ってください。

そして1883年-
天璋院篤姫は49年の生涯を終えました。
とても長生きしたとは言えない年齢ですが、彼女は太く長い一本の道を歩んでいったのでした。
そして、彼女の魂が帰ったところは。
・・・なんと第1話でした。
彼女の壮大な一本道は、時の刻みから開放され永遠に終わる事の無い荘厳なる迷いなき道といったところでしょうか。


篤姫の道は終わりませんが、最終回なので必然的にレビューは今回で終了です。
ほとんど江守と高畑淳子さんの事しか語っていないレビューとなってしまいましたが、読んで下さった皆様には感謝です。
さて天地人のレビューですが、余程の事が無い限り(笹野高史さんがトメになったとか)書く事は無いと思います。
今まで大河ドラマ感想でお世話になった皆様には重ねて感謝の言葉を申し上げます。本当に楽しませて頂きましたし、仲良くしていただいた方々にも感謝で一杯です。どうもありがとうございました!


【篤姫レビュー】明治前夜の再会

2008-12-07 20:50:16 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

江戸城明け渡しにより大奥を追われることになった天璋院ら。当時、大奥にいた女性は1000名余り。職を失った彼女等の運命は!?
と思いきや、みんな落ち着く先が決まった模様です。
ホッとしたのも束の間、次には別離の辛さが待ち受けていたのでした。

天璋院の側近はみんな彼女についていくと言います。
しかし、常磐には「親元に帰って第二の人生を」と、滝山には「嫁いで子を産み家族を持つ素晴らしさを」と告げます。
しかし、滝山はこの時64歳。残念ながら無理でしょう。
あ、でも結婚なら無理ではないかもしれない。ガンバレ、滝山!

そして、遂に大奥を去る日が!
滝山に見送られて籠に乗る天璋院。彼女は一橋邸に移りました。
こうして篤姫の大奥生活は終わりました。
一気に生活レベルが落ちた天璋院一行にさらなる追い討ちが。
なんと徳川宗家の禄が70万石に削られました。いや、70万石でも他大名に比べれば十分多いのですけどね・・・。いやはや、一度贅沢を覚えるとなかなか抜け出せないものですね~。

一方、新政府軍は。
早速新しい政策を打ち出します。それは
版籍奉還!
このドラマでは役柄上、小松が言い出したことにしてありました。この政策により、新政府は大名諸侯から猛反発を喰らうのですが、その顛末は次回に続くのでしょうか。

後日。
小松は天璋院の元を訪れます。
そこで、小松は愛の告白。
「私の気持ちを知っているのならば、その上でお尋ねします。
もし、養女の話が無ければ、私と一緒になって下さいましたか?
来たな、オイ。ながら見していましたが、つい画面を凝視してしまったぞ、おい。
で、それから天璋院が口を開くまでの間。
この間が良すぎた!色々と想像するのに丁度良い時間。やるな、脚本家。
彼女は「夫、家定に相談します」と答えます
う~む、その言葉は予想できませんでした。うまくはぐらかしましたね。
両者の再会は涙を持って締め括られました。


次回、「一本の道」。
一庶民として生きる天璋院。
明示改元間もなく小松が、そして10年後には西郷、大久保ら元勲がこの世を去ります。
そして天璋院篤姫も天寿を全うする時が・・・。
一大ムーブメントを巻き起こしたこのドラマ。遂に最終回です。75分拡大版です。例年の60分拡大とは扱いが違います。
彼女はどのような余生を送ったのか。
どうかお楽しみに!


【篤姫レビュー】無血開城

2008-11-30 20:52:49 | 大河ドラマレビュー《篤姫》
今回を入れて残り3回となった「篤姫」
とうとう最後の大イベント、無血開城の刻がやって参りました。
この「篤姫」。視聴率的にも中盤で弛むことなく突っ走ってきましたが、このまま完走ゴールする勢いです。
こりゃ、来年の「天地人」の関係者はやりづらいでしょうなぁ。
特に主役の妻夫木さん。

で、本題。
江戸城が窮地に追い込まれる中、勝安房守が西郷に江戸城総攻撃を取りやめるよう説得する為に動き出します。
そんな中、前回復活した幾島が京に戻ります。最後に彼女は天璋院に西郷説得のヒントを与えていきました。
それにしても、これで本当の退場でしょうか。最終回あたりにひょっこり出てきそうな感がありますが。

そして、運命の3月14日。(細かい話だけど13日も会談しています)
勝と西郷が会談。
交渉決裂の気配が濃厚となるや、勝は「切り札」を出します。
「切り札」は亡き島津斉彬が篤姫に宛てた手紙でした。内容は篤姫への謝罪と薩摩と幕府間での決裂の懸念。この手紙を読んだ西郷は、斉彬に仕えてきた日々を回顧。
「病人を生かす道を考えます」
これが江戸城総攻撃中止の決め手となりました。
なかなか良い演出だったと思います。全てのキャラクターを立てた、今まで描かれた中で一番気の利いた演出だったと思います。

そして江戸城明け渡しの時が来ました。
勝は滝山に嘘をつかせますが、天璋院はこれを簡単に見破ります。
彼女は素直に城を出ることを決意。
と、ここに家定の姿が!
大河ドラマ伝統の幽霊シーン!キャスト名に“幻影”が付かなかった(平清盛には付いていた)家定が再登場!
物凄く胸に残る言葉を姫に送った家定。そりゃ、泣けるだろう。普通にここは泣くシーンなんだろうな~と。おそらくここが、今回の要なのでしょう。歴史的意義が高い勝・西郷会談イベントですら、数分で済ましてしまった『篤姫』。どこまでも篤姫イズムを貫き通しましたか。
そして天璋院は皆の前で大奥解体を表明。
こうして春日局が造りし大奥は終焉を迎えました。

一方、京では。
勝ち組となった小松を幾島が訪れます。
幾島との会話で篤姫に会う事が楽しみになった小松帯刀。

大奥では退去の準備が進められていきます。
どうにも引越し下手な連中が多そうです。
そんな荷物、新居のどこに置けばいいというのだ。
寄る辺の無い者は、篤姫の斡旋があるとはいえネカフェ難民みたいな状態になるというのに。実のところ、雨宮処凛が取り上げる題材になりそうな「新時代を迎える上での格差社会」をじっくりと描いて欲しかったのですが。桃源郷ドラマである「篤姫」にそれを期待することは無理なようですね~。歴史の闇は描かれず…。


次回、大奥を去る天璋院ら一行。
そして天璋院と再会した小松帯刀が永き想いを告白。

【篤姫レビュー】大奥の使者

2008-11-23 20:59:12 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

幾島、再登場。
記録によると当時、彼女は病の身であったと伝えられていますが松坂さんは元気そのものでしたね。

で、本題。
大奥では本寿院が酔っ払いコントを始めてました。一瞬、志村けんが出てくるのかと思いました。(ついでに柄本明も)
そして唐橋が近衛家への使者として抜擢。中嶋朋子さんの影に隠れて存在感がイマイチであった高橋由美子さんですが、ここに来てようやくスポットが!
ところが京の近衛家では異変が起こっていました。近衛家ではアレな元妻のお陰ですっかり具合が悪くなった小朝師匠に替わって息子の忠房が家中を取り仕切っていました。が、どうにもこの御方は天璋院に協力的ではない様子。
ここに現れたのが、急遽、出演依頼された幾島さん。彼女は動き出します。

一方、江戸では。
榎本武揚が初登場。一人だけ髪形が違っていたので目立ちました。逆に目立たなかったのが、志村東吾さん演じる松平容保。やはり松平容保はイカみたいな形をした黒帽子を被っていないとらしくありませんね。
残念ながら、両者とも見事なまでに勝安房守の引き立て役になっていました。視点が違うと歴史的な知名度と関係なく、長州勢と同様こうも扱いがぞんざいになるのですね。

と語っている間に江戸へやって来た幾島
登場の演出がおかしい。
ここでツッコミを入れたら負けですが、我慢できるか。
なんで雷鳴が轟くのだ?

