立憲民主党の代表選が7日に告示される。自民党派閥の裏金事件を受け、自民政権の継続を望まない世論が以前よりも高まる中での代表選びだ。政権交代でしか実現できない社会の変革と、政権獲得までの道筋を示し、自民に不満を持つ同党支持層も引きつける論戦となるよう望みたい。
代表選にはすでに枝野幸男前代表(60)、野田佳彦元首相(67)が立候補を表明。泉健太代表(50)も出馬への最終調整を行っており、ほかにも立候補の動きがある。
自民は総裁選で次期衆院選や来夏の参院選を念頭に「選挙の顔」を選ぼうとしているが、立民代表選に求められるのは、各候補者が目指す理念や社会像、それを実現するための政策について堂々と訴え、議論を深めることだ。
立民内で、枝野氏はリベラル寄り、野田氏は保守寄りとされる。立ち位置の違いはあるが、出馬会見ではいずれも「自民を支持しながら怒っている人を含め、幅広い民意を包み込む」(枝野氏)「自民に失望した保守層を巻き込む」(野田氏)などと強調した。
立民は今、政党支持なし層に加え、自民に不満を持つ層にも幅広く訴えかける好機にある。
立民が政権の座に就いたら自民政権とは政策がどう違うのかだけでなく、裏金事件への誠実な反省が見られない自民とは違うクリーンさ、派閥の論理に染まらない党運営、大企業ではなく生活者の立場を重視する政策など、訴えるべきことはいくつもある。
政策とともに避けて通れないのが他党との連携を巡る議論だ。
連合を支持母体とする国民民主党との合流を目指すのか。野党第1党の座を争うであろう日本維新の会との協力を深めるのか。共産党との距離感をどうするのか。
立民単独で衆院の過半数の議席を得る見通しが現段階では立っていない以上、他党との連携の方向性を示さねば、政権交代は現実味を帯びて伝わってこない。
自民政権の継続を望まない一方で野党中心の政権にも不安を感じる層に訴えかけるには、政権の枠組みを具体的に示すことは欠かせない。
立民代表選は、40代や女性を含めて過去最多の5人を超える争いとなる見通しの自民総裁選に比べて新味に乏しいとしても、活発な議論を通じて、自民とは違う政党の姿や存在意義を示してほしい。
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