飛騨の山猿マーベリック新聞

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いよいよ衆院解散、選択の時です。(中日社説)

2009年07月19日 07時15分22秒 | ●YAMACHANの雑記帳
■主役は国民 選択の夏 週のはじめに考える■

見苦しい自民の内輪もめはさておき、いよいよ衆院解散、選択の時です。かなりな確率で政治が変わる。審判はもちろん国民。心の準備はできてますか。
 ぶれた、またぶれた、と優柔不断を責められた首相の麻生太郎さんが、やっと意地を通しました。
 解散・総選挙は、誰が何と言おうと自分の手でやるんだ、と。
 戦後政治に名を残す祖父のワンマン宰相・吉田茂氏が晩年、意に反して解散権を封じられ、首相退陣に追い込まれたのを意識してのことでしょう。足元からの“麻生降ろし”をけ散らして、就任初心の「逃げぬ」公約を果たします。
 二十一日解散、八月十八日公示で同三十日総選挙-の運びです。
 どっちもどっちの抗争劇
 それにしてもここに至る自民党の混乱は、まことに情けないものでした。筋が通らないのです。
 主要市の長や県知事の選挙で劣勢が鮮明だった自民の焦燥は、長年の都議会第一党の座を民主党に奪われる惨敗を喫した東京都議選で、沸点に達していました。
 自民議員の大勢が「首相の自発的退陣」を望んだらしい。得意芸の“顔のすげ替え”です。辞めてほしい、不人気首相に解散されては選挙で落ちてしまう、と。
 でも、首相はそれを見越して先手を打つ。解散の日程を宣言する「予告解散」です。最初は十四日。実はこの日、自民・公明の与党は野党が出した内閣不信任決議案を否決、首相を信任しています。そして、お盆前の投票になるのを嫌がる公明に配慮して首相の予告解散は二十一日に。
 で、麻生降ろし組が勢いづきます。首相を信任したのに…。それが両院議員総会の開催要求。開けば首相糾弾は必至、退陣を督促されかねないと、首相と党執行部は鎮圧に動く。公認を外す、軍資金をやらないぞ、の脅しで。どっちも、生き残り最優先なのでした。
 後世に恥じない選挙戦を
 今さら言ってもせんかたないことでしょうが、麻生さんは首相就任直後に総選挙に打って出るべきでした。数字に表れる民心の麻生離れは尋常じゃありません。海外の目も気のせいでなく冷たい。
 自民も同じです。負けるのを恐れて、言い換えれば下野するのが怖くて、真剣勝負を先送りしてきた結果がこの惨状でしょう。
 総選挙を戦う旗印が旗印たり得ない。集票の広告塔にもくろんだタレント知事の擁立作戦も世間の思わぬ反発に遭って、司令塔の選挙責任者が役職を投げ出す。見苦しい抗争劇の後始末をきちんとできる人さえいないのです。
 まるで、無謀な戦争の終結に手をこまねき破滅へ突き進んだ戦前の指導部を彷彿(ほうふつ)させませんか。
 二〇〇五年総選挙で衆院三分の二超を得た与党、つまり、郵政民営化を単一争点に大勝した「自公政治の四年」が、待ちくたびれた有権者の審判を受けます。ちなみに自公の連立も十年の節目。
 「構造改革」路線の功罪が論じ直される小泉政治、衆参ねじれの政治状況に耐えきれず一年ほどで崩れた安倍、福田の二つの政権、ついで米国発の経済危機に大規模景気対策を打ち出して、なお窮地の麻生政権-。その一切合切をひっくるめた判定が下されます。
 直近の地方選の連戦連勝、自民をしのぐ支持率で弾みのつく民主党の勢いが、このまま続くなら、たぶん政権交代は起きます。
 民主が軸の政権誕生を見越してでしょう。共産党も是々非々路線に転じて、協力することもあり得べし、と言っています。海外メディアにも民主の政権ができるのを意識しているような報道が散見されるのです。
 文字どおり政権選択の選挙、歴史的選択の時が四十数日後に迫ります。その分、自民は心中穏やかでない。それはそうでしょう。結党した一九五五年以降、総選挙で第一党になれずに政権の座から転落した経験がないのですから。
 だからこそ、自民と、長年自民を支えた方々に、後世に恥じない戦いを、と呼び掛けます。戦後の復興と繁栄、戦争しない日本を、曲がりなりにもつくった「責任政党」の矜持(きょうじ)を捨ててほしくない。
 党の政権公約(マニフェスト)と別の旗を掲げての選挙戦など、もってのほかです。そうしたい人たちは、いばらの道も覚悟して、新たな党で戦うべきでしょう。
 野党暮らしはとても耐えられないと右往左往しては、信頼の一票を投じてきた支持者が哀れです。
 政治家を品定めする機に
 すべての政党と政治家、候補者に毅然(きぜん)さと気迫を求めます。野党になるのを忌避してばかりでは、この国の政党政治は育ちません。
 逆に言うなら有権者が政治家を品定めする、またとない好機でもあります。レベルの低い政治の醜態を、笑っては済まさない。政治に何をさせるか。主役の国民も参加の意思と力量を問われます。

*投票に行って、世の中を変えましょう。エイエイオー

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