ともかく、彼女の使命は西郷へ天璋院の思いを届けること。
西郷はこの時、東征大総督府参謀。参謀には他に大村益次郎(長州系)、林玖十郎(宇和島系)らが、そして西郷の上には名前がメルヘンチックな総督・有栖川宮(乙女系)いましたが、実質的には西郷が中心人物となっていました。
幾島は西郷に対面。新政府黎明を背負って立つ西郷と旧勢力を守ろうとする幾島とでは立場が違いすぎました。幾島の涙の嘆願は西郷の心を揺さぶる事は出来たものの、総攻撃中止を決断させるまでには至りませんでした。
西郷は江戸城総攻撃の日を3月14日としました。

幾島は面目ないと天璋院に詫びますが、当の天璋院は「勝がいる」と語りました。こうして彼女の最後の願いは勝海舟に委ねられる事になりました。
天璋院の前向きさは幾島は当然ながら、本寿院の心をも動かした様子。そして、彼女の前向きさはドラマの中だけではなく現実の世界にも希望を与えている事でしょう。そう、3,000万で保釈された元大物音楽プロデューサーの奥様もきっとこのシーンで涙しているはず(このドラマに元気付けられていると週刊誌に書いてありました。どうでも良すぎて逆に印象に残りました)


次回、無血開城。
西郷は何に吃驚していたのでしょうか。
そして天璋院の許にあの方が・・・。


【篤姫レビュー】慶喜救出

2008-11-16 20:46:11 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

徳川慶喜が錦の御旗を見るやいなや、何もかもを放り出して大坂城を脱出した今回。
徳川軍は総大将を失って右往左往する羽目に。水戸家出身の慶喜からすれば、いくら形式上といえども朝廷を御輿に担いだ薩摩には逆らうわけにはいかないわけで。慶喜が取った行為というのは客観的に見れば部下を盾にして一人だけ逃げたヘタレ上司ですが、二代藩主・水戸光圀に繋がる彼の血族を考えると逃げ出さざるを得なかった悲しい性に哀れむ他はありません。
ところで、日曜8時になると何もかもを放り出して、PCの前に齧りつきTVを見ながらひたすら文字を打ち込んでいる姿というのは客観的に見てどうなのでしょうか?

で、本題。
鳥羽伏見の戦いが始まりました。そう、ここで出てくるのは薩摩神拳奥義・錦の御旗!
慶喜は単身、江戸へ逃亡。このシーンではサプライズゲストとして新門辰五郎を出して欲しかったところです。
で、逃げ帰ってきた慶喜は勝に協力を求めますが、勝は「天璋院を頼れ」と一言告げたのみ。
ところが、当の天璋院は唐橋から言われてようやく慶喜を再評価し始める始末。水戸家の家風を理解していない彼女に驚きました。斉昭を懐柔する為に得た知識は全く役に立っていないところが何とも。アレは江守を躾けるた為に片手間で身に着けた知識だったみたいです。
あ、そうそう。本寿院。この人は何もかもが間違っているので放置しておきましょう。

そして遂に訪れた、天璋院VS慶喜!
天璋院は慶喜の為に大奥にやって来たのに、いまや考えの違いから対立する事になった両者。
完全自●マニュアルを片手に大奥にやって来た慶喜に天璋院は
「一人だけ、滅びの美学に酔いしれるな!生きて恥を晒しなさい」
と命令を下します。
そして何とこの言葉で慶喜はアッサリ天璋院に『恭順』。あれだけ怪しい雰囲気を醸し出していた慶喜は、意外にも流されやすい人物である事が発覚した瞬間でした
でも、それよりも気になったのがこのシーンの慶喜に当たっているライトがひたすら暗い事。見事なまでに闇のキャラに仕立て上げられています。しかし、天璋院に『恭順』の意を示した後の慶喜には何故か闇ライトが当てられなくなりました!分かり易い演出に感謝です。
後の流れは、茶番にしか受け止められなかったので、言うべきことは何もありません。

その頃、薩摩では小松帯刀が京へ出立。
しかし京では薩長軍が今にも江戸へなだれ込もうとしているところ。
大奥では、勝がこの江戸総攻めには必勝法がある!と天璋院に宣言。
果たして、勝安房守の必勝法とは?
そして天璋院ら、徳川の女性たちの運命やいかに!?(煽りすぎですかね)


次回、松阪慶子さん大プッシュ!!


