★1960年に締結された「日米安全保障条約」。「日米地位協定」は、そこで駐留が認められた在日米軍の扱いの取り決めだ。沖縄など米軍基地を抱えているところでは敏感だが、首都圏や基地のない地域では理解が進まないといわれてきた。極めて片務的だといわれているが、外務省は治外法権などないという立場だ。
★だが物品税、通行税、揮発油税、電気ガス税が免除され経済的特権が与えられ、防衛費からいわゆる「思いやり予算」として在日米軍駐留経費が負担されているので協定は有名無実ともいわれる。また米軍や軍属の犯罪者の裁判権は日米双方にあるものの「アメリカの財産、安全のみに関わる事件や、在日米軍の内部で完結している犯罪」と「在日米軍の公務執行中に生じた、作為、不作為を問わない事件、犯罪」については米国に第1次裁判権があり、基地に逃げ込んだりする例が多く、地元警察は手が出せないのが現実だ。国会では散発的に野党が地位協定改定を叫ぶが、国会で議論はされない。ほかにも入国審査がない、住民票がない、車庫証明がない、有料道路がタダなど特権にあふれる。
★米軍基地を抱える15都道府県でつくる渉外知事会は、沖縄県で米兵による少女暴行事件が起きた1995年以降、日米地位協定改定を求め続け、18年には全国知事会が全会一致で抜本的な見直しを日米両政府に提言している。それ以降、都道府県議会、市町村議会に広がり、最近では3月22日、奈良市議会が<1>地位協定は米軍の特権を認める不平等条約であり、日本の主権と憲法を無視している<2>沖縄県民をはじめ国民の人権と生命・生活を脅かしているなどを掲げ、「日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書」を圧倒的賛成多数で可決した。奈良市もそうだが特筆されるのは保守系議員や市町村の保守系首長が賛成し始めていることだ。統一地方選挙がスタートしたが、政党や会派ばかりでなく候補者を見極めていくことが大切だ。(K)※敬称略
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます