必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

【風林火山レビュー】川中島!龍虎激突

2007-09-30 21:21:38 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

何気にタイトルが長い今回の「風林火山」
ついに川中島の戦いが始まりました。

Gacktさんの長尾景虎
それこそレビューの最初の頃は
「上杉家のBGMは『月下の夜想曲』か『虚無の中での遊戯』にするが宜しかろう」
と叫んでいた琉河ですが、長尾景虎が思ったよりもまともな人格の持ち主として描かれているので正直驚いています。(外見はさておき・・・
第一話の景虎のPVを見て、いつも無意味に小姓をはべらしている景虎とか、一人二役で毘沙門天と会話している景虎(※1)という様な電波な上杉謙信が描かれるものとばかり予想していましたから。

で、肝心の両者激突・合戦シーンですが-
今回はそんなに描かれませんでしたねー。
最も第1回目・川中島(布施の戦い)は両者の様子を窺うというのが主要な目的の一つだと考えられますので、仕方がないのかも知れませんが。
今回のイベントを大雑把に分けると
『宇佐美に裏をかかれた勘助』
『諸角、謎の篭城』
『両軍、川を挟んで対峙』
の3つでしょうか。
このうち、上2つは出演者の語りと「地図」とナレーションで説明されただけでした。
しかも全体を通して見ると、何だか緒形拳の一人勝ち様な錯覚に陥ります。
緒形さんは接待で出演されているのですか?
もっと西岡徳馬にもスッポトライトを当ててやれよ。
『両軍、川を挟んで対峙』
は固唾を飲み込むような緊迫感を醸し出していました。
景虎が一騎で突撃しだした時は
「おっ!やるのか~!神威よ」
と期待しましたが、そこまで猪突猛進な行為には出ず。「視聴者サービス」的なものでした。

一番、面白かったのは諸角虎定でした。
先回の馬場の一言が引き金になってか、命令を無視して城に篭城。
その姿はさながら、真田太平記の本田忠勝みたいだ!(半分皮肉)
何だか猛将としての後光が差している!
もうアンタは等々力なんかじゃない。
ああ、人間とは何て素晴らしい。
もう役者は脚本家の奴隷ではないんだ!
加藤武、「もののふ」としての初めての見せ場でした。
晴信に物申す姿はまさに「老兵は死なず」といったところ。

で、諸角さんに伝えたい事が。
「またもや生き永らえてしまった~」とくやしがっていましたが、本望通り穏やかにその生涯を終えることは出来ませんので大丈夫です。心配しないで、どんどんこれからも最前線で頑張ってください。

次週、三国同盟。
北条氏康の額の傷はまだ治っていませんでした。
ついでに私敵治罰の綸旨をもらう景虎のシーンも描かれる模様。
着々と物語は執着地点へと進んでいます。


(※1)『武田信玄』における柴田恭兵の集大成。

 


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【風林火山レビュー】村上討伐

2007-09-23 21:10:20 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

太郎義信と今川家の息女・綾姫の婚儀の後に村上討伐を実行すると宣言した晴信。
これは『今川』ブランドを最大限に利用した勘助の策略。
これが功を奏したのか安曇野の合戦後は、続々と村上方の支城が武田家に寝返ります。

この武田の快進撃に村上義清は越後の長尾家に落ち延び勢いを立て直そうと判断。
それにしても村上義清・・・。
いきなりザコキャラに転落したな。
武田がレベルアップし過ぎて、中ボスであった村上義清はもはや易々と倒せる敵キャラになってしまったんですね~。
しかも義清は越後の援軍を得て出陣してきたのに、
「村上勢は一度は勢力を取り戻したものの、武田家の反撃に遭い敗れました」
というナレーションで終了!
あの3ヶ月間の復讐劇は永島敏行の
「うおおおおおお~~!」
という咆哮で終わり。
ダンカンと同じ終わり方です。
笑えます。笑えますよ、このぞんざいな扱い。
もう村上シーンに金をかけたり、ドラマの尺を割いたりしたくない、というNHKスタッフ陣の思いが伝わってきたシーンでした。
時代は変わるものです。
この後、村上義清は川中島の戦いに2回参加し、結局何もないまま71歳で死亡。奇しくも晴信と同じ年に亡くなっています。

で、今回の合戦で一番割を食ったのは馬場信春でしょう。
逃した相手(ヒサ)に唾を引っかけられるとは。
でも、信春も流石は百戦錬磨の器量人!
なんだかカッコイイ台詞を言ってその場をやり過ごします。