【篤姫レビュー】母からの文

2008-11-09 20:47:37 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

「篤姫」の展開よりも、「龍馬伝」で福山雅治さんが坂本龍馬を演じるという事実に興味が惹かれている今日この頃です。

で、本題。
大政奉還を宣言し一大名となった徳川慶喜ですが、石高では当然ながら徳川宗家が日本でトップ。それを良しとしない西郷・大久保らは慶喜とその仲間達を追い詰める強攻策に出ます。
重野は天璋院に小松帯刀を通じて何らかの策を立てるように献言しますが、天璋院は小松の立場を考えて却下。
しかし天璋院は薩摩の情勢を知りませんでした。というのも、小松の立場は薩摩では微妙なものになっていたのです。
病気が理由で薩摩にて待機させられることになった藩家老・小松帯刀。提案した西郷・大久保は表面上は小松を立てていましたが、彼らは単に目の上のたんこぶを窓際に追いやりたいだけの様子。この時点で彼は藩内での発言権は無くなりました。
こうして徳川への武力討伐を願う西郷・大久保が事実上の指導者となり、徳川家VS薩長・反幕派公家連合軍の合戦実現化が絵空事ではなくなってきました。

一方、やることが無くなった小松は天璋院を救う為に奔走。
天璋院の母に彼女を薩摩へ帰るように説得させます。しかし、当の本人は薩摩に帰る気は毛頭無く。というか、何気に城を枕に討ち死にするつもりでいる天璋院。すでに『負け』を覚悟しているような感じすらします。その負のオーラは周辺にも広まり、大奥はすっかり堀を埋められて丸裸になった大坂城状態
BGMも何となく沈んだものになっているし、皆は泣き出す始末。
どう考えても
「薩長が押し寄せてきたら、なす術も無くそれまでです。徳川軍は勝てません」
と言っている様なもの。軽くネタバレですか(笑)
今回、気になったのが高橋由美子さん演じる唐橋。キャラがショムニの時と同じ感じになってきたような。唐突に発言し始める辺りが何とも。

そして、なりふり構わぬ薩長軍は江戸で放火・強盗を繰り返し、徳川軍を挑発。ケンカはいつの時代でも先に手を出した方が悪いということで。この策は当たり、我慢できなくなった徳川軍は薩摩藩邸を襲います。
そして遂に出てきた錦の御旗(しかも薩摩・岩倉による手作りだ!)

武力討伐の名目を薩長軍に与えてしまった徳川家。いよいよクライマックスですか。


次回、慶喜救出。
ドラマではひたすら不気味なキャラを保ってきた徳川慶喜。
彼も運命に抗う事は出来ずに父親同様に『篤姫の洗礼』を受ける事になりそうです。


【篤姫レビュー】龍馬死すとも

2008-11-02 21:19:26 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

今回は坂本龍馬暗殺、庭田の死、大政奉還と盛り沢山の内容でした。
前回、慶喜が15代将軍に就任したと思ったら、もう大政奉還ですか。何回も言ってますが、この展開の早さは何なのでしょうか?

で、本題。
大奥では何かのイベントが始まってました。本寿院が雑用をさせられて文句をたれてましたが、実に相応しい仕事だと思いました。この人は自分が大奥に置いてもらえるだけでもアリガタイと思わなければいけないほど役に立たない人材なのだから。

続いて、西郷・大久保・岩倉による倒幕会議のシーン。
今回はこのシーンだけで満足です
これぞ、幕末ドラマ。腐敗した幕府を叩き潰す為に模索する人達。新しい夜明けが近づいていることをヒシヒシと感じさせるシーンです。
で、ここで来るのが後出しジャンケンの土佐一族が打ち出した『大政奉還』策。
ドラマでは小松帯刀が武力討伐を目指す薩摩藩の中で一人『大政奉還』策を支持。小松さん、ここまで派手にやっておいてよく(西郷と大久保に)暗殺されなかったな、と感嘆するばかりです。意外に世渡りが上手な彼に驚きです。
そして幕府は二条城にて大政を奉還することを表明。これにより、徳川幕府は消滅。名を捨て身を取った徳川慶喜。幕府はすんでのところで真の将軍を得た、ということでしょうが、ここからが薩長の正念場。まさに文字通り「殿様政治」を行っている旧時代を代表する生きた屍・徳川一派には滅んでいただかなければなりますまい。

