必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

【篤姫レビュー】嫁の決心

2008-10-26 20:51:03 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

山内容堂が初登場。
桂小五郎と同様に無名役者がキャスティングされていました。
しかも役者の名前が「今“拓哉”」って・・・。完全に名前負けしているこの役者さん。
興味が沸々と出てきて、この人の経歴を調べている間に45分が経過し物語が終わってしまいました。
なので今回はアッサリと。
ちなみに、今拓哉という人。山口祐一郎さんと関係が深いようです。某番組のビストロコーナーで勝率9割の木村さんとは何の関係もありませんでした

では、本題。
老中・松平康英から新将軍が慶喜に決まったと報せを受けた天璋院は激怒。
田安亀之助(後の徳川家達ですね)を跡継ぎにするつもりでいた彼女。しかし甘すぎでしょう。
「幼少でも将軍職についた例がある」
と天璋院が仰っていましたが、徳川ブランドを象徴する人物が望まれる状況の中でカリスマ性の低い亀之助が将軍になっては、ますます長州派に舐められるばかりか彦根藩などの形だけで全く戦場では役に立たなかった保守的な藩にすら見捨てられ、徳側軍は例に無い大敗北を喫するでしょうに。
これは天璋院が阿呆とかそういうわけではなく、いかに戦況が大奥に伝わっていなかったか、という事だと思います。

そんな中、孝明帝が崩御。
東儀さん、お疲れ様でした。なかなかに雅な孝明帝でした。少なくとも中村福助さんが演じた孝明帝よりは似合っていたと思います。

で、薩摩。
小松帯刀とお琴の間に一子誕生。このシーンにグダグダと時間をかけていましたが、アナタにはそんな暇は無いはずですが。と思ったら、いきなり京にいる小松さん!オイオイ、長州だけでなく薩摩パートですら早送りですか!
薩摩がいかに謀略を巡らせて慶喜派を追い落とし『倒幕』に持ってくかという、西郷・大久保の最大の見せ場がたったの1分(ちなみに裏で一枚かんでいるはずの岩倉の出番はたったの数秒。おでんを食べるシーンはカットされました)。
どうしたんだ?義経の時の中井貴一さんみたいに、原田泰造が「悪役なんてやりたくない」とゴネたのかい?こんな展開では笑う犬も笑えなくなるわい。
某誌に「過去最低の予算で作られた篤姫」と書いてあったそうですが、あながち嘘ではないような。

あ、そうそう。
家茂を悼むシーンが少なすぎて呆気に取られました。
家茂よりも松田翔太さんへの扱いの不憫さに泣けました。(笑)


次回、「龍馬死すとも」
功名が辻でも「三成死すとも」というタイトルがあったのですが・・・。
板垣退助が言ったとされる名言がこんなに引用されるとは思いもよらず。
そして、『大政奉還』よりも『龍馬の死』をタイトルに持ってくるスタッフ陣のやり方が“いかにも篤姫”らしくて何とも言えず。


【篤姫レビュー】息子の死

2008-10-19 21:06:03 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

家茂は長州征伐に出征。
が、薩摩藩が出兵を拒んだ事もあり、幕府側はなかなか足並みが揃いません。勝麟太郎の言うとおり、時代が変わりつつありました。多大な出費をしてまで幕府に味方しようとする藩は少なくなっていたのでした。

大奥では。
唐橋役の高橋由美子さんが初登場。
原作よりも登場が遅いような気がしますが、大局に全く影響が無いのでどうでもいいです。
庭田嗣子の「良い人化」が始まりました。
来るべき日に備えて、キャラ設定の修正が始まりました。
甘いです。悪役キャラのまま退場したのって今のところ、斉興役の長門裕之さんだけじゃないですか。悪役は悪役のまま退場するのも「美学の一つ」だと思うのですが、どうにもそれは一般には受け入れ難いものなのでしょうか。

薩摩では。
前述のとおり、薩長同盟の約定通り、長州征伐への出兵を拒否。大久保が幕府側の要求を跳ね除けます。老中連中が藩の一役人に過ぎない大久保に言い包められてしまう辺り、幕府の権威は失墜したと言っても過言ではないような気がします。
後、お近帯刀、そして何故か相談役となっているおりょうのくだりはベタベタな展開なので、特に感想はありません。
で、何気に重要なエピソードは坂本龍馬が薩摩に訪れていた事。
琉河が思うに、龍馬と薩摩はこの間に“薩摩と土佐の盟約を結ぶ土台を造っていた”と考えているのですが、篤姫では小松夫婦のやり取りがメインになってしまったので、そのような政治関連の話は無く。龍馬とおりょうの新婚旅行は、あっさりと終わり、場面は大坂へと移ります。