合戦シーン以外の見所は、若者2人が丁稚奉公から本格的に社会人デビューしたことでしょうか。
その2名とは春日源五郎と飯富源四郎。
春日源五郎、改め春日虎綱は最初から『弾正』を(おそらく朝廷の許可なく)名乗っていたのですね。初めて知りました。
対する飯富源四郎、改め飯富昌景は官位を名乗っていないというのに。
この差は何なのでしょうか。

そして今回も生き残った平蔵とヒサの夫婦。
平蔵っていつの間にこんなに逞しい男に成長したのでしょうか。
琉河としては彼を応援したい反面、「宮本武蔵」でいう本位田又八みたいな最後まで成長しないダメキャラでいて欲しかったなぁ~と思ってもみたり
誰も彼もが立派な武将になってしまっては、キャラ比較にメリハリを感じないし、緊迫感が漂う中で一息つける場面が無くなってしまう。

次週から『風林火山』で一番のメインイベント川中島の戦いが始まります。
ラスボス長尾景虎が動き出し、それに対して勘助はどのような策を用いて立ち向かうのか。
いよいよ物語は佳境へと突入しました。

 


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自滅と天然

2007-09-23 17:52:10 | 罪と罰

昨日の続き
携帯ショップに行って機種交換に行きました。
結果は呆気なく私の希望通りとなりました。

担当の店員が失言を繰り返した為、『キズモノ』となった携帯電話の無料交換は当たり前。
オプションの卓上充電器も無料で頂き、
さらに5000円の本体割引(知り合いを紹介すると割引になるという制度)
を摘要してもらいました。

すごく簡単に決着がつきました。
携帯ショップは家電製品やPCみたいに高価な商品を扱っていないので
簡単にホイホイ出すんでしょうね~。
でも、担当の店員は接客方法について、もう少し学んだ方が良いと思いました。
あれでは、その道のプロ(存在するのかどうか不明ですが)だったら、「永久保証」とか「新機種無料」とか言い出されて、もっとむしり取られていたと思います。
琉河は小物なので、そこまではしませんでしたが・・・。

自分(店側)の過ちを認めたうえで、客をこき下ろす言動をする。
一言言いたいのはわかるけど、本人の前で言ったら逆手に取られてしまうに決まってるじゃないですか。
そんな簡単な接客マニュアルする頭に入っていない人間が店の責任者。
う~む、スゴイ。


私の携帯に包帯を巻け

2007-09-23 01:37:47 | 罪と罰

携帯を新機種に替えました。
最近の携帯電話は卓上充電ではなく直接プラグのような物を差し込むので何だかイヤです。何がイヤかというとプラグのような物と携帯電話の差込口が繊細に出来てそうなので、差し込む時に傷つきそうなところ。
で、新機種もそのような携帯だったのですが、何とか慎重に差し込んで充電をし始め、その間に説明書を読んでいたらオプションで卓上充電器があることが判明。
なので直接充電するのは止めようと思い、電話から充電器のプラグを抜こうとしたら、電池(バッテリー?裏側付いている平ぺったいモノ)の蓋が取れた。
不良品です。
なんで、蓋が取れるのか。
で、蓋が取れた驚きでプラグも強引に引っこ抜いてしまった。もしかして、プラグや充電の差込口も傷ついたかも知れない。
しかも、蓋を元に戻そうとして上手くはめたつもりが、少しボコッと出てしまった。横から見ると蓋の端が出っ張っているのがよくわかります。
私のせいではない。蓋が簡単に取れるはずがない。
というか、私のせいだとしても最初から卓上充電器を使っていればこんなことにはならなかったはず

こんなケチの付いた携帯は使えません。
店への連絡は取れませんでしたが、明日、いきなり乗り込んで携帯を取替えに行きます。
面倒だ。
はっきり言って面倒な作業です。
でも『キズモノ』となった携帯をこれからも使う気になれません。
何が何でも新品と取り替えてもらいます。
ついでに、卓上充電器も店側の好意で頂いてこようと思います。
充電するたびにあの繊細に出来てそうな充電の穴にプラグを差し込む作業は胃に穴が開きそうで嫌なんです。
例えれば、縫い針に糸を通すような、そんな感じをこれから何度も味わうのが嫌なんです。