そんな中、庭田嗣子が没。
「しっかりしてくれ、庭田!」と静寛院が叫んでいましたが、まさにその通りだと思いました。そうですね、あのセリフを聞いて、真っ先に出てくるのはこのセリフでしょう。哀しみの前に焦燥感が出てくる辺りがリアリティでした。
こうしてお迎えの幻影を見た後、庭田はあの世へ旅立ちました。
何というか、ここ2~3回で中途半端なキャラ(どうせだったら本寿院ぐらいブッ飛んだキャラにして欲しかった)になってしまったのが残念でしたが、宮さんへの忠誠心だけはよく伝わった人物でした。

一方、京では。
坂本龍馬が凶弾に倒れました。
「ワシは役人は性に合わん。・・・世界の海援隊でもやりますかのぅ」
暗殺される前に小松に語ったセリフ。
ここは一つ
小松「ほう、坂本さんは参議に就かれますか」
坂本「そうじゃのう、後藤だけには任せられんからの。ワシが新政府の舵取りをしてやれねばならぬ。慶喜も薩長もワシの手の上で踊るがじゃき」
といったやり取りが欲しかったところです。今まで大胆な解釈でドラマを展開させてきた「篤姫」なのですから、ここは“創られた”龍馬のキャラを壊して欲しかった。ええじゃないか、どうせ再来年にイヤというほど虚構に塗れた坂本龍馬を見ることが出来るのだから!
龍馬が作成した新政府の人事に彼の名前があったこと、ある資料で確認出来ます。なので、ここはその説を採って欲しかったですね。
個人的な意見として坂本龍馬が残念であったことは薩長と幕府の共和制実現を望んだ事。幕府から疑念の目を向けられ「やらねば、やられる」という状況に陥った薩摩、そして現時点で未だに朝敵となっている長州。この両藩が救われるには徳川一派の実質的な瓦解しかない(慶喜は『錦の御旗』が出てくるまで薩長に妥協するつもりは無かったように見受けられます。あくまで大政奉還は形だけ)、ということが龍馬には気付けなかった、とは到底思えません。確信犯的にやったと思えるのですよね。ある意味、本当に政治家向きであった坂本龍馬。龍馬は確かに明治政府にとっては無くてはならない人物でした。暗殺を企てた黒幕どんには、もう少し自重して欲しかったところです。
まあ生き残って龍馬が新政府の重要職に就てしまったら、ここまで後世の評判は上がらなかったでしょうから、ここで死んでおいて正解だったかもしれません。

で、大奥。
ようやく大政奉還の真意を理解した篤姫。
さあ、彼女の役に立ったのか立たなかったのかよく分からない根回し工作が始まります!
ここ数回、ドラマのケチ付けレビューしか書いていませんが、まあ一人ぐらいそういうのが居ても良いと思います。

次回、篤姫と和宮の聖戦が始まります。


【篤姫レビュー】嫁の決心

2008-10-26 20:51:03 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

山内容堂が初登場。
桂小五郎と同様に無名役者がキャスティングされていました。
しかも役者の名前が「今“拓哉”」って・・・。完全に名前負けしているこの役者さん。
興味が沸々と出てきて、この人の経歴を調べている間に45分が経過し物語が終わってしまいました。
なので今回はアッサリと。
ちなみに、今拓哉という人。山口祐一郎さんと関係が深いようです。某番組のビストロコーナーで勝率9割の木村さんとは何の関係もありませんでした

では、本題。
老中・松平康英から新将軍が慶喜に決まったと報せを受けた天璋院は激怒。
田安亀之助(後の徳川家達ですね)を跡継ぎにするつもりでいた彼女。しかし甘すぎでしょう。
「幼少でも将軍職についた例がある」
と天璋院が仰っていましたが、徳川ブランドを象徴する人物が望まれる状況の中でカリスマ性の低い亀之助が将軍になっては、ますます長州派に舐められるばかりか彦根藩などの形だけで全く戦場では役に立たなかった保守的な藩にすら見捨てられ、徳側軍は例に無い大敗北を喫するでしょうに。
これは天璋院が阿呆とかそういうわけではなく、いかに戦況が大奥に伝わっていなかったか、という事だと思います。