大坂城では。
家茂が危篤状態に。
形勢不利が伝えられる中、1866年7月20日、14代将軍・徳川家茂薨去。享年21。
屏風が倒れ、夕陽が差し込む中、家茂が勝に口惜しさ語る場面は見応えがありました。しつこく回想シーンを入れることなく淡々と家茂を昇天させた演出は良かったです。家茂の死の場面を意外とあっさりに描いて、その後に篤姫と和宮に涙を流させる演出はグッジョブ!
泣き所はここでしょう。ここで思う存分泣く事が出来るはずです。BGMもそれっぽいのが流れていましたし。
家茂臨終シーンに慶喜が居なかったのはワザとでしょうか。徳川政権の幕引き役・一橋慶喜がその手腕を発揮するのは次回からですね。
ほとんどの方が予想されていたかと思いますが、家茂の死が契機となり篤姫と和宮の距離は縮まっていく模様。ベタな展開ですが、この「お約束」がドラマの高視聴率に貢献しているのだと改めて感じました。


次週、慶喜が15代将軍に就任。
家茂の最後の大仕事・長州征伐の行方は!?
そしてプレタイトルで何故か仲間外れにされてしまった四侯の一人、山内容堂の出番はあるのでしょうか。


【篤姫レビュー】薩長同盟

2008-10-12 22:06:32 | 大河ドラマレビュー《篤姫》
OPクレジットが大変な事になりました。
高畑淳子と若村麻由美がいきなりトメグループに!
中間ピングループの定員オーバーによる繰上げだとは思いますが、これはびっくりしました。
今回退場する若村さんならともかく、今回に限れば坂本龍馬役の玉木宏さんをトメグループに持ってくればいいのに、と。でも下手にトメグループに持ってくるよりは、あの位置(中間ピングループでも一定の間を空けた後にクレジットが表示される)の方が存在感はありますね。
そしてある意味、目立ってしまったのが以下の3連名。
木戸孝允・伊藤博文・井上馨
長州出身の明治元勲が揃いも揃って3連名。いや、確かに長州3人を並べて表示させるのはグループ分けする上では分かりやすいと思うのですが、ネームバリューがありすぎる人物が一気に3連名で表示された時は流石に吹きました。
役名だけを見れば贅沢なぐらい凄まじいクレジット(でも役者を見るとそうでもないのが悲しいところ)。
どうせだったらこの3人の中では知名度が低い井上馨を外して、高杉晋作を替わりに登場させて欲しかったです。どの道、視聴者の半分以上はそこに高杉晋作がいる違和感なんて感じないのだから(泣)。
そうすると、下記のようなクレジットの並びが完成します。
木戸孝允・伊藤博文・高杉晋作
この3連名はどうですか?豪華な3連名じゃないですか?
で、当然ながら高杉晋作にも無名の俳優を使います。木戸孝允役に無名の俳優を使うのですから、彼の後輩に当たる高杉晋作はもっと無名の俳優を使わないと道理に適いません。

で、本題。
薩長同盟に奔走する坂本龍馬と小松帯刀が主に描かれていました。
そこまではいいのですが・・・。
問題は薩摩と長州の対談シーン。西郷どんのオイシイところを全部、小松帯刀が持っていってしまいました。
というか、小松帯刀、凄すぎ!
木戸を「不思議ちゃん」扱いし、長州の真意が全く読めない西郷に喝を入れて、いつの間にか西郷・大久保を差し置いて薩摩の代表者として同盟締結する小松さん。
そして、長州に帰ってみんなと一緒に玉砕するつもりでいる血気盛んで短慮すぎる木戸(※1)に迫力ある誠意で対応し「よろしく・・・、お願い致します」と言わせてしまう小松さん。
こうして西郷・木戸を差し置いてすっかり同盟締結の最大の功労者となった小松さん。よもや、篤姫だけではなく小松さんまで「まつ化」(※2)するとは思ってもみませんでした。

一方、大奥では。
観行院、逝去。和宮に悲劇。
うん、というか若村さんの名シーンを描くには今回はタイミングが悪い。琉河的にOPクレジットと薩長同盟での小松様の活躍ぶりが凄すぎて、若村さん扮する観行院臨終シーンは特に印象に残りませんでした。
いた、宮中の調べを再現する演出とか和宮を最後まで案じていた姿とか良かったと思うのですが、如何せん「薩長同盟」と抱き合わせセットで死んでしまったのは無念としか言い様がありません。
おたあさんの死が影響を与えたのでしょうか。家茂の出陣を巡って、塞がりかけていた天璋院との溝を再び深めてしまった和宮。
和宮と天璋院。そのタイミングでお互いを分かり合うシーンが描かれるのか。少し楽しみになってきました。

次週、将軍・家茂死す。
幕府の威信を取り戻す事に命を賭けていた男の勇姿。
来週で見納めです。


(※1)木戸孝允・・・こんな人物が代表者扱いされる藩と同盟を結ぶメリットが無いのでは?と感じさせてしまうほど木戸に威厳がありませんでした。これだけオーラが無ければ新撰組に捕まらないわけです。普通に町を歩いていても新撰組は気付くまい。
無名役者を起用するにしても、もう少し人選には気を遣って欲しいところです。