それにしても何故、店員は
「卓上充電器はオプションだ」
ということを教えてくれなかったのか。
古い機種を使っている人間は卓上充電器なんか「付いてて当たり前」だと思い込んでしまっている。だから先回りして教えてくれよ。
「Aを知らない人に対して、Aを知っていることを前提として話をする」
ことが危険だとあの店員は思わないのだろうか。
私と同い年ぐらいか、あのネーちゃん。
いい歳した人間が何をやっているんだ。
聞かない方が悪いって?
「存在自体を知らない」のだからそれについて質問出来るはずがない。

新品に替えてくれるはずがないって?
そんなことはありません。
私が、ああ言えば店員は替えざるを得ないのです。(※1)
クレーマーリストに載るのは間違いないのですが、一向に構いません。

電子レンジにペットを入れたら、そのペットが死んじゃった。
そんなの「ペットをレンジに入れないで下さい」と説明書に書かない方が悪いに決まってるじゃん!
常識で考えればわかるって?

でもそんなの関係ねえ!
でもそんなの関係ねえ!
はい、オッパッピー!!!
何度も言います。
「Aを知らない人に対して、Aを知っていることを前提として話をする」
方が悪いのです。

(※1)変に飾らずに正直に思った事を言うだけです。「使ったら、こんな風になった。多分これからも同じことが起こるかと思うと不安です。だから同じ物は使いたくなのです。信用していたのに裏切られた気分です」という気持ちを切実に訴えるのです。自分から「アレをくれ」なんて図々しいことを言ってはいけません。
そうすれば、店側は好意と慰謝の感で「新品と替えてあげましょう」そして「これもお付けします」という気持ちになります。大きな量販店では分かって頂けると思います。

琉河は脅迫と思われる言動はしておりません。そのように読み取り、不快な思いをされた方がいらっしゃいましたら、ここでお詫び致します。また、その面でのコメントは受け付けません。ご了承下さい。


【風林火山レビュー】母の遺言

2007-09-16 21:38:40 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

松井誠の株が急上昇し、田中実の株が大暴落した回。
田中実さん、昔は結構好きな俳優さんの一人だったのですが、最近役に恵まれませんね~。

とりあえず「久しぶりに大河ドラマを満喫できたなぁ~」と満足できた回でした。
管領上杉VS北条の決着、上杉憲政の越後奔走、そして甲駿相三国の更なる結びつきに裏で奔走する勘助。
そしてタイトルにもある通り晴信ママンの死。
このやり取りの中で一番印象に残ったのは、ママンの死よりも竜若丸様のご最期でした。
氏康を見事に旗本退屈男にした竜若丸様の気概はお見事!

そして、氏康。
竜若丸に『名誉ある死』を与え、同時に新九郎に北条家の信念を身を持って教えるやり方は冴えすぎ!
氏政に『本当の義』を教えたわけですね。
で、この教訓がこれより40年後に起こる『秀吉の小田原攻め』に活きてくるというわけですか。よく練った演出だと思いました。
琉河は今まで
「新九郎は秀吉の力量を見抜けず時代に取り残されて自滅した」
というイメージを持っていましたが、この教えを最期まで守ったと解釈すれば、それなりに立派な武将だと思えるようになりました。

そして、サダンジよ。今回ばかりは同情するよ。
まさか田中実が裏切るなんて思わないもんね。外見的に『義の塊り』って感じの人だし。どちらかといえば小市慢太郎の方がよっぽど裏切りそうな顔をしているし
その無念さは琉河にも伝わってきましたよ。なので、『探偵学園Q』で田中実が無様にSATSUGAIされるシーンを繰り返し5回見ておきましたよ。

今回のこの事件を契機として、ようやく景虎は本格的に他国へ動き出します。
やっとGacktさんの野外ロケシーンが見れるのか。
長い道程でした。

そして武田家。
大井夫人がその生涯を終えようとしています。
最期に夫人が見た夢。ズバリ正夢です。大当たり一等賞、大変おめでとうございます。
今川侵略に対して異を唱える太郎義信に対して力技でねじ伏せる晴信。(この時は剃髪しており『信玄』と名乗っています)
その姿はさながら、かつて信虎が晴信に行った仕打ちにそっくり。
やはり、血は争えないもの。
歴史は繰り返す。
大井夫人は、この負の連鎖を感じ取っていたように思われます。
唯一の心残りは晴信に負の連鎖の断ち切りを諭す事が出来なかった事。
大井夫人、「武田の傍観者」として余生を過ごしたことを少し悔いての死でした。合掌。

で、このシーンで「プロだな」と感心したのは仲代さんのシーンが新撮りではなかったという事
信虎名物『胡桃コリッ』のシーン。
応用として晴信にも『胡桃コリッ』シーンを与えた演出はスゴク良かったです。語らずとも、このシーンだけで全てが把握できます。
うまいこと編集したなぁ~と感心しました。

そして感心したのがもう一つ。
回想で出てきた仲代達矢さんがトメでなかった事!
これは快挙です。
これでⅠ原軍団による負の連鎖を断ち切ることが出来ました!

参考:【今までの負の連鎖】
「義経」→大物俳優Wさんが、回想や幻影で無理矢理トメに。幻影ってなんだ?)
「功名が辻」→Wさんの子分、TさんがSくまさんを抑えて回想で無理矢理トメに。

前半の『北条VS竜若丸』イベントのインパクトが強すぎて、『大井夫人臨終』イベントが若干薄れてしまった印象を受けましたが、総じて物語の流れは良かったと思います。久々に制作陣の『義』を感じた回でした。

次週、遂に村上軍との最終対決。
しかし、その合戦の先にあるものとは・・・。

 


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【風林火山レビュー】宿命の女

2007-09-09 22:03:55 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

小山田信有、死す。享年不詳-

小山田様死亡の裏にはこんな真実があった!
という演出は良かったと思います。
制作陣は、このラストシーンありきで田辺誠一さんをキャスティングしたのかな~と思ったほどでした。

ちょっとここで、ストーリーのレビューから離れて琉河の
『風林火山』における小山田信有という人物のキャラ設定についての考察(仮)
を一つ。
小山田信有という人物について、当初の琉河のイメージでは知性派というよりは反骨心旺盛な武闘派。最大の見せ場は砥石城の戦いと上田原の戦いのみ
演ずるならば竹内力さんとか白竜さんか、と思っていたので田辺誠一さんがこの役を演じると聞いたとき、
「何が何だかわからない」
という心境だったのです。
が、ドラマでの小山田様の位置付けを見て納得。
というのも、武闘派だと鬼美濃とか馬場となんとなく被るのですよね。
制作陣はそれを懸念して小山田信有という人物のキャラを大胆にも脚色したのではないかと。
ここで、武田家中の会議で発言権があると思われる登場人物を整理
初期から登場する武田家家臣団で千葉真一・竜雷太という重鎮を除くと、演じる役者さんから判断して主要キャストとなるのは
金田明夫(飯富虎昌)
田辺誠一(小山田信有)
宍戸開(原虎胤)
高橋和也(馬場信春)
加藤武(諸角虎定)
の5人。
この中で小山田信有と諸角虎定いう人物は他の3人と比べて圧倒的に知名度が低いのですよね。知名度が低いということは、その人物に対するイメージ=先入観もないわけで。だからこの2人については風林火山の制作陣がいかようにも脚色してもそんなに違和感は出てこない。
結果的に
飯富虎昌-誠意大将軍
原虎胤-鬼美濃(=体育会系代表)
馬場信春-とにかく優れている(笑)。(知名度が高い人物だし、とりあえず登場させておこう的な意味もあったのだと思います)
諸角虎定-ボケ担当
小山田信有-クールな策士家
という見事に戦隊モノの5人みたいにキャラが被らない設定が出来上がった!そんなに歴史に詳しくない人でも、覚えやすい人数&キャラ設定になっている!
何と言っても、役柄的に小山田信有が一番オイシイ!
キャラ付けの解釈は琉河が勝手に決めました。違和感を感じた方は『解釈は人それぞれ』ということで・・・。)
じゃあ、何で他にも登場しない家臣がいる中(例えば小幡虎盛)で、「小山田信有」という人物に白羽の矢を立てたのか、という話になるのですが、
多分「小山田信有」は
・武田譜代の家臣ではなく、どちらかというと盟友的な存在。発言力もある
・北条家にも顔が利き、武田一筋と言えない怪しい面もある

と制作陣が解釈したからではないでしょうか。
クールな策士家としての小山田様という設定は田辺さんのイケメンぶりとの相乗効果で、結果的に成功したキャラだったと思います。

ここで、ようやくレビューに戻りますが、小山田様がいつもとは違う様相で勘助に語ります。
「女子は恐ろしいのぉ、勘助」
由布姫の支えとなってやれ。武田よりも由布姫を思って生きている勘助が愚かで好きじゃ。そしてワシも美瑠姫を好いておる。これほど、愚かなことはなかろう」
小山田様、見事に勘助の野望を見抜いているな~と感心したのですが(クールな策士家としての設定が生きている)、このセリフに込められた意味とはそれだけでは無かったようです。

小山田様は1552年正月、美瑠姫に刺されて敢え無く死亡。
その知らせが武田家家中にもたらされた時、明かされた事実が一つ。美瑠姫が身篭っていた子が実はダンカンの子かもしれないという事
ボケ担当の諸角を始め家臣団が好き放題言っていましたが、勘助だけは気づいていたようです。
そう、勘助と小山田様は立場が一緒。
即ち、両者の共通点は
・実の子供ではないが、途轍もない愛情を注いでいる
・思いは一方通行かもしれないが、姫の全てを受け止める覚悟がある
勘助は小山田様と自分の立場を重ねていたんですね。
そこで、ハイ。先ほど登場したこのセリフ。
「由布姫の支えとなってやれ。武田よりも由布姫を思って生きている勘助が愚かで好きじゃ。そしてワシも美瑠姫を好いておる。これほど、愚かなことはなかろう
見事にリンクしました。
この小山田様の回想セリフシーンが流れた時、不覚にも涙。
もう、何と言うか小山田様、悟りすぎ!それでもって愛が深すぎ。
同衾中に寝首を掻かれるなんて、小山田様ほどの武将なら有り得ないことだと思うのですが、琉河はわざと刺されたのではないかと思うわけで。
根拠はたった一つ。美瑠姫の最期の言葉。
「仇の者を好きになってしまった私を許して」
小山田様は姫のその苦悩を知っていたから、そのまま討たれたと。
深すぎる愛→名誉の討ち死に。
キレイすぎるけれども、『風林火山』で田辺誠一が演じた小山田信有という人物に限ってはこれでいいと思います。

で、美瑠姫についてですが、
「どう考えてもダンカンより田辺誠一と幸せに暮らしたほうがいいだろ。」
ってそんな風に割り切れる人物ではなかったのですね。
だからといって小山田信有ひとり討ち取ったところで、武田家に致命傷を与えたというわけでもないのですが、せめて一矢報いたいという気持ちがあったのでしょうか。
それにしても思考が飛びすぎ。思い込みの激しい電波な女性だなと思ってしまいました。良い風に取れば義理堅く真面目な女性といったところでしょうか。
でも、電波な思考ながらも
「いつまでも一緒にいる」
という小山田様の言葉でさらに小山田様を好きになっている自分に気づき、これ以上仇の者を好きになってはいけない、だから小山田様を亡き者とし、自分も後を追わなければ!という強迫観念にも似た苦悩は少しは伝わりました。(姫の動機はこういう解釈でいいのかな?)
そんなこんなでホラーなイベントを起こして自害。悲しすぎる・・・。

琉河の理想型としては、
「小山田様を始め、武田方は敵だけれども、それに捕らわれていては幸せになれないから自分の気持ちに素直に生きます。ダンカン、そしてVシネによく出てくる菅田俊(美瑠姫の父上)、許してね。だって、どう考えてもあんた等よりも小山田様の方が魅力的だから。これも戦国のならいなんです。仕方がないでしょうが!
と割り切って小山田様と共に生きて欲しかったところ。

とにかく、印象に残ったのが
クールな策士なのに美瑠姫を大事に思う心境を素直に語る小山田様のキャラとのギャップ。そして、その直後の死。
何度も言います。
あのセリフの直後に小山田様の死、勘助のセリフは、もう反則。
史実を捻じ曲げてでも、“そういう死に方”を与えた演出に涙。もう感情移入しまくり
イヤらしい言い方をするとオイシイ役柄でオイシイ退場をした小山田様。でも、それはそれで琉河的にはOK!

歴史の捻じ曲げは北条時宗花の乱でイヤというほど見てきましたが、今回ばかりは文句は言いますまい。だって、もうこれは大成功。
「合戦での傷が悪化して死にました」
という退場の仕方はクールな策士家としての小山田様には似合わない。
普段クールな態度を取っていたからこそ活きた、今回の小山田様の退場の仕方。
お見事!

で、他のシーンの感想をサラッと。

まずは於琴姫
話が早い。自分が置かれている状況をしっかりと理解してらっしゃる。好感度ランキングが高そうなお姫様です。

今川三人衆が久しぶりに登場。
ダーティなキャラは健在です。
しかし、この3人、つくづく部屋の隅が好きなんですね。
別に悪だくみをしているわけではないのだから、大広間で堂々と会議をすればいいのに。
でもいろいろ『対武田計画』を立てていたのに駒井一人の機転にコロリと騙されている辺りが、何とも。典型的なヤラレ悪役。

『風林火山』なのに勘助とはそんなに関係が深くない寿桂尼がトメというのも、何だかな~。風吹ジュンにトメをあげてもいい様な気がしますが。やはり役者のキャリアがそのままクレジットに反映している様で。

次週、勘助に語った大井夫人の最後の言葉とは!?

 


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【風林火山レビュー】姫の戦い

2007-09-02 21:04:13 | 大河ドラマレビュー《風林火山》

タイトルが『姫の戦い』!
そうですか、勝手に戦ってていいよ・・・。
ストーリーとしては完全に端折ってもいいような内容ですが、井上靖版の原作に於琴姫登場の件があるので、外すわけにはいかなかったのかな~と邪推してみたり。
ところで、今回登場人物少なすぎ!

今回の見所は新しいキャラが登場した事でしょうか。

簡単に紹介。
まずは於琴姫役の紺野まひるさん。
「てるてる家族」に出演していましたが、最近では「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」の女性カメラマン役で有名ですね。
この番組は視聴率もいいらしいですし、視聴者側としてはスンナリと受け入れられるキャラではないでしょうか。ちなみに太郎義信役の木村了さんもこのドラマに出演されていますね。何の因果でしょうか・・・。
ところで琉河はその昔、この於琴姫役には戸田恵梨香さんが似合うのではないかと思っていたのですよ。「ギャルサー」や「デスノート」の演技を見て、そう思ったのです。でも「ライアーゲーム」や「牛に願いを」の影響で琉河の彼女に対する印象が替わってしまったからな~。今、戸田さんがこの役を演じると違和感を感じてしまうかも。

そして、鬼美濃の娘、リツ役の前田亜季さん!
彼女といえば、今は懐かしきバイオレンス映画・バトルロワイヤル!
あの時と比べて、だいぶ美人になりましたね~。
もっと活躍して欲しい女優さんの一人です。
ところで教師キタノ(ビートたけし)は「風林火山」には出てこないのかい?
・・・出て来ないのか、残念だな。

そして、於琴姫の侍女・キヌ役の絵沢萠子さん!
・・・・。
・・・・。
何の思い入れもない。
このお婆ちゃんについては特に語る事ないや。


で、本筋。
今回のあらすじは一言で語るのならば、
「由布姫に飽きた晴信が油川家から新たに側室を呼び寄せた。それを知った由布姫がプッツン発言をしちゃった」
それだけ。
そういえば、ヒロインの由布姫が何だかやさぐれていましたね。
勘助に愚痴ってました。由布姫にとって、本音を語る事が出来る男性は勘助しかいないのでしょう。そして、愚痴られて姫を宥める勘助もマンザラではなさそう。
もういいよ、くっついちゃえよ、この2人。面倒だからさ。
で、於琴姫の存在を知った由布姫がぶち切れて
「ここに連れてこいや!コラ~!」
と勘助にぶちまけていましたが、
アンタだって於琴姫と同じ側室じゃねーか!
と思わずTVの前でツッコミ。その後に三条夫人が同じような事を由布姫に語っていたので、何だか笑えました
三条夫人は視聴者の代弁者ですか!
夫人よ、さすがは正室。グッジョブです。

で、騒ぎはここから。
遂に由布姫が爆弾発言をしました
「四郎勝頼を武田家惣領として育てたい!」
武田家継嗣問題の火種を作ったのはお前か!
とんでもない女だ!
その業たるや、日野富子を凌ぐほどです。
で、勘助よ・・・。
今、アナタがしようとしていることを知ったら、今は亡きミツが泣くよ。
こんな戯言をほざく姫なんかの言う事に惑わされないで!