そんな中、孝明帝が崩御。
東儀さん、お疲れ様でした。なかなかに雅な孝明帝でした。少なくとも中村福助さんが演じた孝明帝よりは似合っていたと思います。

で、薩摩。
小松帯刀とお琴の間に一子誕生。このシーンにグダグダと時間をかけていましたが、アナタにはそんな暇は無いはずですが。と思ったら、いきなり京にいる小松さん!オイオイ、長州だけでなく薩摩パートですら早送りですか!
薩摩がいかに謀略を巡らせて慶喜派を追い落とし『倒幕』に持ってくかという、西郷・大久保の最大の見せ場がたったの1分(ちなみに裏で一枚かんでいるはずの岩倉の出番はたったの数秒。おでんを食べるシーンはカットされました)。
どうしたんだ?義経の時の中井貴一さんみたいに、原田泰造が「悪役なんてやりたくない」とゴネたのかい?こんな展開では笑う犬も笑えなくなるわい。
某誌に「過去最低の予算で作られた篤姫」と書いてあったそうですが、あながち嘘ではないような。

あ、そうそう。
家茂を悼むシーンが少なすぎて呆気に取られました。
家茂よりも松田翔太さんへの扱いの不憫さに泣けました。(笑)


次回、「龍馬死すとも」
功名が辻でも「三成死すとも」というタイトルがあったのですが・・・。
板垣退助が言ったとされる名言がこんなに引用されるとは思いもよらず。
そして、『大政奉還』よりも『龍馬の死』をタイトルに持ってくるスタッフ陣のやり方が“いかにも篤姫”らしくて何とも言えず。


【篤姫レビュー】息子の死

2008-10-19 21:06:03 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

家茂は長州征伐に出征。
が、薩摩藩が出兵を拒んだ事もあり、幕府側はなかなか足並みが揃いません。勝麟太郎の言うとおり、時代が変わりつつありました。多大な出費をしてまで幕府に味方しようとする藩は少なくなっていたのでした。

大奥では。
唐橋役の高橋由美子さんが初登場。
原作よりも登場が遅いような気がしますが、大局に全く影響が無いのでどうでもいいです。
庭田嗣子の「良い人化」が始まりました。
来るべき日に備えて、キャラ設定の修正が始まりました。
甘いです。悪役キャラのまま退場したのって今のところ、斉興役の長門裕之さんだけじゃないですか。悪役は悪役のまま退場するのも「美学の一つ」だと思うのですが、どうにもそれは一般には受け入れ難いものなのでしょうか。

薩摩では。
前述のとおり、薩長同盟の約定通り、長州征伐への出兵を拒否。大久保が幕府側の要求を跳ね除けます。老中連中が藩の一役人に過ぎない大久保に言い包められてしまう辺り、幕府の権威は失墜したと言っても過言ではないような気がします。
後、お近帯刀、そして何故か相談役となっているおりょうのくだりはベタベタな展開なので、特に感想はありません。
で、何気に重要なエピソードは坂本龍馬が薩摩に訪れていた事。
琉河が思うに、龍馬と薩摩はこの間に“薩摩と土佐の盟約を結ぶ土台を造っていた”と考えているのですが、篤姫では小松夫婦のやり取りがメインになってしまったので、そのような政治関連の話は無く。龍馬とおりょうの新婚旅行は、あっさりと終わり、場面は大坂へと移ります。

大坂城では。
家茂が危篤状態に。
形勢不利が伝えられる中、1866年7月20日、14代将軍・徳川家茂薨去。享年21。
屏風が倒れ、夕陽が差し込む中、家茂が勝に口惜しさ語る場面は見応えがありました。しつこく回想シーンを入れることなく淡々と家茂を昇天させた演出は良かったです。家茂の死の場面を意外とあっさりに描いて、その後に篤姫と和宮に涙を流させる演出はグッジョブ!
泣き所はここでしょう。ここで思う存分泣く事が出来るはずです。BGMもそれっぽいのが流れていましたし。
家茂臨終シーンに慶喜が居なかったのはワザとでしょうか。徳川政権の幕引き役・一橋慶喜がその手腕を発揮するのは次回からですね。
ほとんどの方が予想されていたかと思いますが、家茂の死が契機となり篤姫と和宮の距離は縮まっていく模様。ベタな展開ですが、この「お約束」がドラマの高視聴率に貢献しているのだと改めて感じました。