(※2)まつ化・・・「利家とまつ」における前田利家夫人が成し遂げた虚構の功績。演出に無理がありました。

巨星・緒形拳、死す

2008-10-08 01:20:44 | 苦情お断りの独り言
あまりに突然だったので驚きました。つい最近まで、テレビで見かけていたような気がしていたのですが。大御所俳優、71歳の死。

肝臓をやられていたそうですね。
10月から開始のドラマはすでに撮り終わっていたそうです。そのドラマのHPで緒形さんの写真を見た時は「役作りかな」と思っていましたが、撮影時から体調が悪かったのでしょうか。

大河ドラマでは宇佐美定満、映画では鬼太郎の「ぬらりひょん」が遺作となりました。(遺作の映画作品は間違っているかもしれません。その際はご容赦の程を)
あの圧倒的な存在感は異様なまでに凄かったです。Gacktさんやウエンツさんを喰っていたと思います。

もっと長生きして欲しかった俳優さんでありました

【篤姫レビュー】息子の出陣

2008-10-05 21:10:06 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

8月18日の政変、物語が始まる前に終わってました。
アナウンサーが「薩摩は長州を京から追放する事に成功」みたいな事を言って終了。
だから急ぎ過ぎだって。どうやって追放したのか描いていなかったし。
視聴者の中には“長州(と他藩の過激攘夷派)が京を牛耳っていた時代があった”ことすら知らない人がいそうです。
なのに「失地回復を狙った長州は・・・」とか言われても説得力なさ過ぎです。
あぁ、これで「チョウシュウはんという“人種”は世界征服を企む悪い奴らなんだね」と誤解する人が増えそうです。無念!

で、本題。
幕府では和宮が懐妊した様子。
黒木メイサに似た人(誰でしょうか?)が天璋院に報告。天璋院は「母として」自分の事のように喜びます。
例によって庭田は「武家の子など」と文句をつけますが、ここは和宮さん。
和宮は「この子は公武合体の証なのだから」と言い払いのけます。

しかし、ここで大事件が!
何と和宮の勘違い。つまりは想像妊娠でした。これは楠桂もひっくり返る展開だ!すっかりNHKに騙されました!(ワザとらしくてスミマセン)
しかし、これが和宮と天璋院の距離を縮める事に。
「公武合体のためではなく、国のためではなく、一人の女子として」
「そうです、一人の女子として」
見事なやり取りだったと思います。
そうです、私的な想いである「家茂様との子」を前面に出さずに、周囲にはあくまで「公武合体のため」と宣言していた和宮さん!
これぞ、女の道はキャットストリート!・・・いや、失礼。女の道は一本道!
天璋院の信念は和宮さんの性格に影響を与え続けています。(※1)

一方、薩摩では。
いつの間にか禁門の変で勝利していた薩摩藩。
酒の席で小松帯刀とお琴の運命の出会い。
原田さんが「調子がどうの」と言っていましたが、ながら見をしていたので聞き取れませんでした。何と言っていたのでしょうか?
再び政権を取り戻した薩摩に坂本龍馬が尋ねてきます。来週の伏線ですね。運命の出会いなわけですが、随分キャラが違いものの「のだめ」ですでに繋がっていたこの2人。
ていうか、もう流れが速すぎて追いつけません。
今何年?
どこやってるの?
家茂が出陣という事は第一次長州征伐は終わったの?
飛びすぎて意味不明。
どのくらい意味不明かというと、「家族八景」もやっていないのに「七瀬ふたたび」をドラマ化するぐらい意味不明。どこが“再び”なんですか?明らかに“初登場”じゃん。

まあ、それはさておき。
ラストの写真撮影のシーン。
何気ない場面でしたが情緒溢れるシーンでした。
そして家茂の出陣宣言。
「将軍が行けば長州は腰を抜かすに違いねー」と仰った将軍様。何という楽観的な考えを・・・、と普通に思いました。が、ここはに合戦に行かざるを得なかった家茂に同情するとしましょう。(すごい上から目線。わざとだよ?)


次回、薩長同盟。
予告に木戸が出てこない(西郷もいなかった気がします)薩長同盟て・・・。予告の場面とタイトルをもっとリンクさせてあげて下さい。
しかも、もう寺田屋事件!
まさに物語の流れは激流の渦に。
そしてガンバレ、柄本明!敵は「ムッシュかまやつ&TOKIO」にあり!


(※1)キャットストリート・・・NHKはあの手の漫画を無理にドラマ化しなくてもいいと思います。「フリースクール」という単語に飛びついたとしか思えないチョイスの仕方。もしかして「花より男子」の視聴者層をそのまま取り込めるとでも思ったのでしょうか。
ここはNHKらしく「ヘルプマン」とか「光とともに・・・」「だいすき」といった類のドラマをやれば成功していたかも。