次回、宿命の女。
ひぐらしのく頃に(注1)に出て来そうな『あの姫』がとんでもない事を!
て、いうか。イキナリそうなるのかよ。
今回、せめて予兆みたいなシーンを用意してくれよ!
キャラの作りこみをキチンとしないと、由布姫以上の電波なお嬢さんになってしまうぞ!
あ、そうか。本当に電波か。
そして、予告で小山田様のシーンがタップリと。
ああ無常。

(注1)ホラーなキャラによるホラーな物語。先週のレビューでも名前だけは出してみました。

 


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山田芳裕「へうげもの」をキャスティング! ~第四服~

2007-09-01 14:33:33 | 歴史ドラマ妄想キャスト

織部焼きの祖、古田織部が主役のこの漫画。胡散臭いけれども、どこか憎めない主人公・古田織部が魅力なこの「へうげもの」。
最新刊5巻が発売されました。
ブックカバーは清涼感を漂わせる水色を基調としています。
しかしながら、わが主役・古田織部は己が野望を達成せんがため、ブラックになっていきます!
数奇とは、ここまで人の心を惑わすものでしょうか!?

数々の書籍で紹介されているこの漫画。いま最も売れている歴史漫画といっても過言ではありません!
働きマンまでもがドラマ化される(以前にもドラマ化の噂はありましたが・・・)この昨今、ぜひともドラマ化して欲しい漫画の一つです!風評が風評を呼び、モーニングの看板漫画とならん事を期待しています。


というわけで妄想キャスティング第4弾をお届けします。
興味のある方はご覧下さい。


≪登場人物≫
古田左介(後の古田織部):香川照之

羽柴秀吉:筧利夫
せん:和久井映見
石田三成:安藤政信
羽柴秀長:保坂尚希
山上宗二:村田雄浩
お吟:宮崎あおい
高山右近:谷原章介
蒲生賦秀(氏郷):及川光博
細川忠興:小出恵介
茶々:土屋アンナ
   *
上田宗箇(左太郎):市川海老蔵
   *
長谷川等伯:小林稔侍
北政所:若村麻由美
津田宗及:火野正平
今井宗休:森田芳光
加藤景延:高橋克実
黒田官兵衛:榎木孝明
島井宗室:篠井英介
随風:周防正行
中川秀政:半田健人
酒井忠次:原田大二郎
本多忠勝:竹内力
茶屋四郎次郎:鶴田忍
服部半蔵:Mr.マリック
榊原康政:マギー
石川数正:伊藤孝雄
徳川秀康:濱田岳
加藤清正:具志堅用高
正親町天皇:竹脇無我
旭姫:箕輪はるか(ハリセンボン)
片倉景綱:ムーディ勝山
真田信繁:石垣佑磨
石垣を登った信繁の部下:レイザーラモンRG
秋月種実の娘:柴本幸
秋月種実:大杉漣
神谷宗湛:小日向文世
   *
ノ貫:堺正章
   *
細川藤孝:細川護熙
伊達政宗:中村獅童
織田有楽斎:豊川悦司
徳川家康:村上弘明
千宗易(利休):里見浩太朗


(4巻までで出番が終了した人物)
織田信長:渡辺謙
   *
中川清秀:生瀬勝久
松永久秀:津川雅彦
丹羽長秀:アンガールズ田中
織田信忠:玉木宏
森蘭丸:赤西仁
明智秀満:遠藤憲一
「糞柿」の小姓:柄本佑
仁科盛信の側室:友近
仁科盛信:松重豊
滝川一益:勝野洋
斉藤利三:夏八木勲
明智秀満:遠藤憲一
池田恒興:美木良介
織田信孝:阿部サダヲ
荒木村重(道糞):黒沢年雄
柴田勝家:藤竜也
蜂須賀正勝:丹古母鬼馬二
弥助:ムルアカ
蒲生賢秀:矢島健一
お市:家田荘子
織田信雄:浅利陽介
古田重定:北村和夫
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明智光秀:渡瀬恒彦


緑色の文字の登場人物が今回の追加キャストです。
明智光秀が退場となり、大御所枠が空白となった為、レギュラーキャラと考えられるノ貫役を大物・堺正章にしました。
長谷川等伯はゲスト・伊達政宗は今後レギュラーキャラとなることを予想して配役。歌舞伎演技そのものの政宗役には中村獅童を。
聚楽第を完成させ、栄華を誇り慢心していく豊臣秀吉と『数奇』の本質を思うがあまり、何だか変な方向に奔っていく織部の暴走が見物の第4巻。利休の織部に対する失望したガッカリ表情も圧巻です!
古田織部は果たして本当に天下一の数寄者となれるのか!

今後の展開が非常に楽しみです。