次週、慶喜が15代将軍に就任。
家茂の最後の大仕事・長州征伐の行方は!?
そしてプレタイトルで何故か仲間外れにされてしまった四侯の一人、山内容堂の出番はあるのでしょうか。


【篤姫レビュー】薩長同盟

2008-10-12 22:06:32 | 大河ドラマレビュー《篤姫》
OPクレジットが大変な事になりました。
高畑淳子と若村麻由美がいきなりトメグループに!
中間ピングループの定員オーバーによる繰上げだとは思いますが、これはびっくりしました。
今回退場する若村さんならともかく、今回に限れば坂本龍馬役の玉木宏さんをトメグループに持ってくればいいのに、と。でも下手にトメグループに持ってくるよりは、あの位置(中間ピングループでも一定の間を空けた後にクレジットが表示される)の方が存在感はありますね。
そしてある意味、目立ってしまったのが以下の3連名。
木戸孝允・伊藤博文・井上馨
長州出身の明治元勲が揃いも揃って3連名。いや、確かに長州3人を並べて表示させるのはグループ分けする上では分かりやすいと思うのですが、ネームバリューがありすぎる人物が一気に3連名で表示された時は流石に吹きました。
役名だけを見れば贅沢なぐらい凄まじいクレジット(でも役者を見るとそうでもないのが悲しいところ)。
どうせだったらこの3人の中では知名度が低い井上馨を外して、高杉晋作を替わりに登場させて欲しかったです。どの道、視聴者の半分以上はそこに高杉晋作がいる違和感なんて感じないのだから(泣)。
そうすると、下記のようなクレジットの並びが完成します。
木戸孝允・伊藤博文・高杉晋作
この3連名はどうですか?豪華な3連名じゃないですか?
で、当然ながら高杉晋作にも無名の俳優を使います。木戸孝允役に無名の俳優を使うのですから、彼の後輩に当たる高杉晋作はもっと無名の俳優を使わないと道理に適いません。

で、本題。
薩長同盟に奔走する坂本龍馬と小松帯刀が主に描かれていました。
そこまではいいのですが・・・。
問題は薩摩と長州の対談シーン。西郷どんのオイシイところを全部、小松帯刀が持っていってしまいました。
というか、小松帯刀、凄すぎ!
木戸を「不思議ちゃん」扱いし、長州の真意が全く読めない西郷に喝を入れて、いつの間にか西郷・大久保を差し置いて薩摩の代表者として同盟締結する小松さん。
そして、長州に帰ってみんなと一緒に玉砕するつもりでいる血気盛んで短慮すぎる木戸(※1)に迫力ある誠意で対応し「よろしく・・・、お願い致します」と言わせてしまう小松さん。
こうして西郷・木戸を差し置いてすっかり同盟締結の最大の功労者となった小松さん。よもや、篤姫だけではなく小松さんまで「まつ化」(※2)するとは思ってもみませんでした。

一方、大奥では。
観行院、逝去。和宮に悲劇。
うん、というか若村さんの名シーンを描くには今回はタイミングが悪い。琉河的にOPクレジットと薩長同盟での小松様の活躍ぶりが凄すぎて、若村さん扮する観行院臨終シーンは特に印象に残りませんでした。
いた、宮中の調べを再現する演出とか和宮を最後まで案じていた姿とか良かったと思うのですが、如何せん「薩長同盟」と抱き合わせセットで死んでしまったのは無念としか言い様がありません。
おたあさんの死が影響を与えたのでしょうか。家茂の出陣を巡って、塞がりかけていた天璋院との溝を再び深めてしまった和宮。
和宮と天璋院。そのタイミングでお互いを分かり合うシーンが描かれるのか。少し楽しみになってきました。

次週、将軍・家茂死す。
幕府の威信を取り戻す事に命を賭けていた男の勇姿。
来週で見納めです。


(※1)木戸孝允・・・こんな人物が代表者扱いされる藩と同盟を結ぶメリットが無いのでは?と感じさせてしまうほど木戸に威厳がありませんでした。これだけオーラが無ければ新撰組に捕まらないわけです。普通に町を歩いていても新撰組は気付くまい。
無名役者を起用するにしても、もう少し人選には気を遣って欲しいところです。

(※2)まつ化・・・「利家とまつ」における前田利家夫人が成し遂げた虚構の功績。演出に無理がありました。